「イラスト・たぬき」カテゴリーアーカイブ

ぼんタヌキ

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(以下の日記は音楽についてのお話です。)

 お昼のラジオでマイルス・ディヴィス氏の「オン・ザ・コーナー」が流れているのを聞きました。

 選曲されたのは音楽家の大友良英さんでした。NHKの帯番組の1コーナーです。他には野坂昭如さんやデレク・ベイリー氏の音楽がかかりました。

 昨日も同じ時間の番組を聞いたのですが、山下洋輔トリオの「ミトコンドリア」という曲がかっこよかったです。
 私は知りませんでしたが、坂田明さんが作曲した曲だという事でした。坂田明さんといえば「ミジンコ」の研究でも有名な方です。坂田さんの弁による「ミジンコにはミジンコの都合がある」というお話は若かった当時の私にとっては衝撃でした。
 「そりゃそうだよな」ってコトでもあるんですが、案外思いが至らないものです。ともあれ私にとって新しいモノの見方というか、考え方を得た気分になり興奮しました。今でも影響されていると思います。

 もうひとつ影響された事は民族音楽です。中東だったりアフリカだったりするんですが。
 私はまさに山下洋輔さんや坂田明さんの紹介でそういうモノがあると知りました。かなり変態的な音楽の存在ですね。

 実はここからディヴィスさんの「オン・ザ・コーナー」につながるのです。

 「グナワ」っていう音楽があります。モロッコの民族音楽らしいんですけど。
 いろんな流儀があるようですが、私が手に入れたCDですと甲高い金属音が延々と鳴り続ける中でメロディーが進行するスタイルが多かったです。
 けっこう独特で戸惑いました。なかなか好きになれませんでした。

 これは当時の私がシンコペーションするベースがブーブー言いながら曲を引っ張るタイプのモノばかり欲していたのが主な原因だと思います。

 「グナワ」を消化できない内に新しく聞いたのが「オン・ザ・コーナー」でした。こちらもけっこうリズムが変態な上にハイハットが変な感じに刻むんですね。これが耳についてなかなか入り込めず、苦労しました。
 繰り返し聞く内に突然良くなって、今では大好きな「オン・ザ・コーナー」なんですけど、「グナワ」と並んで苦労したよという、まぁそんなおハナシなのです。

お祭りを見に行って来ました。

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お祭りを見に行って来ました。
 グダグダしているうちにお昼。昨日の自転車で少し疲れが残っていたのです。
 お祭り会場は500メートルほど上にあります。富士市の北部にある自然公園と、ゴルフ場にはさまれたような位置です。
 かなり登らないといけない…。しかし意を決して出発しました。
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 見に行くお祭りは『大淵小僧(おおぶちこぞう)・慰霊祭』という名前です。
 大淵というのは富士市北部一帯の名前です。北はほとんど富士山の山頂のあたり、そこから下にドワーっと広がって、そうですね。標高にすると100メートルくらいまでを含みます。おそろしく広い。富士市の4分の1は大淵だって言っても過言ではないです。何しろ標高差にすると3千メートルくらい。しかし人が住んでいるのは下半分だけです。
 今日、私が行った地点はもう人家も絶えるあたりになります。
 そんな大淵の大淵小僧なんですが、昔話であり、また実話であるようです。簡単にまとめますと、盗みを働いていた悪い子供が、村の人に殺されてしまうというお話です。その後、村の人が反省してホコラを建ててマツるようになったとか。割と救いの無いダークなお話ですね。私が好きな森のタヌキとかのホノボノした要素が入って来ません。どうしたものか。
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 私は現在、富士市の昔話を元にデタラメでノンキなマンガを描こうと思っている訳ですが、その際に真っ先に思い起こしたのがこの「大淵小僧」のお話です。というのも私はこのお話がこんなに凄惨な物であると知らなかった。名前しか知りませんでした。
 話は私の小学生時代にサカノボルんですけど、遠足で丸火自然公園のソバまで行った時に休憩が入りました。そこで先生が「大淵小僧」について語り出したんですが、小学生って黙って聞くのが苦手です。ただでさえ遠足という非日常でテンションが上がっているので、おしゃべりの波のボッパツ。私は非常に内容が気になったんですが、結局何も分からなかったという次第です。
 最近、改めてネットで調べてみたら、私が期待したホノボノしたお話とはまるで逆。のけぞりました。
 しかし興味だけはまだ変わらずありますので、タイミング良くお祭りもあるというので潜入取材を試みたというワケです。
 この2日間くらいでかなり涼しくなりました。秋です。傾斜を自転車でノボるのもかなり楽になりました。丸火自然公園はたびたび通る道ですので、土地カンもあります。迷う事も無く到着。非常に薄暗い細い舗装路に数台の車が停まっています。
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 この慰霊祭、ネットで調べても詳細がわからなかったので、一応、お昼に来てみた訳ですが、お祭りというよりは、地区の寄り合いという風体でした。ゴザを敷いてテーブルを設置して高齢者の方達が飲み食いをされています。非常に強い身内感オーラが出ています。
 暗い林の中にゴザ&テーブル。集う高齢者というワケでハタ目にはかなりシュールな絵ヅラですが、語る口調はマギれもなく土地の人という訳で、まぁなんだか私としても変な安心感、そして現実感があります。
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 写真だけ撮って、ソソクサと退散いたしました。クドいようですが薄暗いのです。周囲に土地の人が居る時で良かった。一人ではちょっとコワい場所でした。
 その後、閉鎖されているバーを乗り越えて自然公園に侵入しました。いずれ私の知る道に接続するのではないかと期待した訳ですがアニハカランヤ。道はジャリ道に変わり自転車を押して歩いてたどり着いたのは、公園の駐車場でした。もう今では使われていない駐車場です。こんな場所があったんですね。どうも公園が出来た当初は正式な入場門だったのではという印象を受けました。
 さらに北上するとまた閉鎖バー。そして見知った国道469号線に出ました。ココが思っていたよりも公園の真北の位置である事をさとった私です。
 (私が公園を抜けたあたりの地図をネットで確認してみたら、思いの外の秘境感でした。グーグルの地図サービスを閲覧出来る環境の方で、ご興味のある方はどうぞご覧ください。
(それと万一なんですが、「大淵小僧」の詳細が知りたいゾという方のために、わが富士市謹製のPDF書類へのリンクをしたためておく次第です。)富士市の昔話、トップページはこちらです