ラジオで鉄道の番組を聞きました。日本の鉄道の歴史が今年で150年を迎えるのだそうです。まさにその歴史的経緯というか、全国の鉄道網を先につなぐべきか、軍備拡充して列強各国に伍する国づくりを優先させるのかを悩むといった最初の方の日本国としての立ち上がり。外国の技術に頼る構造から外国人技術者への出費が多く悩んでいた等々。そんなお話も聞けました。
NHKラジオ第1での11時間番組です。きのうの日曜から鉄道デーは始まっていて、寝坊したため聞けませんでしたが、「吹奏楽のひびき」も鉄道がテーマだったようです。「子ども科学電話相談」も鉄道1色で、路面電車について熱く語る先生のお話も聞けました。
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一方の私が熱い信念をもって探索を続けるすべてのシンセポップの野郎ども、オール・ザ・ヤング・シンセポッパーズを探す旅なんですけど、けっこう「鉄道もの」というのは収穫されております。折しも収穫の秋ってことで1曲ご紹介しようかと思います。
スペインのシエロ(Cielo)というバンドの「Como en Tranvia」という楽曲です。「Tranvia」というのが「路面電車」をいうのだそうです。
これは大変に良い曲だと思うんですが、絶えず近づいては離れを繰り返しその効果から来る遠近感というかパースペクチブって申しますかね。こういうのは機械仕掛けの音楽は得意とするところでその長所を遺憾無く発揮していると思います。空間処理のエフェクト使用も絶大な効果を上げていますね。電子な世界ですよね。
歌詞としてはドイツのバンド、クラフトワークの「アウトバーン」の歌詞を当てハメてそのまま歌えるといった楽しさ、つまりビーチボーイズ直系の能天気な弛緩した感じっていうんですか。ビヨヨンって伸びていく感じなんですけど。
そして曲全体を貫く基調としましてはアメリカの電子音楽家であるブルース・ハークさんがクリスマスソングを電子化した作品に似ていると思います。「Bruce Haack – Deck the Halls」。これがまた邪気のない原曲の良さをそのまま宇宙に連れ出した感じでして、無理なく取り入れられているように思います。ハークさんの「Deck the Halls」を下敷きにしたかどうかは不明ですが近い線に行ってるように思えて仕方ないんですよね。
シエロ(Cielo)というバンド自体に戻そうと思うんですが、私が外国語が不得手であるため要領を得ないのですけど、どうやらペルーの人がスペインで結成したようです。本体としてはシルヴァニアというバンドであって、こちらも電子感はあるんですが、一方でシューゲイズな作風も演奏していたようで、つまりシエロは「より電子に特化した音楽を追求するサブ・プロジェクト」だったようです。時代背景的には2000年台のできごと。
こうしたスペインだったり南米だったりメキシコなどの、要するに米英的な中心的なシンセポップ以外ということになりますが、そのあたりを観察していると例えばスペイン語が通じる国同士ではポップ音楽の相互的なやり取りがあることに気づかされます。文化交流ですね。ペルーの人がスペインで活動していたっていうのもそうことなのかなって思いますけど、チリやアルゼンチンでも聞かれていた形跡があります。
映像もネットの動画サイトで多く確認できます。男性二人組で機材を操作しています。短髪であってどちらも体格的には立派な隆とした感じなんですが、問題は片方の人がメイクをしていて女装とは言えないまでもユニセックスなのか判断が難しいスカートを履いている感じでして要するに大変に紛らわしいです。音楽に集中できない。ひとりの人物の中で女装感と男性性がケンカしている印象を私は受けます。
私の嗜好性が「変わっている人たちが作り出す音楽が好き」っていうせいもあるんでしょうけど、いたるところで女装をして演奏している人っていうのは見かけますね。しかし「これ必要なのかなホントに」って思うこともしばしばです。女装のムダづかいと申しますか。
しかし法に触れるワケでもなし、誰かが言って止められるコトでもございません。
シエロのおふたりは軍装もされていて、そちらはどうやら「ヨーロッパのデカダンス、退廃美」を狙っているのかなって思いますけど、こっちも全く自信はないのでした。
「おもしろいな」とは思うんですけど、モヤモヤすることも一方でまた多いですね。