ケーキ人間帝国〔20〕

 ロックバンドのコンサートを聴きに来ているお客さんたち。という感じのイラストです。

 私が高校生だった頃の思い出を図化しました。

 場所は昔の「富士文化センター」です。今その場所は「富士市交流プラザ」という建物に変わっています。古くなって取り壊しになったのです。

 私が子供の頃にテレビ番組「オーケストラがやってきた」の収録を見た場所でもありました。

 オーケストラが演奏できる規模のステージですので、バンド演奏だと周囲がスカスカでいかにも風通しが良かったと思います。

 いつもの当ブログのイラストでは、むしろパースを強調してカッコいい構図を取ることもあるかと思いますけど、あえて寒々しい面白さを淡々と描写してみました。

 当時のチケットが出てきました。

 主に若い人たちを集めた演奏会だったと思います。

 たぶん高校の友達でバンド活動をしている子たちから「聞きに来て」って言われて行ったんだと思います。

 無料だったか、300円くらいは払ったか覚えていません。

 中身の印象もまるでなくて、そんなに飛び抜けて「良かった!」っていうバンドはなかった気がします。ただし音は大きかったし音質も良かったんじゃないかと思います。その点については興奮しました。

 当時の静岡県のテレビ番組で「バリバリG7(ジーセブン)」っていう秀逸なタイトルの番組がございまして、のちの全国的な番組「イカすバンド天国」を地方のテレビ局が先取りしていたような内容だったんですけど、そんな放送もあったため高校生とか10代の人たちのバンド活動に脚光が当たっていたのかなと思います。

 あとは事実に関する補足をしておきましょうか。

 主催の「文化屋楽器店」というのは今でも存在する軽音楽系楽器の販売店です。単なる田舎の個人経営のお店なんですけど、店主の方が寺内タケシさんの流れを組む人でして、そうした「テケテケ系」愛好者には全国的な知名度があるようです。

 寺内さんって、はた目からは「親分肌」っていう風に見られていたのではないかと想像するんですが、間違いではないんですが、もうちょっと経営者っていう方が正しいのかなと思います。

 弟子を取らない人だったんですよね。意外にも。しかし「寺内流」の音楽性を引き継いでいくために「師範代」みたいな制度はあって。要するにその中の一番手が「文化屋楽器店」の店主さんだっていうことです。さすがにメチャクチャうまいですよ。ミュートが巧みでアタックが強いという「6弦ぜんぶヒットする」っていうまさに寺内流。とても勉強になるんですけど。そんなワケで全国のテケテケなオジちゃんたちから慕われていると。

 寺内さんから電話がかかってきて特定の曲名を上げて、この曲のキモはなんだと思う? みたいな質問に「ハイ。中間部のまろやかさです!」とかそんな返答をすると「うん、そうだな。」みたいな内容があったみたいで、ご自分と音楽の解釈が非常に似ていることを理解していておそらくほぼ同じ道を歩む年下の人間っていう認識だったのではと思います。なかなかそういう本質的なことを対等に近い立場で話せる人というのは貴重に思われていたのでは。ファンの人はとても多い人でしたけど正鵠を射る精密な話はこいつじゃねーとできねーな。いつも店にいるし。みたいなことだったのかなと思います。

 今は富士のお店ではなくもっと静岡駅からのアクセスも良好な位置にお店を作って来客との交流をされているそうです。

 当然ながらこの店主さんも私が高校生の頃は若くて、アフロなパーマをかけてオーバーオールのジーンズを着用してニコニコしている感じでした。私が若いころの姿を見たのは3回くらいなんですけど。当時は「文化屋楽器店」も割と普通のお店だった記憶があるんですけど、今は魔界みたいになってます。

 音質がどうとかのお話を上でしましたけど、ここの技術力は信用できます。

 どう信用できるかを解明しますとエルク社のアンプとかミユキ産業とか後にフェンダージャパンのOEMとかの話になって更に長くなるんで割愛します。

 文化屋楽器店のホームページがあるんですけどリハスタのページを見れば「「エレキギターのすべて」に出てきたような「エルクのデカいスピーカーキャビネットだ!」「まだ残ってるんだ!」みたいな発見があると思いますので、ヒマで仕方ないマニアの方は参照するのも良いかもしれません。

 要するに寺内さんは日本のエレキギターの創生期の方ですので、蓄積があるのだろうなと思います。この人は自分の活動に要する音響設備はスタッフも含めて自分持ちっていうかなり珍しいというか寺内さんじゃないとできないような形態で自分の芸術を守った人なんですね。そのスタッフの中の幾人かが流れてきて文化屋の音響部門に関わっていたりするみたいなのです。

 私が寺内さんの演奏を見たのは三島のホールで見ただけかなと思うんですが、店主さんと中村真也さんっていうこれまたうまい人なんですけど寺内さんのバンドメンバーだった人でもあります。その(たぶん一番の理解者)2人に挟まれてホッとした表情をしてギターを演奏されていたなと思います。

 もう難易度の高いギターソロは中村さんに譲った後の時期だったかなと思います。

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 なんかまた文章が長くなっちゃいました。誰か読む人がいるんでしょうか。

 日記的な記述に移りましょう。

 きのうの夜にコロナのワクチンを打ったんですけど、今日の午後になってから体調が悪くなりずっと横になっていました。

 起きてから体温を測ると「38度」ありまして。私の場合この体温は珍しいです。

 ブログを更新したら早めにまた横になった方が良いかもしれません。

 と申しましてもご覧の通りで、長文を書くくらいの元気は全然あります。

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 最後にラジオ日記です。

 NHK第1お昼前の番組「ふんわり」を聞きました。木曜日は俳優で音楽家の六角精児さんがパーソナリティー。

 アズテック・カメラの演奏で「ホットクラブ・オン・クライスト」だったと思いますけどそういう楽曲を聴きました。ロディ・フレイムさんのバンド。初めて聴く曲でした。私もさすがに例のファーストアルバムは持っているんですけど、他の活動も充実していたんだなと思いました。

 今日もたくさんの曲を聞き、そしてまたたくさんのギター演奏を聞きましたが、私としてはこのロディ・フレイムさんの曲で聞けた演奏とそのトーンが一番良いなと思いました。フルアコのエレキギターうんぬんみたいなお話を六角さんはされていたと思います。  

 あとは日本のジャンプブルースのバンドだというカンザスシティバンドの曲も良かったです。おきゃんなギターソロが聞けて満足しました。

 他には青樹亜依さんの楽曲。「夢がパラダイス」じゃない曲を聴きました。青樹亜依さんについては、私のパソコン辞書に漢字登録してあります。好きなんですよね。

 その他、露天風呂における六角さんの全裸の話などを伺いました。

 あとあれだ。シャッグスの楽曲を2曲も聴きました。私はあんまり好きじゃないんですけど。

 おいしいものを囲んでの会合の席で無理してしゃべる気も少なくなってきた。という話も聞きました。以前にはもっとがんばって話していたけど、もう良いね。なんていうお話。

 私は先週でしたか、まちづくり協議会の忘年会に参加しまして、似たような気持ちを持ったことを思い出しました。

 会費制の集まりで、お店が用意してくれたコース料理みたいなのが出てきたんですけど、私は一切、ハシをつけませんでした。

 私の日常は「1日1食」になってしまって長いんですが、つまりお昼に大量に食べて夜になってもおなかがパンパンなんですね。

 しかし以前であれば「おなかいっぱいでも食べたいと思っただろうな」という料理が出てきても「まぁ別に良いか」みたいな心境を発見して自分でも驚きました。

 ちょっと寂しい気もしますけど、以前にも書きましたが、「他の“欲”が衰えていくたびにイラストの調子は良くなる」みたいな手ごたえも感じておりますので、命が続く限り可愛らしいイラストを生産していこうと思います。