また未完成の曲ができました。
歌メロはシンセで鳴らしてあります。“とりつくろってある”という状態。
将来的にはエレキギターが少し足される予定。
私としては曲作りなんかしている場合ではないのですが、この段階まで出来てしまうと仕方がありません。ブログで公開して区切りをつけるしかないのです。音のバランスに不満がありますが、本人以外にはそうでもないかもしれませんし、まだ声もギターも入っていませんので、現状において音のバランスうんぬんは問わない。今の段階では。というかココで作業を止めますよ! という宣言みたいな感じ。
曲を作るのは、だいたい夜に布団に横になって寝入るまでの間です。
それを何日か繰り返すうちに、だんだん良く聞こえてきてしまうのです。
眠くなるまでの間の習慣になってしまったので、今後も伴奏の段階までのカラオケ曲が何個か発生してしまうかもしれないです。
曲ができない時期というのも味気ないものですが、曲が生まれ続けてしまうのもちょっと重いです。まず作詞が追いつきません。負債が増えていく心境です。
曲のタイトルは「無人潜水探査ロボ」です。
相変わらず深海シリーズ。
しかし今までの曲は“中層”と呼ばれる帯域を題材にしておりました。
今回は海底です。
それもエサがほとんど降ってこないような場所。熱水噴出孔から暖かい水が噴き出している場所を題材にしました。
地上で言えば鉱山なんかがこの類らしいのですけど、あくまで海の中を想定しています。
スケーリーフットなどの珍しい貝などが暮らしています。
彼らはエサを食べずに生きているんですね。ビックリします。
体の中に、ある種の細菌がいて、その子たちから栄養をもらっているのです。共生細菌というのだそうです。
ジャムステックという団体が深海の世界を調べているのだそうです。「ちきゅう」という船などは私の住む富士市から見える駿河湾の沖に停泊していることもあるようです。
ジャムステックは神奈川県が本拠地であるので、静岡県民にとっては敵。つまり悪の組織です。
悪の組織のアジトには悪の研究室があるという情報を得ております。そこでスケーリーフットの研究なども極秘裏に進められているのです。
最近にネット上で公開された動画には、ガラスのビンに入った、真っ白なスケーリーフットもチラッと写っていました。悪の博士に捕らえられているのです。
悪の組織の手先である「しんかい6500」という悪の有人潜水調査船があって、スケーリーフットなどを採取しているのだそうです。
珍しい貝ではあるものの、熱水噴出孔の周りだけにはワラワラと住んでいてけっこうホイホイと収集できるみたいなんですよね。
それはともかく、曲のイメージとしては心ならずも悪の組織に仕えている純真な深海ロボット君がスケーリーフットと対面している場面を考えてみました。
最近ネットで仮面ライダーの初回を見ましてね。それでちょっと影響されているんですけど、その世界観に。
ロボット君が悪の地・神奈川を脱して善なる静岡県の子になれる日がやってくることを願ってやみません。
音楽的な記述に移ろうと思います。
下の画像は私が使用するコルグのガジェット2っていう音楽アプリなんですけど使用した痕跡が見て取れますので参照してください。
「トウキョウ」というドラム音源を2台使用しました。
1台が主役。もう片方はたまに鳴らして曲にメリハリを付ける方向です。
このトウキョウという音源は4つの音しか出ないのですけど、音の可変幅が素晴らしく広くて多様な音が出ます。
「404」っていうモジュールはドイプファーのMS-404をモデルにしているのでしょうか。変調のかかり方なんかはソレっぽいなと感じます。元はMOOGのROUGEでしたかね。うろ覚えですけどね。安価だけど音は良いって感じの回路設計の勝利みたいな。そんな存在だと思いますけど。
他の楽音としては「カマタ」というシンセサイザーを使用しました。
これはゲーム音楽に過去において用いられた伝説的な合成音発生器を模しているのだそうです。
私は“カマタくん”と呼んでいます。今回は「トウキョウ」と「カマタ」という日本な感じで構成されました。このガジェットというアプリ内では、シンセの名前が世界各国の都市名になっているのです。全然知らなかった都市もあって勉強になります。
今回の曲はベース音の存在感でほとんど骨格ができちゃってますね。
イコライザーで高い方を削って低い方を増強してみたら、やたらと強力な音ができてしまいまして、その時点で曲の方向性が定まったというイキサツです。
前半でベースが鳴っていない箇所があるのも気に入っています。
こんな曲が作れるとは。
ちょっと私は変わったな、と自分では思っているんですが。
他のパートは歌メロ、和音、無機質なフレーズ。イントロでディレイが強くかかっているパート。以上の7つのトラックで構成されています。
どちらかというと私は詰め込みたいタイプですので、スカスカな曲ができて嬉しいです。
もっとこの方面を作りたい。できれば。と思います。スカスカでバカバカしい曲ですね。
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長くなってしまいましたがラジオ日記も記しておきましょう。
まずきのうの晩。聞き逃し配信で消されちゃう直前に聞いたNHK・FM「ジャズ・トゥナイト」。秋吉敏子さんの特集。
曲も演奏も素晴らしく良くて驚きました。
大友さんが解説でおっしゃっていた部分、クラシックの要素とジャズの要素を切り替えつつ聴く人を引き込んでいくワザというのもよく理解できました。
日本的な要素も取り入れられていて、それが長い期間の試行錯誤を経て完成する様子というのは心を動かされました。秋吉さんは満州生まれであって大陸的な要素も含んでいるということでした。
一言では言えないくらいの多くの要素、表出しているものと隠れているもの。また細かい動き、音の機微ですね。全体がみなぎっていて細部も非常に完成されているといった見事な芸術品でした。
ひょっとしてと思って山口淑子さんの人生と比べてみたんですが、秋吉さんの方が9歳ほど若いのだそうです。
山口さんについてはNHKのラジオの聞き逃し配信で中国、満州について語る番組を以前に聞きました。「声でつづる昭和人物史」ですね。ともかく大陸についての印象というのは強いものがあるようです。
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つづいて今朝の「現代の音楽」ですね。
こちらの作曲家もとても有名であるらしいのですけど、私は初めて知りました。
韓国のっていうよりも朝鮮半島の人といったほうが良いのでしょうか。
ユン・イサンさん。
解説の西村朗さんによると十二音技法に「主要音」という概念を持ち込んだ。そしてそれが強力に機能した、みたいな感じでしたけど、確かにその通りでした。オーボエによる朝鮮の民族的な部分ですか。曲がり、しなる、生命感というか。
西村さんによるとご本人に会うと自分までその生命力みたいなパワーに触発される感を持つというような。稀有な人物だったみたいです。
番組の中ではKCIAによる拉致、そして裁判。死刑判決というものまで紹介されて、まぁこれは大変なものだなとひたすら驚くといった。そういう人生だったのだそうです。
曲を聴いた感じは上に書いた通りですけど、きのうの「快適音楽セレクション」で聞いたベルクさんの試みにも通じる感もあり。そしてまた西洋楽器で民族的な表現に挑戦するといった秋吉敏子さんの世界に通じる部分もあり、様々な点で共通する意欲を発見できて有意義でした。作曲家の持つ深い強い好奇心と冒険心といったものを今後も知っていきたいと思います。