きのうの続きです。4月の17日に見た配信ライブのこと。
「ジョリッツ」というバンドのライブ。
出演順としては最後。“トリ”ですね。このバンドにも吉田仁郎さんがギタリストとして参加。もう一人のギタリスト「亀」さんもいるバンドです。
私は初めてこのバンドのライブ演奏を配信越しではありますが体験いたしました。
風通しの良いバンドだと思いました。
メンバー全員が歌えるバンドなんですけど、ヴォーカルを邪魔しない感じの発声であればバンバンかぶせていこうという感じ。
私の思うところ、サエキけんぞうさんのヴォーカルとドラムの泉水敏朗さんのバンドだと思うんですが、かなり民主的なバンドなのかもしれません。上記2名の他は世代的には若い人たちですけどのびのびやっているかんじでした。
音楽の系統としてはロックバンドを標榜しているようなんですが、聞いた感じとしてはヒリヒリとした焦燥感に向き合う。みたいなニューウェイヴの主要なテーマは常にあるのかなという感じ。平たく言ってニューウェイヴなロックバンドっていうことで良いのではというのが個人的な見解です。
私の考えるニューウェイヴっていうのはギターの音色の加工感が強いものですが、ジョリッツの場合、楽器の音は非常にベーシックなものでした。
基本的なバンド編成からにじみ出るニューウェイヴ感っていうんですかね。
最近の私はネットの動画サイトでサエキさんの語るお話をよく聞いているんですが、初めて知りましたけどサエキさんの育った千葉における10代当時の流行というのがアメリカンロックだったと知って意外でした。
以前にネットのニュースサイトでサエキさんが訪れた楽器店でのエピソードとしてのデヴィッド・リンドレーさんの行動、表情についての記事を読んで「サエキさんはリンドレーさんまで聞いているのか、博識だな」と思いましたが、むしろどちらかというとデヴィッド・リンドレーおよびライ・クーダーみたいなラインが本筋というか主要な根幹である可能性が濃いようです。認識を改めました。
そうした基盤がある上でのニューウェイヴっていう構造なのかと考えるわけですが、そうなるとバンドのエレキギターなコンボ編成、その基本的な出音に依拠する楽曲というのはおそらく一番しっくりくるんだろうなという理解です。
サエキけんぞうさんのヴォーカルは若い頃と声質が変わらず。なんか当たり前に接していましたけど考えてみればけっこうすごいことかなと思いました。
バンドとしては泉水敏朗さんのドラムが中心であると言って良いと思います。この方の演奏も枯れてない感じで、冒頭から突っ走るぞという感じで終始力強く鳴り響くといった印象。調べてみたらたぶん私はマッスル・ビートのライブにおける泉水さんの演奏に接しているはずなんですが、久保田慎吾さんとブラボー小松さんの印象が強烈でドラムについてはまるで覚えていないです。
そのほかの演奏面につきましては吉田さんと亀さんギタリスト2名が互いにワウファズで掛け合うといった興奮する局面が印象に残りました。音色的にはそんなに分けてないのかもしれませんが亀さんの音色の方が多少の「ジュワ~ッ」っていう汁気が多い音がしているようで良いかなと思いました。ソロ演奏なんかも見たところ等分に分けてある感じでどっちがリードであるとかの設定はない感じ。とても達者なツインギター編成であって安心して良いものを聞かせていただいたという感想です。
ベーシストの方はリッケンバッカー4000シリーズを軽々と弾きこなしてよく動いているといった印象でした。
総体的には「コクのあるライブ作り」という感じで聞き応えあり盛り上がりあり。納得いたしました。以上です。