The Slits のアリ・アップさん。

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 多くの睡眠時間を得て、気力充実でございます。本日は、昨日に撮影した写真を整理したり、ブログをまとめて書いたりして過ごしました。
 松木さんのお母様から、ライブの日に頂いたチョコレートを食べました。『子犬と子ねこのチョコレート』です。とてもおいしかったです。

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 The Slits のボーカル、アリ・アップの訃報を知り、驚いています。
 The Slits というのはパンク・ムーブメントの中から出てきた、女性バンドなんですが、ダブとかレゲエとかを消化したバンドで、パンクの主要たる側面のロックンロール・リバイバルな性格は薄めですかね。そのままニュー・ウェーブ、ポスト・パンクにつながったというか。しかしそもそもはクラッシュのメンバーとの仲が密接で、交際関係があったり、楽器を教わっていたりしていますので人脈的には初期ロンドンパンク直系です。アリ・アップの義父はジョン・ライドンですしね。そして何より、そのスタンスあるいは音そのものがパンク的であったという事でしょうか。
 パンク・ムーブメントには”女性の解放”という面もあったとされています。パンク系雑誌のDOLL最終号にThe Slitsのメンバーが当時を語るインタビューが掲載されていましたが、女性バンドという事で苦労する事もあれば、逆に感激する事もたくさんあったとか。
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 自分たちの好きな音楽を自分流に演奏してみたら「あら、こんな風になっちゃったわ。」みたいな感じのする音楽です。パンク以降の女性バンドには、こんな風なバンドが顕著であるように思います。
 数年前に、再結成したThe Slits のライブを渋谷で見たのですが、大変に楽しみました。楽しく明るいライブ。私たちを表現するのよ!って言う気概を感じました。
 アリ・アップがこの世を去るにあたり、彼女自身の音楽がまた止まってしまう事が残念です。ステージで飛び跳ね回り、大きな声で歌っていたアリ・アップ。
 ですがその心意気は多くの人に引き継がれてゆくのではないでしょうか。
 普通であれば。ご冥福を祈ります…と書くべきなのでしょうけど、私の思いはまた別で、魂だけでも木々や大地や、その他モロモロの中を飛び回り、自分の残した音たちにマジックを及ぼす様な、そんな図太い意識と言うか念を放っていて欲しい、そんな気がするのです。
 体は滅びてしまっても、時折、彼女を愛した人たちにその姿を見つかって、「エヘヘ…」とチャーミングに笑うのではないでしょうか。