何枚か描いてきてやっとイイ感じのヤマアラシさんの省略の仕方がつかめてきたように思います。ここまでけっこう手こずりました。しかしこれが奇跡の1枚であるとも限らないので、もう少しがんばらなければいけないでしょう。
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以下はラジオ日記です。
すべてNHKのラジオ放送です。
「ビバ!合唱」を聞きました。
詩人・新川和江の世界と題した内容。
「ふーむの歌」という曲名にひかれて聞き始めました。おもしろいですよね。
詩の内容としては「世界は「ふーむ」でいっぱいだ。さがそう、さがそうよ。」という感じ。子どもたちが「ふーむ」を発見していくような歌。
作曲は新実徳英(にいみとくひで)さん。合唱は東京都豊島区立仰高小学校のみなさん。「仰ぐ高く」って非常に良い校名ですね。
発見する喜びを表現するような高揚感と一心に見つめて集中しているときの、とぎすまされた心境の両端をいくような曲だったと思います。
この合唱における指揮者は渡辺陸雄さんでした。
前にも書いたかもしれませんが新実徳英さんのことですけど、こどもの合唱を指導している時の気迫あふれる表情をネット上の短文SNS上で見たときには驚きました。
「現代の音楽」で「四人組コンサート」を聞くに際しては同時期に動画サイト上で自作を語る作曲家ご自身のお話が聞けるので参照する私なんですが、特に新実さんはたぶんご自宅の仕事場での収録であって、それを見ると非常にやさしい語り口というか内省的といっても良さそうなその表情なんですけど、「こどもの合唱を指導するときにはこんな感じに目の前の歳若い人たちから良いものを引き出そうと力をこめるんだなぁ」とわかったんですね。
新実さんのブログにおいて合唱の世界の昨今のようすについて提言されているわけなんですが、引用しますけど「困難・克己・偉大という領域を避けているように」見えると。「大きな変革を待ち望んでいますよ」という文面であって、これは熱いなと思いました。イコールそれらをこどもたちの合唱に当てはめるっていうことなのかはわかりませんが、やっぱり現代音楽の人だと感じました。
番組の主眼である詩人・新川和江ですけど、この人は女性の存在だったりその人生というのがテーマとして大きくあったようで、簡単にネットで少し巡ってみただけですが心が動きました。
最後にまた新実さんに戻します。ブログの別のページに音楽と平和の関係というか安全と平和がないと素晴らしい演奏も生まれ得ないというようなことが書かれていました。全くその通りだと思います。新実さんが日本国憲法の公布と同年生まれだと知りました。
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「現代の音楽」。笙の演奏を聞きました。雅楽系の楽器ですね。3人の女性演奏家グループであったという「ショーガールズ」の2週目。おひとりが亡くなられてしまったということで折り目となる演奏会。師匠にあたる方を招いての演奏は聞き応えがあったと思います。
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「吹奏楽のひびき」変拍子はつらいよ、と題しての回。進行は指揮者の下野竜也さん。
とてもおもしろい回でした。下野さん自らの実感として指揮者という職業柄、作曲家の書いた譜面を読み解く際の困難なども伝えていただきました。
聴いた曲としては最後の田村文生さん作曲の「スノー・ホワイト」。12分超にわたる激しい世界。堪能いたしました。岩城宏之さんの指揮、東京佼成ウインドオーケストラの演奏でした。初演魔として知られる岩城さん。現代音楽の牽引者であったということなんですが、とくに同業者の方にとっては譜面の読解力の凄さが伝わって来るんだと思います。
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「子ども科学電話相談」。「鳥」「心と体」「天気・気象」の日。
鳥の先生の上田恵介さんは番組が終わり次第、富士山のふもとに赴き野鳥観察をするご予定だということ。富士山は山の鳥を観察するには良い環境だとする文章をネットで読みました。低いところから高いところまであるのが良いようです。生えている木にしても昔から手が加わっていないというので、もしかしたら良いのかもしれないと思いました。
それと「天気・気象」の点でも富士山の話題が出ました。山の上は太陽に近いのに平野よりも気温が低いのは何故なのかという質問。高度と気圧の関係で気温が下がるというご回答だったと思います。気象予報士の福田寛之さん。
今回の問題作は「心と体」の先生である篠原菊紀さんに寄せられた質問。「正夢」とか「予知夢」に関するもの。これは科学の先生としては回答が難しそう。質問者の子としては完全に信じているというか彼なりの根拠があり真摯にそれらを伝える立派な態度を見せてくれました。ロジカルに考えようとする姿勢もあって多くの聞く人の心も動かしたようすでした。篠原さんとしては脳の働きの曖昧さ、その実際なんかをざっくりとした態度で伝えようとがんばっていたと思います。引き込まれてしまうやりとりでした。
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きのうの夜のことになりますが、「クラシックの迷宮」を聞きました。
片山杜秀さんによる「小澤征爾研究」です。これは大変に面白い。その第3回。
とくに初回の中国であったり満州におけるお話。小澤さんのお父さんのお話はドキドキするほど面白くて3回聴き直しました。
現実生活と理想的社会のあり方との距離が今より断然に近かったのかなと思いました。片山さんの表現による誇大妄想狂とも言える人たちがその気持ちのままあっちに行ったりこっちに行ったりという世の中のありよう。別にみんなそれでハッピーだったわけじゃないでしょうけど今とはかなり違ったんだななんて思いました。
きのうの内容としては齋藤秀雄さんの役割とその位置について学びました。
オーケストラ団員の一員として過ごし、そのうちみんなをまとめる役割に携わり、団員の交代には反対し、ジョセフ・ローゼンストックの指揮法に学び、さらには音楽教育にも力を注いだということでした。
現場であったりこれからの人たちを育てたい期待したいという熱意にあふれた人だったのかなと思いました。
小澤征爾さんの指揮による演奏をいくつか聞けました。まさにその齋藤さんの影響の濃い演奏で、優れた学習者であったことも理解できたと思います。小澤さんはその後、タイプの違う指揮者について、そのそれぞれを学んでいったということなんですが、たぶん来週にもその続きが聞けるのではないかと期待しています。こどもの頃に小澤さんのご著書を読んだことがあるのですが、あとで知るバーンスタインさんに肩を抱かれての凱旋帰国の時だと思いますけど口絵のお写真を思い出します。
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最後はネットのニュースサイトで読んだ、ジャズの話題です。
ギタリストのメアリ・ハルヴォーソンさんのインタビューを読みました。とても良い内容。
なかでもジョニー・スミスさんのギター演奏には入れ込んだと語るハルヴォーソンさんでした。個人的にはとても納得しました。ちょっとした時にかいま見える包容力というかやわらかい部分でしょうかね。ポルタメントっていうとより具体的なのか。そうした面に注目するともちろんロバート・ワイアットさんの世界にも容易に接続するのかなと思います。なるほどねと染み入るような気持ち。
ハルヴォーソンさんもまたこれが学習者としては人並み外れたものをお持ちだと思われるので、さらに多くのものを取り入れていると思いますが、私が感じていた以上にもうちょっと入り込めたかなと思いました。
文中ではオリジナルであることへの努力にも触れられていました。大量に学び、個としての位置を確立するという難しいことができているハルヴァーソンさんは立派というか、同業のギタリストからジャズの歴史の中に見る「特異点」とも評されているとのこと。私はそこまで深くは分かりませんが、この人かなりヤバいんではというのは強く伝わってきます。
なんと6月に日本に来て演奏されるそうでありまして、見に行けないのが本当に残念。
前のNHKのラジオ番組「ジャズ・トィナイト」で聞いたTomeka Reid Quartetでの来日。これはトマ・フジワラさんもドラマーとして来るわけです。なんかもう名演間違いなしって感じであってすごく聞きたいですけど今の私の状況としては諦めるより仕方ありません。残念。