「自作曲」カテゴリーアーカイブ

変曲、変動画。『恐怖! アリネコちゃん!』が出来ました。

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 やっと出来ました。FlashPlayer8.0で動きます。2006年頃に買ったパソコンでも動くと思います。

 体の半分はネコ。そしてもう半分はアリンコ。奇怪動物アリネコちゃんが、色々と活躍する内容です。その他のお友達も出てきます。
 意味無く楽しい感じです。ご興味がありましたら、どうぞお楽しみください。

(下の画像をクリックすると、動画ページにジャンプします。)
(左下の「白い右向き三角形」を押すと始まります。)
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 携帯電話をお使いの方でフラッシュファイルが見られないという方はこちらをどうぞ。(先週載せたのと同じ動画です。非常に粗い画質。)(容量が大き過ぎて携帯電話では見られないという事が分かりました。失礼いたしました。)

 音だけ聞こうという方はこちらをどうぞ。

ant_neco_110601b.mp3←ダウンロードして聴こうか、という方はこちらを右クリック的にご保存どうぞ。
(以下、製作メモ。自分が忘れてしまわない為にも書き留めてあります。)

 曲としては、去年の6月1日に出来ていたんですが、多忙のため、動画を作る時間が取れず、こんな時期の公開になってしまいました。

 動画はフラッシュというソフトで作りました。まずは下描きを、コピー用紙に鉛筆で描いて、それをスキャンして、あとはひたすらトレースするという作業です。
 少ない労力で簡単な物を作ろうという方針でした。
 トレースの作業は、半分くらいが、去年の6月には出来ていましたが、上述の通り、多忙にて中断。
 続きは今年に入ってから再開しました。
 去年の夏にパソコンが壊れてしまったので、パソコン本体と、ソフトが新しくなりました。使い勝手が変わってしまい慣れずに苦労しました。足りない知識でなんとか頑張った感じです。

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 以下は、曲の制作についての説明です。

 いつも通りにAKAI の MPC1000 という小さな機械を核にしたシステムです。JJ OSという社外OSを使用しています。グレードは2XLです。バージョンは2.21になります。

 ドラムの音はサンプルです。昔のカシオトーン、PT30という機種のドラム音です。『ダンス・メガドラムス』という古いサンプリングCDを使用しています。
 スネアの音だけ多少加工していますが、それ以外はほとんどいじらずに、そのまま使っています。曲の中で聞かれるポコポコした木琴のような音も、実はカシオトーンのドラムの音です。音程を操作してメロディーのような音列を奏でています。

 シンセの音は、DOEPFERのMS-404です。BOSSのGT-8というマルチエフェクターにつないで音を作っています。
 ベースの音は重ねて作りました。低音と高音に分けて作って合成しました。MS-404単体で、私好みのベース音を作るのは少し難しいです。

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 ところで、一昨年くらいに「MS-404はかなり使い込んだので、他のシンセを探求したい」というドクハクを、ここでさせて頂いたのですが、この曲は、かなり以前に作業して、メインのモチーフまでを完成させていた物です。そういった訳で、この曲ではまだMS-404が大活躍しています。非常に抜けが良い音のするシンセですので、やはり使いやすいです。
 別に抜ける音のシンセが良いシンセだという認識も無いのですが、曲を作る際には心の支えになります。つまり行き当たりばったりの無計画な曲でも「とりあえず曲っぽくなるまで重ねてみよう!」という無手勝流が通用しやすいのです。あまり良い事じゃありませんが。

 一番最後のパートに出てくるフレーズ4小節分(を繰り返し使用)だけは、新たに録音した音です。MS-404のフリケンシーモジュレーションを用いた、癖のある『ギョイン』という感じの音です。去年の5月に買い込んだコンパクトエフェクターを通しています。ARTECのディストーション・SE-7DBでちょっと歪めて、ベリンガーのフェイザー・SP400で音色にクセを付加して、更にTONERIDERのディレイ・AD-1で響きを付けました。しかしどれも割と軽めの使用です。
 MS-404は、他の音でかなり一杯の音場においても、埋もれずに主張してくれました。まぁその分、騒がしくなっていますが、エンディングの盛り上がる所なので良いかな…という判断をした次第。

 曲をパソコンに取り込んだ後、波形編集ソフトのSpark XLで、低い方の音域を弱めました。シャカシャカした固い音にしたかったのです。

 この曲は、私にしてはうまく収まったんじゃないでしょうか。ベースが一定の音しか出してないのに、何となく飽きずに進行するという構造が気に入っています。

 しかしまぁ結局、去年の成果はこの1曲だけ…。でも忙しかったですしね…。
 とりあえず、何とかこうして動画に仕立てる事が出来ましたので良しとしたいです。

 今後の予定ですが、あと3本か4本くらい動画を作ろうと思います。こうした動画がまとまったらネット上の動画サイトに自分のチャンネルを持つというのが夢です。しかしこれって前にも書いた事かもしれないです。

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 もう既にかなり長い文章になってしまったんですが、もう一件、今、考えている事を書いておこうと思います。

 今回の動画は古いパソコンでも見られるようにと思って、敢えて古めのシステムで作りました。フラッシュが動かない携帯電話の方向けの(非常に粗い)動画も用意しました。

 しかし最近の世の中にはスマートフォンという物もあるのです。
 これ、どうなんでしょうねぇ…。
 私がお借りしているサーバーのサービスで、当ブログにご訪問されて来た方々のお使いのパソコンの種類などが分かるのですが、実はこれが案外みなさん、新しいパソコンです。
 それなら今回の動画も新しい機能バリバリでも問題無い、とも言えるんですが、ここはやはり少数派も大切にしたい。垣根は低くしておきたいのです。

 それはそれとして、昨今のスマートフォンです。つまり新しいパソコンが比較的多いという事は、類推ですが、日常において、いわゆるスマフォをお使いの方もいらっしゃるのではないかと思う次第。おそらく実態を大きく見誤る推測ではないと思います。今年の春先に都心に出かける用事がありましたが、そこでもちょいちょい見ますものね。ああいう手のひらサイズの画面を見ている人のお姿。

 ちなみに当ブログへのアクセスで一番多いのは、何とアップルの割と最近のOSです。4割くらいあります。意外ですね。アップルだけ合わせると5割を越えるくらい。考えるに、私のブログがこういう、ユルい雰囲気のイラスト主体の内容だからでしょうか。
 まぁそんな訳ですから、何となくですけど、iPhoneとかもお持ちの方が無視出来ないくらい居られるんではないかと、こういう訳です。しかしそれにはまず、このブログをスマートフォンでも閲覧可能にしないといけないのです。手がかかりますが、やっぱりそうした方が良いんじゃないでしょうかねぇ。

 そんな事を考えています。
 私は携帯電話すら持っていないので動作確認を取れないのが不安ですが、全然見られないよりは良いのかな、なんて思っています。

久しぶりの変曲。『Back Hop』です。

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久しぶりに出来ました。あまりに久しぶりなので、当ブログへの音声ファイルの上げ方や、mp3プレーヤーの設置にもアタフタ。
3分ちょっとの短い曲です。
暗い印象の曲です。ご興味のある方はどうぞ。


back_hop.mp3←ダウンロードして聴こうか、という方はこちらを右クリック的にご保存どうぞ。
(以下、製作メモ。非常に長い上に、かなりどうでも良い事が書かれています。)

いやー出来ました。あんまり手のかかっていない曲ですが、気に入っています。だいたい半日で出来ました。
特に個々の音がエフェクトまみれな点が気に入っています。
およそ1週間前の15日の夜に出来た曲です。その前からの数日、天気が悪かったので、そんな空模様を反映したような曲になりました。
混沌とした暗い感じの曲ですが、ドラムのパターンや、シーケンスのリズムが跳ねているので、一種軽快な、トボケた感じも出ているでしょうか。
私はスジの通った世界よりも、あんまりちゃんとしてない方が好きですので、別に意図した訳でもないですが、私にとって居心地の良い世界が描けたかなと感じています。
若干、ディーター・メビウス氏(クラスター)の作風と相通じる所があるかも知れないです。何かそんな気がします。気のせいかもしれません。
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(今回の写真はクリックすると少しだけ大きくなります。以下同様。)
ドラムについてから書きましょう。
全てサンプルです。任天堂のゲーム機のナノループというソフトで使われていた音だそうです。とある会社がそれを録音してフリーサンプルとして公開しているのです。それを使いました。
最近のネット上で提供される(無料の)音というのは、かなり多いんですが、それらも今や24bitのファイルである事がほとんどですね。
私が使っているサンプラーは古いタイプで16bitの物しか読めませんので、変換の必要があります。
サンプラーとシーケンサーには、いつものAKAI MPC1000を使っています。社外OSのJJOSの2XL(ver3.16)を入れています。このOSがちょくちょく仕様が変わるんですね。アップデートが激しいのです。気にせず更新して使っているのですが。
今回はかなり深いエフェクトをかけました。バスドラムはMPC内のローパスフィルターで高域を削って馴染ませました。更に、同じくMPC内のリバーブをかけています。
その他の、ドラム音。まぁほとんどがノイズに聞こえる音ですが、一応、スネア的な扱いです。3つ使いました。以下、詳細です。
「ザッ」って感じのノイズをBOSSのRV-2という小さな機械に通しました。音に”響き”を付加します。これは80年代のコンパクトエフェクターです。最近の機械とどう違うかと言うと、12bit機です。今の物に比べて肌理(キメ)が粗いのですね。そんな訳でやっぱりちょっとローファイな音です。ちなみにご存知の方も居るかもしれませんが、この手のコンパクトエフェクターは、通常、ギターにつないで使われる事が多いです。
もうひとつのノイズは、BOSSのPS-2に通しました。音を”反復”させています。これまた80年代のエフェクターです。同じく12bit機ですが、音の傾向は、RV-2をモッコリ系とすると、PS-2はとんでもなく腰高な音がします。こんなに中低域が削れるディレイも珍しい。フィードバック音のウルオイの無さと言ったら1級品ですね。どんな音を通しても針金みたいになっちゃいます。こんなエフェクター、普通は誰も欲しがりません。私は大好きなんですが。
曲の中で短く「シュルルル…」と言っているのがこのエフェクターの音です。

RV-2とPS-2は性質が正反対ですので、限られた可聴帯域を分け合って使用するには都合が良い組み合わせとではないかと思って愛用しているのですが、まぁどうなんでしょうか。
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そして残りのノイズですが、こちらも”反復”させました。テープディレイを使いました。VOCUという会社のVTE-1600です。中にモーターとかヘッドが入っていて、エンドレステープを録音&再生しています。この機械は上でご紹介した2機種に比べると珍しいかもしれません。今更買う人も少ないと言った位置にある機械です。つまり相当に古いテクノロジーを使用した機械。しかし設計と製造は、比較的最近の2000年代です。
かなりクリップ気味に突っ込んであげています。曲中でモゴモゴ言っているのは、このテープディレイのフィードバック音です。
今回の曲は、その2~3割が、このディレイの音で出来ていると言っても過言ではないでしょう。
こう言った録音テープによる歪みというのは、昨今のデジタル技術においても再現が難しい、まぁ最後のトリデって言えるでしょうか。しかしこの辺もいつまで持つか分かりません。なにしろデジタルの牙城のヤツラは頭が良いですからね。
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以上でドラムの音について書き記す事は終わりです。
私としては、このドラムパターンを聞き続けるだけで、もう充分ピースな心持ちだったのですが、敢えてその外に足を踏み出してみました。
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シーケンスフレーズにD.S.I社のエヴォルバーというアナログ・モノ・シンセを使いました。MPCと同期させました。私にとって外部の機械と同期をとると言うのは大変珍しいケースです。たいていフレーズをメインのシーケンサー(私の場合ですとMPC1000)で打ち込む事がもっぱらですので。
MPC1000がデフォルトではMIDIクロックを吐かない仕様だという事も、今回初めて知りました。いやはや。
エヴォルバーを積極的に曲作りの中で使うのは、相当に久しぶりです。使い方をかなり忘れています。このエヴォルバーというのは、DVDのケースくらいの大きさ。大変に小さな筐体をしていますが、ビックリするくらいのパラメーターを内包したシンセです。そしてそれらパラメーターがまた良く効くのです。
アメリカは西海岸にその名を知られたディヴ・スミスというシンセ馬鹿一代男が居るんですが、いや、”馬鹿”なんて言っちゃいけません。紛れも無くシンセ界の偉人のひとり。その彼が世に放った傑作のひとつがエヴォルバーです。シンセのマジカルを発散する源泉、そのひとつひとつがこれでもかと言うくらい埋まっています。まぁシンセの魅力を熟知した手だれの仕業ですから、かなう訳がありません。
以下は、今回の詳細。
適当なプリセットから出発した音です。イチから作った訳ではありませんが、かなり印象が変わる所まで追ってみました。
16ステップのシーケンスフレーズです。エンベロープでキックする通常な音でしたが、VCA値を直接上げ下げするという設定に変えてみました。元は歯切れの良い音だったのですが、変更により、ボヨンボヨンしたダルい感じ、しかし混沌とした音世界に寄り添う手触りに変化しました。
エヴォルバーのステップシーケンサーは8+8って感じの作りになっていて、私はそれを表の8ステップと、裏の8ステップという感じに捉えています。実際には折り返しの地点も任意な設定が可能なんですが、ここでは16ステップの全てをベタに打っています。音が消えている部分はVCA値を低くしてあるだけです。
フレーズ自体はほとんど元のプリセットから変えていませんが、『裏』の方に高い発音を設定しました。『ホッ』って言う感じに聞こえる音です。これが今回の曲のタイトル『Back Hop』の根拠になりました。
MPCと同期させるにあたって、エヴォルバーのシーケンサーも跳ねる設定に変更しています。
最終的にKORGのエフェクター、カオスパッド2の、フィルタープログラムで処置してあります。がしかしエヴォルバー内部でかなり作り込んだので、カオスパッド2の方ではそれほど加工していません。
エヴォルバーのフレーズごとサンプリングして、MPCの内部で鳴らす形を取っています。
実はそのタイミングがバラバラです。1拍の中で揺れています。聞いていてどうも割り切れない感じがするかも知れません。
今回は余りキッチリとした作りにしないでユルユルした感じで良いやという判断をしてみました。
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(エヴォルバーの写真を撮ったつもりでいましたがなぜかミキサーが撮れていました。)
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最後の方で出てくる長めのシンセ音についても書き記しましょう。
アンドロメダというアナログ・ポリ・シンセを使いました。こちらはプリセットのままです。12デシベルのローパスフィルターの味を活かした音です。
アンドロメダというシンセは、これまた重装備のアナログシンセです。エヴォルバーの方は、主犯の名前がハッキリしていますが、アンドロメダの方はチームで作ったようです。期間にして7年くらいかかったとか。相当に粘りに粘った結晶です。その甲斐あってすごい機械になっています。
アンドロメダは私の一番大事なシンセなんですが、これまた曲作りに使ったのは久しぶり。そしてこちらもまた使い方のかなりの部分を忘れています。
とりあえず今回はプリセットのままですが、エフェクターを2ヶ通しました。
去年に買った、ベリンガーという会社のフランジャーとディレイをかけました。FL600と、EM600です。これが非常に質の良いエフェクターで、使っていて嬉しくなります。しかも値段が安い。
実は、定評ある他社の製品のコピーです。これに限らずベリンガーのエフェクターはコピーが多いです。
値段としてはオリジナル製品の3分の1とか4分の1になるでしょうか。だいたい4千円前後で買えてしまいます。しかしベリンガーのコンパクトエフェクターとしてはちょっと高額な部類です。
4千円程度で高額ラインに属してしまうというのがベリンガーのコンパクトエフェクターの恐ろしい所です。安い物だと2千円以下。いくら外装がプラスティックで出来ているとは言え、物の価値基準が変調をきたしそうです。中にはオガクズではなく電子部品が詰まっていて、ちゃんと使えます。
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次回の曲ではもう少しアンドロメダやエヴォルバーの魅力について自力で開発して行きたいです。
ちょっと調べてみたら、前回の”変曲”がおととしの7月発表だったのですね。これにはビックリ。自分の事をヒマな初老男性だと思っていましたが、案外これでバタバタしているみたいです。うーん。やれやれ。私はこれからの人生においてあと何曲くらい作れるんでしょうか。希望としては年に4曲は残したいんですが…。

変曲『R man. L man』出来ました。

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仕事の合間を見て少しずつの作業。そして、ここ数日間がんばった成果です。
曲のイメージとしてはイラストの通りで、何事かを話し合っている物たちの姿をイメージしました。ロボット同士の会話かもしれません。

4分半の曲です。この曲も構成作りに非常に頭を悩ませました。うまく出来ていれば良いのですけど…。

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(以下、制作メモ)
大半がサンプル素材。それに加える事、若干のシンセサイザーです。
まずはシンセ関連から。3つくらいのフレーズを録ったのみですが、全てAKAI VX90です。エフェクトに、BOSSのGT-8です。
続きまして、ドラムと、声のサンプルについて。実は原型を作ったのは2〜3年前という大変に古い曲なので記憶が定かではありません。
ドラムはおそらく『8 BIT STYLEZ(UEBERSCHALL社)』。声ネタは、カエルカフェの『SPEAK & SPELL…』だと思います。
今回はなんと言っても声ネタです。切り刻んでパーカッション風に使いましたが、表情豊かな音素片を面白く配置したという感じです。
シーケンスと録音には、いつものAKAI MPC1000。OS 2XLです。

変曲『Laughing Moon』出来ました。

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まずは進行していた仕事のお話。見開きのイラストの着色ですが、終わりました。

すでに完成済みのイラストも合わせて再確認。手直しをしました。やはり後日改めて見直してみると直しておきたい点が目につくものです。

ともあれ副読本のイラストの仕事(14点ほど)に、ひと区切りがつきました。
先方からの訂正指示が入る前に描き始めたので、完全な見切り発車なのですが、今日から新規の仕事が入ってくるため、先回りして仕上げてしまいました。時間はありましたし。
経験上おそらく7~8割は訂正無しで使えると思います。訂正が入ったとしても、配色などは流用出来る可能性が高いでしょう。何より心理的に「一応、終わっている」という状態にあると落ち着くのが大きいです。
それにしても、今回の仕事に含まれる「見開きイラスト2件」は町の様子を細かく描くイラストでしたので、手間がかかりました。
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少し時間が空きましたので、2週間ほど前にアウトラインだけ作っておいた小さな曲を仕上げました。
『Laughing Moon』という2分45秒の曲です。BPMは200。速いです。

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2小節のループ。延々と繰り返す曲です。各パートをミュートして起伏を作りました。音符的にはおそろしくシンプルな曲。ドラムとベースとSEだけの構成です。3時間ほどでアウトラインは出来ました。
しかし細かい調整などに、もう3時間ほどかかりました。このような曲を趣味で作っている方ですとお分かりかもしれませんが、2小節程度のループなら何の構想がなくても適当に生まれてしまうものなので、重要なのはむしろ後行程。すなわち調整とか構成作り等々にあるのかな、という気もいたします。
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(以下、制作メモ)
音符的にシンプルな曲ですが、シンセの音色にはこだわってみました。
シンセは全て DOEPFER MS-404。アナログ・モノシンセです。
ベースを2種類。割と普通のベース音色ですが細め。ベースが2本並走する曲ですのであまり太くしない方向で整えました。というか、MS-404を購入後、14年ほど経ちましたが、初めてベースとして使いました。
もう1本のベース。こちら、音色的にはもう1本と殆ど変わりませんが、曲中で自由に音色を変化させています。なんて申しますか、『シンセ・フリースタイル』って感じでしょうか。私はこの手のシンセをグリグリと自由にいじってハイ、オシマイみたいな形式が非常に好きです。
いつもの外部エフェクト、BOSSのGT-8でステレオ・ディレイなどをかけて広げています。
続きまして、SE的に使用したシンセ音・2種。こちらも同様にMS-404とGT-8のコンビです。今回、作業時間が短くて済んだのは機材も接続も全部共通というのが大きいかもしれません。
『ピギョ~ン』という音は、MS-404だけでは詰められなかった為、GT-8のオートワウを併用しました。ちょっと歪ませすぎてノイズが乗ってしまったのが痛恨のミス。
もうひとつのSE。人が笑っているような『ハハハハハハハ…』と聞こえる音はMS-404のフィルターセクションの良く効くLFOを最大限に活かしたもの。この音色は気に入っています。私としては今年最初のヒット。カットオフとレゾナンスの微妙なさじ加減で人の声に似たトーンを作りました。更に、GT-8で歪ませて中域にピークを作った感じです。
『Laughing Moon』という題名は、このシンセ音から着想しました。お月様がビョ~ンと現れて笑い転げると言った感じです。安部公房のエッセイに『笑う月』という1編がありますが、そちらとは無関係です。
以上でシンセ関連のメモは終了。改めてMS-404の素晴らしさを実感するような作業でした。しかし実は悩んでいることもありまして、MS-404は非常に使いやすく、かっこいい音の出る音源ですが、私も40代半ば。この先に残された時間のことを考えると、他のさほど活用していないシンセのことが気にかかります。今後はそちらも深く使ってやりたいと思う次第です。というかMS-404のLFOが素晴らしすぎるんですよね。可聴域に達する勢いまで伸ばせるし効きも良い。飛び道具に最適。シンプルなモノシンセにワイドなLFOを2ヶ追加しただけでこの出音の広さ。発想の勝利です。フィルターにちょっと癖があるというかレゾナンスのスイートスポットが狭いことで有名ですが、さすがに10年以上愛用しておりますので、問題はありません。
最後にサラッとドラム関係についての言及を済ませることにいたしましょう。
全てサンプル。TR-606です。サンプリングCDの『ダンス・メガ・ドラムス』。これが古い素材でございまして、記憶が確かならAKAI S-1000の頃に発売されたものではなかったでしょうか。懐古モード全開でございます。当時は手が届かず、イシバシ楽器新宿店の1Fフロアで指をくわえて眺めておりました。イシバシ新宿は割とフロアの変動が大きいお店で、シンセ関連が何階に存在していたかを思い出せばだいたいの年代の記憶も同時によみがえるといった便利な楽器店ですね。
それはともかくこのサンプリングCD。割と近年になってからやっと買えたものです。
バスドラムとスネアはエフェクトでかなり変形させました。
シーケンスと録音には、いつものAKAI MPC1000。OS 2XL。ベースのフリースタイルの部分はオーディオ・トラックを使いました。