年賀状(3)。ラフが出来ました。

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 チェックに出して、早速のお返事も頂きました。すでにトレス作業に入っております。
 これからひたすらのトレスに取りかかる訳ですが、金曜日くらいに仕上げたいです。

 ラフとしては、動物たちの動作などの点で、おおむねうまくいったと思います。
 これから先の仕上げの過程でもう少しシンプルにやさしい線を探していきたいと思います。

 今日は the Adicts を聴きました。アディクツについては前にも書きました。私がエレキギターを始めた時期と重なるので、非常に影響を受けています。

 更に Sex Pistols を聴きました。これが未だに好きなんですね。私が聴くのはだいたいメジャーデビュー前の録音がほとんどです。別にクリス・トーマスに恨みがある訳じゃありませんが、やはり彼のプロデュースによるグレートなギターの壁よりもシンプルなギター録音の方が好きなんですね。あとはグレン・マトロック。やっぱり今こうして聴いてみても、彼のプレイはパンクロックには少し高級過ぎたかな、と思います。
 少なくともD.D.ラモーンとは違う音世界ですね。どっちが良いってお話でもありませんが。

 パンクロックのカタチが定まる前からバンドを組んだピストルズの事ですから、今だったらこういう人はもしかしたら入って来ないかな、って人も含まれる。つまりグレン氏のコトなんですけど。
 彼のような人の存在を初期パンクロックにおける人材の豊かさと見るか、あくまで勃興期の迷いと見るか、あるいはカオスの顕現と取るかってのは意見の分かれる所かも知れません。
 私は出所由来の分からない人がさも当然のように混ざってる方が好きなので歓迎です。しかもそれがUKパンクロックの総本山たるピストルズにおいて起こっていたというのが実に良いじゃないですか。

 ジョニー・ロットン氏の好きな言葉に”カオス”ってのがあるんですが、まさにソレです。しかしそう言いつつもジョニー氏とグレンさんのソリは合いづらくって、多分今でもあんまり会話は無いんじゃないですかね。良いですね。ロットン氏の理想が早くも崩れる感じで。「カオスにひかれるがイヤな奴の存在はそれとは別だかんね」ってコトなんでしょうか。現実にママ起こりうるアツレキ・カットーを凝縮した感じで味わい深いです。

 脱線しましたが、そのグレン氏のプレイ。これが初期の録音では良くハズんでいるんですね。ファンキーって言っても良いかも知れない領域です。メトロノームとか無しにバンドのハートビートで演奏しているせいかも知れないです。
 パンクロックの世界には、パンクが無かったらミュージシャンなんかしなかったんだろうなって人と、パンクが無くても楽器はやってたんだろうなって人の2種類が居ます。パンクロックはミュージシャンとごく普通の人の間に横たわる気水域なんですね。

 グレン氏はその線で行くと音楽的な人なのでしょう。ピストルズの有名曲が彼の手による物という事からも伺えます。実際ポップです。その後30年以上、それに続く良い曲を作っていないのですが、これだけ知られた曲を書いたんなら功績充分。普通の音楽家に出来る以上の事をしています。

 以上、そんな次第でつい語ってしまったワケですが、実はグレン氏の事を述べたかった訳ではありません。本丸スティーブ・ジョーンズについて語ろうじゃないかってコトなんですね。

 グレン氏が脱退、というか追い出された後に加入した、ミュージシャンである事よりもパンクロックスターである事を選んでしまったシド・ビシャス氏在籍時のライブ音源を聴いてもわかかる通り、ピストルズって実のところ、ギタリストとドラマーさえ正気でいれば成立する音楽です。良かったですね。これがベースが引っぱるタイプのストラングラーズとかだったらエラい事になってました。不幸中のさいわいですよ。何しろシドって人はあんまり真剣にベースを弾きません。

 そんなピストルズのギタリスト。スティーブ・ジョーンズ氏なんですが、初期の録音ではフェンダー社のツイン・リバーブってアンプを使っています。

 いやー長かった。実のところ、ココが言いたかったんですね。つまり「ツイン・リバーブの特性が良く出たジョーンズ氏のトーンが私は好きである」と、まぁそんな次第です。

 ウィキペディアなんかを見ると、クリス・トーマス氏の制作によるメジャーデビュー作もツイン・リバーブらしいんですけど、鬼のような多重録音の成せるワザなのか、「マーシャルだよん」って言われたら信じちゃいそうなトーンをしていると思います。

 ツイン・リバーブって、私の乏しい実体験からすると固めの音がするアンプなんですが、これが案外素顔に近いピストルズの実像には合っていたと思います。
 破滅感を伴った固いカッティングが私はとても好きです。

 そんなスティーヴ・ジョーンズ氏のプレイが聞ける「スパンク」って盤は、今ではそんなに高くないお値段で手に入りますね。

 ポール・クック氏の主に金物が安い音をしてるっていうか、実際安物だったのか録音環境がそれほど良くなかったのかわかりませんが、その辺はご愛嬌です。
 やっぱりパンク・ロックって若者の音楽だなって感がヒシヒシと伝わってまいります。
 う〜ん何でしょう。だいたい言いたいコト言っちゃいましたね。この辺で終わる事としましょうか。

 先ほどまではジョーンズ氏のツイン・リバーブはボブ・マーリーのツアー機材から盗んだ物だとか、だいたいギターからしてマルコム・マクラレンがニューヨーク・ドールズから奪って来た物だとかそんなヨモヤマでひと盛り上がりしようかとも考えていたんですが、だいたい良いですね。知ってる人は知ってる話ですしね。