「地下のムシ」タグアーカイブ

ジゴクに落ちた野郎ども〔01〕

 地獄のムシ氏シリーズの後半を始めようと思います。

 何回か申し上げたとおり、地下のムシ氏。これは最初は地獄描写に伴う背景というかワキ役の練習のつもりで始めたんですけど、ムシ描写そのものが楽しいのと、ムシ相手なら陰惨さが薄れるという効果に気づいてからは、地獄の亡者そのものとしての扱いに変化しています。私の中で。

 それでね。今までのムシ氏は比較的おとなしいというか大多数の生前に小さな悪事を働いた人たちを表現していたんですけど、後半からはいかにもクセの強い人たちですよね。

 こりゃ地獄に落ちてもムリないなっていう、こまったオジさんたち。聞き分けに欠ける人たちですよね。

 私の得意分野ですよ。

 建設現場でアルバイトしてたり、自動車工場で2交代の組立作業に携わったりね。いろいろやって見てきました。

 バブル経済崩壊後の残滓ですよね。借金が億単位である人とか。この人は良い人でしたけど。あと親の山林を勝手に売って逃げてきたとか。前にも書きました同僚相手に儲け話をチラつかせて集金を企むおっさんとかね。議員の地区担当の秘書をやっていたのだが違法な土地取引の責任をかぶせられて身を隠している人とかね。ちょっとかわいそうでしたけど、保守本流みたいな議員について、いずれは自分も立つつもりのその人がかなりリベラルな思想の持ち主だったりして。「世の中こうしたものなのかな」なんて思わされたりしました。

 そんなワケで、反抗心にあふれる粗雑なムシ氏の練習の始まりです。

地獄の鬼さん〔03〕

 舌を抜かれるムシ氏の姿を考えてみました。

 大変に悲惨な状況なんですけど、コミカルにまとめてみたつもりです。

 ───────────────

 1ヶの告白をします。

 私が影響を受けた作家のお話になります。

 みなさんは「マーク・バイヤー(Mark Beyer)」っていうイラストレーターというかマンガ家の存在をご存知でしょうか。

 画像を見れば「これか!」って方も多いと思います。

 特に音楽がお好きな方には多いんじゃないでしょうか。洋楽ね。

 非常に独特な画風です。

 私が初めて知った時は高校生の頃でした。

 雑誌「イラストレーション」という専門誌がありまして。近年まで存続していたらしいのですけど、高校生の頃に何冊か買ったのです。

 当時、イラストレーターになりたかったんですよね。私。

 建築業界に進むかどうかで悩んでいた時もあったんですけど、数学が一切ダメだったんで、こりゃムリだって判断に至り、イラストしかないかなって心境で。でも実際は全然たいしたものは描けなかったんですけど。

 そんな時に接したマーク・バイヤーさんの画風なんですけど、一見は可愛らしいですよ。胴体についている模様とかがポップだし。すぐに気に入ったんですけど、描かれている状況とか心境は非常に救いのないものなんですよね。

 これが非常に衝撃的で。

 なんで状況その他も可愛らしくしてくれないんだ!と、不満だったんですが、ある面において非常にリアルに人間社会を表現しています。「人生とは」とか考えさせられちゃう感じで。

 今回、改めてバイヤーさんのインタビュー記事などを読み直したんですが、非常によく物事を考える人なんだなと思いました。

 それだけでなく生まれた場所であるペンシルベニアから西海岸のサンフランシスコまでマンガ活動のために引っ越したり。かと思えば新しいマンガ・ムーブメントに触発されてニューヨークに赴いたり。行動力もあるんですね。

 記事の中でおっしゃっていることも、もしかしたら他の作家たちと議論を重ねた上で醸成されたものなのかもしれないな、という感想もあります。

 すごくシャイだとも伝えられていますけど、気心の知れた人たちに対してはそうでもないのかもしれません。

 バイヤーさんの活動、作風は、分類すると「アウトサイダー・アーティスト」に属するみたいです。

 その界隈の人たちって「死後に大量の作品が発見される」というパターンがママあるんですけど、私の感想としてはバイヤー氏。画風こそ風変わりですけど、作家としてのパワー、活力という意味では普通以上にあるなと思います。

 「アウトサイダー・アート」でひとくくりにされがちかもしれませんけど、個別に見ればやっぱり様々で、みな独自の性格、性質を持っているのでしょうね。

 そんなワケでバイヤーさんのインタビュー記事には多くのことが述べられていて、どれもが興味深いと思います。しかし40年前のご心境ですからね。

 どうやらバイヤーさんは近年に最後の作品を仕上げたみたいで。今は引退されたのかと思いますけど、今現在の心境にもとても興味がありますね。

 ちょっとそれましたけど要するに、私はこの高校生の頃からバイヤー的な世界というのをずっと持ち続けています。正確に言うと咀嚼できないまま異物としてあったという方が正確かもしれません。

 しかし今、準備を進めている「地獄な世界」ですね。コレを描くことで自分なりに昇華できるのかな、という期待を持っています。

 ただし、今回のブログ・イラストに掲載しました通り、私が描くともう全然、別のものになっちゃうんですよね。影響はされているよなって。自分では思うんですが、どうなんでしょうかね。

地下の虫さん〔04〕

 本日も「地下のムシ氏」のイラストです。

 きのうまでは「メクラチビゴミムシ」のつもりで描いていたんですけど、やっぱり名前の点でイメージが悪いかなって思います。ムシ本人には何の罪も無いんですが。

 私としては、地下に住んでいる虫なら何でも良いですし、カラダの形状が面白ければそれでイイ。今日からは単に「地下に住んでるカマのある虫」というコトにします。

 長いので「チカッカマムシ」という、私が勝手に作った名前にしようと思います。

 もともとですね。写真の資料がかなり少なくて想像に頼る部分が多かったのです。であればむしろ自分が楽しく感じるカタチで描こうという気持ちも大きかったんですよね。

 別に仕事として厳密なものを描こうというのでは無いので、「それっぽいな」って線にまとまれば良いかと思います。

 そもそもこんなに“カマ”の部分が大きいワケじゃないんですよね。実際は。

 それとこの手の地下に住むムシというのは石と石のすき間を行き来するみたいでして。たぶんカラダのつくりとしては平べったいのでは無いかと。

 なかなかベストポジションな写真というのが無いんですよ。

 亜種が多くて、生息する地域が違うとカラダつきも変化しているんで、何とも悩ましいムシ氏なんですよね。困ったもんだ。

 マしかし楽しく描くのが当ブログの本旨ですので、そこだけ押さえてその都度判断しながら行こうかなって思います。

 ───────────────

 それと日記的な記述なんですが、本日は夜から会議です。

 先週の土曜にもやりましたけど、地区のお仕事。まちづくり協議会の企画委員という名目なんですが、新年度まで時間的な余裕もありませんので、きちんと考えなければいけません。