先月に完成した自作曲「デジタルスをたたえるうた」について

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 連休中でおヒマな方がいるかも知れない、という事で、非常に長い文章を用意いたしました。

 動画は有名なネット上の動画サイトにて公開していますが、とりあえず音を聞きたい方は下のバーの三角マークを押して下さい。

 mp3でダウンロードして聞きたいと言う方はこちらをどうぞ。

 万一、mp4で聞きたいと言う方はこちらをどうぞ。

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 今回、携帯電話で聞ける方式を研究しましたが、むずかしかったです。
 電話の会社ごとに聞ける方式が違うようです。しかも容量に制限があるという事で頭を抱えてしまいました。

 以下になんとか作製したファイルを置いておきますが、全く自信がありません。
 モノラルにして品質を下げました。容量の関係で途中で終わります。どういう曲か気になる方は、お使いの電話に適合する形式を触ってみて下さい。

 NTT の携帯電話をお使いの方。
https://hijikuro.com/blog/wp-content/uploads/2014/03/digi_ntt_32khz_32kbps.3gp

 KDDI の携帯電話をお使いの方。
https://hijikuro.com/blog/wp-content/uploads/2014/03/digi_kddi_32khz_64kbps.3g2

 SoftBank の携帯電話をお使いの方。
https://hijikuro.com/blog/wp-content/uploads/2014/03/digi_sftbk_32khz_64kbps.3gp

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最初の思いつき
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 この曲は、まずベースのフレーズを思いつきました。

 歌詞として、私のお友達のバンド名である「デジタルス」という言葉をのせてみたら、うまく合ってしまって、他の言葉は考えられなくなってしまいました。
 そんなワケでまずはフレーズありきでドロナワ的に曲の体裁を整える事にしました。

 ちょうど私のお友達のバンド「デジタルス」はアルバム制作中という事なので、活動を応援する曲という事にしました。曲の中盤でロボットが目覚めるような場面がありますが、アルバム制作が久しぶりである事にひっかけた表現です。

ビジュアル面
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 アニメに出て来るロボットは、四角いカラダをしています。このタイプのロボットの歴史はとても古くて、昭和初期の洋画にはすでに出て来るようです。
 直線が多いので描きやすかったです。速い動きをさせる場合でも、カタチがシンプルなので、見る側としても理解しやすい効果があったのではないでしょうか。

曲の題名
 私が好きな「アディクツ」というパンクバンドに「Songs of Praise」という曲があります。「賛美の歌」というような意味でしょうか。
 これが実に彼ららしい楽しい曲で、私は好きなので、そこから言い回しを借りて来ました。

全体的な曲の雰囲気
 シンセサイザーを用いた歌ものバンドとしては一部に強力な支持のあるドイツのD.A.F.と言うバンドの一連の曲を意識して作りました。
 ですが、ベースの歯切れ良さとかは全く追いきれませんでした。残念です。
 実は今回は、元の曲を聞き返さないで作りました。
 去年、別の曲を作った時に、音を似せようとしてかなり苦しんだので、自由に作ろうかと思ったんですが、やっぱりちゃんと聞いて作った方が良かったかも知れないです。
 まぁことさら似せるつもりもなかったので、これはこれで良しとしましょうか。そもそも元の曲にはギターなんか出て来ませんしね。

細かい制作メモ
 すぐに忘れてしまうので、以下に非常にササイな事も含めて記します。

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 まずは最初から。文字が落ちて来るシーンです。
 アニメとしては今回、トゥイーンと言う私が使っているソフトに備わっている機能を使いました。

 今まで、私のアニメ作りはかなり「パラパラ・マンガ」に近いものだったんですが、今回はデジタルソフトならではの機能も試してみました。画面が明るくなっていく効果などもその一環です。

 音の面では、ここで使ったシンセサイザーは、ドイプファー社のMS-404です。このシンセは、後でもう1度、出番があります。
 音作りとしてはシンプルなものでフィルター発振のバリエーションです。ディレイをかけています。5番目に出て来る「ビヨヨヨヨ…」という音は、アニメを編集する際に、更なる必要性を感じたので、パソコンでステレオのディレイをかけて立体感を強調しました。

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 曲が始まります。曲の本体については、2月2日のエントリに書きました。今回の曲はシンプルな構造をしていて、ボーカルとベースとドラムの3つの要素でほとんどができています。
 2日の内容に補足する必要があるのは、ドラムです。市販の音を通販で買いました。LGRレーベルという日本の会社の製品です。エンソニック社のミラージュというサンプラーを通したドラムの音です。80年代の精度の粗いサンプラーですので、独特の音がします。
 音によってはヌケが悪いと感じるものもあるのであまり好んで使われるものでもないと思いますが、私は気に入っています。

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(今回のアニメにはお互いにパンチするというちょっと暴力的なシーンがありますが、そこは色調を抑えてライトな表現に寄せてみました。)
 曲が走り出しているというのに、大きめの変な音が被さっています。ドイプファーのMS-404です。過激な変調がかかった音はMS-404の得意とする所です。しかしここで聞かれる音についてはMS-404にエフェクターをつなぐ事によって出来ています。

 うまくできてうれしいので、その部分だけのファイルを用意しました。


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 特に重要だったのがベリンガー社の安いコンパクト・エフェクターSP400です。フェイズシフター。シュワシュワした音になります。
 ベリンガーのやる事なんで、この機種もおそらくどこかのメーカーの良く出来た機種のコピーだと思いますが、かかりが良くて最高です。特に今回の MS-404 の音にはガッチリかかりました。
 人の口腔内で響いているような独特な効果はまさにSP400による所が大です。LFOのデプスの深さが最高でグイングイン来ますね。周期の早さも過不足無しで恐ろしい程に良いエフェクターです。写真を見ると分かる通り極端なノブ位置になっています。これはシンセの音を鳴らしながらツマミを廻して、終着点が極限だった事を物語っています。ベリンガーのこのラインナップのエフェクターの欠点はノブが固くて重いこと。それと青いLEDがまぶし過ぎることです。

 フェイザーの前段にこれまたギター用。パラメトリック・イコライザー。BOSSのPQ-4です。富士市のハードオフで買いました。
 曲のイントロという大事な導入部に被さるので、あまり邪魔にならないように低い音域と中域の低めの音をかなり削っています。
 最近はギター用パライコってあまり見かけません。シンセの音を作り慣れているような人にはパライコの方が使いやすいと思います。

 それとディレイですが、AD-1です。これは控え目に使いました。この機種はノブの形がMOOG系で良いですね。

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 曲が静かになる所で、質の悪いディレイが大活躍するんですが、これは愛用中のテープ・ディレイ。VOCU社のVTE-1600です。相変わらず音が悪いですね。前にも似た写真を載せましたが、今回もこれ以上ない働きをしてくれて本当に嬉しいので、また写真を載せておきます。
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 今回、エフェクター面の反省点は、去年の年末に買った機材を投入出来なかった点です。実はそれもテープエコーなのです。設置にかなりの場所を取るので私の小さな作業場に入りませんでした。

 さきほどモンヤリした音が好きと書きましたが、私はテープの質感が好きなようです。将来的にはもう少しテープ方面に歩み寄りたいと思っています。

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今回は珍しくギターソロを弾きました。
 それも1弦24フレットと言う、今までほとんど触った事がない音域を出す事になりました。ギターを買った当時に「ここはフレットの間隔が狭くて音が出しにくいな」と思って以来。20数年ぶりにこの辺の音を出しました。普段は15フレット以上を触る事はほぼ皆無です。
 けっこう練習したんですが、弾き切れていません。その上、フレーズもお粗末で、勉強の必要を感じました。しかし前半はとても気に入っています。
 出だしの所はデュアン・エディの「ピーター・ガン」方式と言うと知ってる人には解りやすいんですが、問題はそう言う人がこのブログを見に来るのかという事です。この場合、アームをギターの下から左手を伸ばして操作するというのが特色です。

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 あらかじめアームを倒しておいて1弦2弦の解放からオクターブ上がって12フレットを復弦かきむしって更に24フレットを小指でバチバチ叩きました。

 今回の曲はルートがEだったので、オープンコードの低いEから24フレット最高音まで使えました。

 今回はギターを他でも弾いていて、苦労したのはむしろそっちで何度も録り直したんですが、あまり聞き取りやすい部分でもないので割愛です。特別な事もしていません。

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 今まで自分のギターを当ブログにおいて紹介した事がないのでそちらを紹介して終わりにしようと思います。ホーナーという会社のG-3Tという機種です。

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 さきほど「20数年ぶり」がドウコウみたいな記述をしましたが、このギターは私が21歳の時に買った最初のギターです。ご覧の通りふつうのギターと較べて部品点数が少ない事が見て取れると思います。特に大事にして来たワケではなく、むしろ弾きまくってきたのですが、この通り無事です。どうやら私が死ぬまで使えそうです。

 これは東京・新宿のKEYというギター屋さんで買いました。当時、私が勤めていた会社の先輩方がギターを弾く人だったので一緒に来てもらいました。ギターを買う前に、みんなで『クロスロード』というギター版カラテ・キッドみたいな映画を歌舞伎町で見て、そのあとギター屋さんに行きました。1987年のゴールデンウィークくらいじゃなかったでしょうか。映画はスティーヴ・ヴァイの怪演が楽しくて良い映画でした。

 ギターの部品を取り替えたりしているのでその改造点を追って行こうと思います。
 塗装は、薬品と紙ヤスリで落としました。元は黒い色をしていました。私は苗字に「黒」がついていますが、黒一色の塗装はむしろ嫌いです。このギターは買ったままだと本当に真っ黒なのです。何度か自分で塗り直したのですが、紙ヤスリで削ってしまって、今は木目が出ています。
 地味な点としてはネックサイドのフレットポジションを大きく白色で塗ってあります。これはギターを弾いていて脳内麻薬がバンバン出た時に位置を間違わないようにするためです。

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 続いて電装的な面についてですが、ピックアップを3ヶとも交換してあります。下の画像の説明通りです。ホットレイル系のふたつは自分で色を塗りました。シールを貼った所もあります。
 3つのピックアップを貫く思想は「歪めば良い」という、ただその1点です。

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 中でも重要なのは、ディマジオのスーパーディストーションです。80年代はカラフルな時代で、こんな緑色のピックアップなんて言うキワモノが容易に買えた時代でした。今はかなり流通量が減っていて、日本では別途カラーオーダーする必要があるようです。細かい事ですがこれはF-SPACEっていうフェンダー系の弦間用のモデルです。
 ディマジオのスーパーディストーションというピックアップは何と申しますか80年代って感じがします。未だにこれを使っている人って限られそうです。エース・フレーリー・ファンとかなんでしょうか。余談になりますが、いつか X2Nっていうピックアップをつけてみたいです。これも80年代には良く見ました。私の価値基準が「歪めば歪むほどエラい」というモノなので仕方がないですが高出力の物が好きです。ニュアンスをつける必要がない音楽性だというのも多分にあります。ワーワーわめき散らすオジさん。人にたとえるとそんな感じです。レミーとかチャーリー・ハーパーとか…。まぁ悪声ですね。

 ピックアップを固定するピンクのプラスティックの部品をエスカッションなんて言うんですが、これも労せずして買いました。80年代がカラフルな時代で本当に良かったです。

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 スーパーディストーションのコイルのボビンの間隔が少し離れています。
 現在のスーパーディストーションは、元から4芯で売られていてコイルタップが容易なんですが、当時のスーパーディストーションは普通のハムバッカーと同様に2芯でした。
 ちょっと残念に思っていた私に福音が告げられます。当時『バンドやろうぜ』っていう雑誌がありまして(この雑誌を立ち上げる前の書店・業界向け宣伝パンフレットの版下作りに私も少しだけ加わったんですけど)、連載コーナーのひとつに有頂天というバンドでギターを弾いていたハッカイさんのページがありました。その内容に「普通のハムバッカーでもコイルに巻いてある粘着テープをほどいて行けばふたつのコイルをつないである接続点が出て来るのでそこからタップを取れる」という内容でした(タップを取るってどういう事かと言うと、ハムバッカーをシングルコイルとして使えるようになるという話なのです)。
 早速、実行に移して、無事にタップを取れるようになりました。しかし初めての経験だったので、少しテープをほどき過ぎてしまいました。ほどき過ぎるとボビンの固定が外れてしまうようです。そんなワケでボビンの間隔が少し広がりました。

 ピックアップの切り替えスイッチを交換してあります。プレートを自作してストラトキャスター系のスイッチを設置しました。以前はトグルスイッチが付いていたのです。プレートに使った素材は、画像の説明通りなんですが、市販の小さなプラ板を切ったり削ったり加工してギターにムリヤリネジ止めしました。

 下のボリュームノブを「カチッ」と引き出すとタップ線がアースに落ちてシングルコイルとして機能するようになっています。

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 ステッカーに「ジーザス」って書いてあります。ジーザス・ジョーンズというバンドのステッカーのおいしい部分だけを転用しました。「パーヴァース」というアルバムのオマケに入っていたステッカーです。このステッカーを貼る事でギターがちょっと意味ありげになるので気に入っています。
 クラフトワークの「テープレコーダーは神だ」に匹敵する位置にあるのではないかって思っています。意味があるようでホントはあんまり無い、でも確かにそう確信できる瞬間はあるって感じでしょうか。

 今、思い出したのですが、ボリュームノブの下に貼ってあるステッカーは、昔あった雑誌「i-Dジャパン」創刊時のシールです。

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 他にはいつも通りのAKAI MPC1000とBoss GT-8で作りました。以上です。お疲れさまでした。感謝いたします。

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