「「聴く」カテゴリとは」カテゴリーアーカイブ

必死のお願い。

130302_one_gai.jpg
 3Dソフトの学習の励みに…という訳でもないのですが、割と近作の3Dアニメ作品を見ました。ディズニー映画の火星を舞台にした冒険作品です。(タイトルを忘れてしまいました。)
 最近の私は、アリの生活に興味があるのですが、図らずもこの作品、アリの世界をモデルにとった作品だったようです。まぁそれはさておき、最近のディズニー映画って3Dアニメばかりなんですね。DVDを借りに行って改めて知った次第です。

■■■以下、『今日の音楽』です。■■■

130302_adam_a_marco_p_f_or_foe.jpg
 本日はアダム・アントです。彼のソロ作『Friend or Foe』です。別にアリの生活に気をとられるあまり”アント”氏の音楽を聴こうと思った訳でもないんですが。
 このアルバムは、アダム氏がバックバンドの離脱に心を痛めた後の作品です。タイトルは「敵なのか! 味方なのか!」って感じで少し過激になっています。詩の内容はザックリとしか知りませんので、それはともかく、アダム氏のメロディーメーカーとしての魅力の良く出た傑作です。かなり良く売れた前作2枚よりも私は好きです。この時期に彼のピークがあったんじゃないでしょうか。
 今、取り組んでいるアニメが、西部劇をモチーフにとったものなんですが、このアルバムも実はそんな感じです。なんでしょう、エンニオ・モリコーネ風味って言いますか。ギターの低音弦の単音リフが実に印象的です。
 日本の著名アーティストたる小沢健二氏が大胆に借用した曲のオリジナル曲も含まれています。あの曲を新宿のHMVで初めて聞いた時には驚きましたねぇ。アダム・アントをカバーする(後で調べて知りましたが、正確にはカバーではなく、鮎川誠氏のレモンティー方式)日本人なんて居るんだ!って感じですか。メイクだけだったらホタテマンの時の故・安岡力也さんとかが有名なんですけど。
 まぁ蓄積の無い人間が評論家みたいなことを言っても始まりません。それよりも上に掲載したイラストです。これはアナログLPのライナーに載っていた写真を私なりに描いたものです。奥の人がアダム氏。手前のギタリストはマルコ・ピローニという人です。
 この写真がとてもとても好きだったので、今日、描けて凄く嬉しい。仕上がり的にはまぁまぁでしょうかね。
 マルコさんはアダム氏を長く、実に長い期間サポートした名ギタリストです。
 この人も古い人で、まだ限りなく単なるパンクスの一人だった頃のスージー・スー(Siouxsie Sioux)や、シド・ビシャスと一度、音を出した事もあったという、まぁUK初期パン伝説の人って感じでしょうか。ただし花開いたのはパンク・ムーブメントの次に来たニューロマ期だったという。
 イラストの元になった写真ではグレッチという会社のエレキギターを構えています。ホワイト・ファルコンという機種です。実にカッコいいギターです。見栄えのするギターは多いですが、その頂点の一角は間違いなくホワイト・ファルコンでしょう。
 マルコさんは大柄な人なんで、ホワイト・ファルコンが似合いますね。私が持つとモダンカンカンのリーダーみたいになっちゃうでしょう。もちろんモダンカンカンは偉大なバンドです。念のため。
 マルコ氏のホワイト・ファルコンの詳細情報なんですが、縦のグレッチ・ロゴ、インペリアルペグ。アーム無しのGマーク・ブランコ・テールピース。そしてデュアルモンドのダイナソニック・ピックアップです。
 上で申し上げた通り、この作品はギターの低音弦の魅力も詰まっているんですが、ダイナソニックが乗ったグレッチで低音弦ゴインゴインと言えば解答はデュアン・エディと言うしかありません。そんなに早弾きとかの派手なプレイは無い人ですがカッコいいです。
 私の世代ですとやっぱり「>ピーター・ガン」でしょうか。アート・オブ・ノイズがリメイクして、私が高校生くらいの時に日本でもヒットしていて良く耳にしました。
 ですが一般的にはあまり知られた人でもないのが歯がゆい所。ビートルズにも影響を与えたウンヌンとか言われる重要な方です。

 真意の程は分かりませんが、モリコーネ的世界のアルバムにダイナソニックのグレッチを使用するというのは実に粋じゃないかと思います。アダム・アント周辺のギタリストにホワイト・ファルコン使用ギタリストはもう一名存在するんですが、彼はハイロートロン・ピックアップです。どっちもシングルコイルですね。実は私もグレッチのギターを持っているんですが、それは割と普通にフィルター・トロン。ハムバッカーです。
marco_prn_01_40percent.gif
 (画像をクリックすると、少し大きくなります)
 マルコ氏は、ずっとアダム氏の後ろでギターを弾いてたんですが、どうやら近年、アダム氏が精神のバランスを崩した後に袂を分かったようですね。実に残念です。
 アダム氏はその後、すっかり良くなったみたいで、新しいバンドを率いて快調に活動を続けているようで嬉しいんですが、新しい若いギタリストが問題です。やっぱりマルコ氏に較べてしまうと見劣りがして仕方無いです。
 バンド自体はツイン・ドラム。女性コーラスも居てみずみずしい魅力に溢れた感じに仕上がっているようです。
 最後に、アルバム『Friend or Foe』に話を戻そうと思います。つい最近、CDで買い直したんですね。未発表のデモなんかが含まれていて、まぁ露骨に旧来のファン向けの商品なんですけどCDでは持っていなかったのでむしろ喜んで買いました。

年賀状(3)。ラフがとりあえず完成。そして忙しくなりそうです。

121219_sonic_boom.jpg
 とりあえず内容が分かると言った段階ですが、ラフがなんとか出来ました。

 本格的にトレスに取りかかるには、もうひと手間かけないとマズいですが、いったんここでチェックを入れて頂こうと思います。
 とは言え、先回りして進められる部分もあります。つまり変更が生じないと思われる所から手を着けて行こうという訳です。

 急ぎの仕事が明日あたりに入りそうです。40点前後あるようです。
 ラフを1週間で上げて欲しいそうです。マズいですね…。年賀状(3)がまだあと4日くらいかかりそうです。

 少し伸ばして頂こうかと思いましたが、来週と言えばもうそろそろ仕事納めです。お伺いしていると完成した状態はお正月の休み明けに見たいとの事。ラフを出して吟味を経てお返事を返して頂く時間を考えると、どうしても来週中旬のラフ出しは動かせないと考えた方が良さそうです。そんな事柄が頭をよぎったので、こちらの希望はお伝えしませんでした。
 原稿の濃さにもよりますが、大変な仕事ですね。題材自体は、私の仕事でも割と良く描く物ですのであまり悩まず進められると思います。
 例年、年の瀬とお正月は仕事で忙しいというのが通常の私なんですが、これはなかなか困った事になりそうです。今年は珍しく年末にヒマそうだな…と思っていたのですが、やっぱり私の年末・年始はお仕事なんですね。

 夕方に、町に買い物に出かけました。衣料品店ユニクロで羽毛の詰まった衣料を買いました。
 軽くて暖かいので、この先の季節、仕事着に良いのではないかと思います。

■■■以下、『今日の音楽』です。■■■
 本当はこんな文章を書いてる場合でもないのですが。
 レンタルのCDをお借りして来ました。
 最近、良くDVDをお借りしているお店の無料ポイント的なサービスです。

 2枚のレンタルが無料という事でしたが、とりあえずの1枚はこれ。ドアーズの『ストレンジ・デイズ』です。カッコいい邦題があったような気がしますが、そちらは思い出せません。
 どエラくカッコいいですね。もう5周目です。繰り返しずっと聞いています。
 冒頭の『ストレンジ・デイズ』がたまらなくイカしてます。このジム・モリソンのボーカルにまとわりつく8分のディレイ。これがもう衝撃的にカッコいい。
 ドアーズは、オリジナルアルバムを3枚くらい聴いていて、ベスト盤はとりあえず持っていますので、実は当然聞いた事のある『ストレンジ・デイズ』なんですが、やはりアルバムに納められた順番で味わうとまた格別。と言うか全曲良い。
 ラストの『When The Music’s Over』もアルバムで聞くと更に良い。

 初めて聞いた曲でコタえられない程良いのが2曲目の『You’re Lost Little Girl』。ポール・マッカートニーが初めて自作したとか言う曲が似た題名だった気もしますが(ポールが母親を早くに失った事を込めた曲だそうで、そういういきさつを聞くとツラい物があります)、マそれは別に良いとして、『ストレンジ・デイズ』を引き継ぐような似たリズムと言うか、実際ドアーズに良く出て来るダメ押しするかのような「ダッ、ダダッ」て言うキメフレーズですね。これがもうたまらなく嬉しい。「いよっ! ドアーズ屋っ!」という感じですか。

 その他、ロビー・クルーガーのスライドギター。初めて聞いた気がします。ドアーズのバック3人は総じてお上手なので驚いちゃ逆に失礼って気もしますけどね。

 まぁ現在の私が非常に追いつめられている事もあってロクな組み立ても推敲もしないでぶちまけただけのトッ散らかった文章ですが、このアルバムはすごい良いです。いやー。借りて来て良かった。この勢いだと明日も聞き続けかねないです。
(念のため、ネット検索したら”ロビー・クルーガー”さんは、”ロビー・クリーガー”って読む方が適切みたいですね。昔はクルーガーって表記だったような気がするんですが、綴りを見てもクリーガーが正しそうです。そんな事を書いてるうちにもう7周目です。本当に良いです。)

追悼ジョン・ロード!〜Deep Purpleの思い出を語る〜

120717_neco_shock.jpg

 まずは仕事の進捗状況なんですが、なんとか化学イラスト10点。ペン入れが終わりそうです。
 暑い日が続きますが、ようやく体温が適応出来たようです。今日は比較的、集中出来たので進みが良かったです。

■■■以下、『追悼ジョン・ロード』です。■■■

 と言ってもやはり私はパンクロックと電子音楽の人間なんで大した思い出はありません。

 高校生の頃にラジオでディープ・パープルのカッコいい曲の一つを聞いていた時、不意に気付いて驚きました。
 私がギターの音だと思って聞いていた音が、実はオルガンの物だと分かった瞬間です。ショックでした。まるでギターに負けていなかったのです。

 当時の私は「歪んでいる音は全部ギター」という風に考えていたんですね。同時に鍵盤奏者は野性的な趣向とは無関係と思っていました。

 そんな訳でジョン・ロード氏は私に鍵盤楽器の知られざる一面を教えてくれた訳です。

 ちなみに私が洋楽に興味を持ち始めた頃にジョン・ロード氏はホワイト・スネイクというバンドのメンバーでした。ディープ・パープルは(一時)過去の物になっていたんですね。
 ホワイト・スネイクと言えば言わずと知れたデヴィッド・カヴァデールのバンドです。私はこの人が大の苦手です。当時のデビカバ氏はジーンズの上にレッグ・ウォーマーをはくという80年代のごく一時期にしか見られなかった様式を早速取り入れていて、とてもヤな感じでした。

 脱線ついでに言うとその頃のモーターヘッドのギタリストはブライアン・ロバートソン氏でした。通称ロボ。この頃にモーターヘッドは来日しているんですよね。
 実は、ロボ参加時のモーターヘッド唯一のアルバム『Another Perfect Day』が、豪華仕様で再発されています。現在聞いている所です。なかなかの好盤です。ちょっと言いにくいんですが故ワーゼルやフィル・キャンベルが加入した後の作風よりも好きです。こういう言い方すると現在に至るまでの20数年を否定する事になってしまうんですが、苦手なのは主にギターソロについてで、他の部位は大丈夫です。

 話をジョン・ロード氏に戻しますが、高校生だった私に強烈なオルガンサウンドを教えてくれました。しかし私はそれ方面へどっぷりと浸かる事は無く、ジャパンとかのダークで耽美なシンセサウンドの方が好きでした。ニュー・ウェーブ少年だったんですね。

 その後、私は東京にあるデザイン専門学校でイラストを学ぶ事になります。
 クラスの友達にイングヴェイ・J・マルムスティーン(以下、YJM氏)を信奉するギタリストの男の子がいました。懐かしいですね。北海道は北見市から来た私より更に小柄な人でした。あそうそう、YJM氏というのはヘヴィメタル方面ではとても有名なギタリストです。ディープ・パープルはロックにクラシックな要素を混ぜて、しかもそれがプログレ方面とはまた違った方角を目指したバンドと言えると思うのですが、そういったクラシック指向を更に押し進めたのがYJM氏と言えるでしょうか。ちなみに私はこの方の演奏が大の苦手です。別に個人をピンポイントに苦手にする訳ではなく、彼に続くネオ・クラシカルなギタリストは総じて苦手ですので、筋は通っています。

 リッチー・ブラックモア御大がセーフで、YJM伯爵がアウトって言うのが微妙なラインなんですが。

 ある日、学校の購買にディープ・パープルのコンサートチケットが売られている事に気付いたのは、私が先だったかYJMファン氏だったか。鳴り物入りで再結成したディープ・パープルの日本公演・武道館のチケットでした。いわゆる5期パープルですね。
 購買のお姉さんによると、非常に悪い席だという事でしたが、我々2人は、購入を決意。ライブの日を迎え、九段に向かった訳です。初めて見に行く外国バンドのロックコンサートでしたので非常に高揚しましたね。
 席に着いてみると聞きしに勝る壮絶に悪い席でした。バンドの背面です。ステージがほとんど見えません。

 加えて、前列の席の女の子達がジャーメイン・ジャクソンの話しかしていません。ナゼなんだって感じなんですが、余った券を貰ってやって来た子達だったのかもと思います。そんな推測も成り立つような良くない席でした。

 演奏が始まると、凄く大きい音で、当時、演奏の善し悪しが分かる耳には育っていませんでしたが、大満足でした。壮絶にカッコいいと思いました。帰り道も川崎の寮に着くまで興奮が残っていたほどです。

 しかし問題はやはりビジュアル方面で、私が見たのはボーカル氏の後頭部。ギタリスト氏の後頭部。そしてジョン・ロード! 彼だけは割と良く見えて、オルガンをユッサユッサと揺らしているのにビックリしました。倒さないかとハラハラしました。執拗に揺らしていましたね。ほとんど揺らしっぱなしという印象でした。
 そんな訳でして、コンサートにおいて私が見たのは主にジョン・ロード氏の所作だけだったのです。

120717_dp5_budokan.jpg

 音楽としてしかディープ・パープルを知らなかった私が、初めて視覚的に出会った瞬間ですね。ただし主に後頭部とジョン・ロード氏の上半身でしたが。イアン・ペイスなんて影もカタチも見えませんでした。ロジャー・グローヴァーはどうでしょうね。それ以前におそらく当時の私は一目でベースとギターを見分ける力は無かったと思います。

 そんな訳でして、初めて見た外国バンドのロックコンサートは主にジョン・ロード氏のハモンドユッサユサ奏法のみでした。今回の訃報に接し、感慨深い物があります。

 その後、ロック全般を聞き進めるに従って、私は、レスリーがゴロゴロ言うオルガンサウンドよりは、レイ・マンザレク。あるいはストラングラースと言った比較的素直な音。更に言えばB-52’sの安っぽくて薄いオルガン。最終的に居心地が良かったのはベルベッツとジャーマンプログレが衝突したかのようなステレオ・ラブのファルフィッサ系といった所に落ち着いたのですが、それでも最初の出会いがジョン・ロード氏で良かったと思います。ロックのオルガニストとしては、やはり最大の巨人だと思います。問答無用です。

 亡くなられたのは残念で悲しい事ですが、音源に残された音は永遠ですし、これがまたべらぼうにカッコいいのですから、未来に渡って聞き続けられるのではないでしょうか。

 しかし実際の所、私が本日くり返し聞いたのは、アローナイツの『ぬれて大阪』のオルガンサウンドだったのです。何と言う事でしょう。