私の部屋には窓が3つありますが、そのうちの1つの窓の戸袋に、毎年子育てのため、一定期間、間借りしていくトリの夫婦が居ます。
毎年、同じ夫婦が訪れているのかは分からないのですが、トリの種類的には一緒のようです。鳴き声が特徴的で「ギエーッ」って感じに鳴きます。
去年は卵をかえすのに失敗したようで、途中で居なくなったのですが、例年ですと、そろそろヒナがかえる頃です。
ヒナがかえると、親鳥はそれはもう大変で、エサの確保に大忙しです。そして、帰宅(帰巣)すると、やっぱり「ギエッギエッギーッ」と鳴くんですね。一種、金属的な響きを帯びた鳴き声です。もちろんヒナのほうもアピールに必死です。大変ににぎやか。時々「ピュロピュロピュロ」とも鳴きます。そっちは親がヒナに語りかけるかのように聞こえるんですが、実際はどうなのでしょう。
いずれにしろ、私が暮らす、すぐそこでトリが生活しているので何とも妙な気がします。あんまり一生懸命鳴くので、ちょっと笑ってしまうんですよね。トリ氏にとっても、もう少し楽な鳴き方があるんじゃないかと改善点の提案でもしたい心境ですが、なにせ相手はトリですんで、それは出来ない相談なのです。
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数年前、1度は巣を取り去ってみたのですが、夫婦が私の部屋から少し離れた電線にとまって、こちらを恨めしそうに見ているので、多少の罪悪感を感じたものです。しかし、あきらめるトリ夫婦ではなかった。なんと私の自宅の「他の」戸袋で子育てを開始したのです。
どうやら当地点からの移転は一切、考えていないようです。何らかの好条件が揃っているのでしょうか…? 私には想像もつきません。しかしただ1点。メオトさんたちが特に執着する戸袋は西日が非常に良く当たります。そのせいで夜間の気温の下降が少ないのかもしれません。
結局、それほどの強い信念があるのならと、追い払う事はやめにしました。数ヶ月の間だけの事なので、場所を提供する事に決めたのです。
どうやらエサの調達は近くの茶畑とかで済ませているようです。先日、散歩中の折、似たトリが茶畑上空を旋回しているな…と思ったら、突如急降下でお茶の木のウネの間に突入するのを見ました。しばらくすると迷いなくどこかに飛び去っていきました。
以上、私の日常生活の中から、垣間見たトリの生活。そんなお話でした。