トラック運転手のS氏が自分の意思とは関係なく誰かに誘導されるかのように車を走らせている。という場面のイラストです。
この晩、S氏は富士駅(当時は国鉄)の裏にあるという例の友人宅から帰宅しようとしていたところ、なぜか港の方向へ向かってしまったんだとか。
S氏の自宅は北へ数キロ。港は港へ数キロという位置関係ですので真逆ですね。
富士駅から海の方に向かう場合、西側の岸の方が近いなと思い、こういうイラストにしてみました。ちょびっと田子の浦港(たごのうらこう)に係留されている漁船も見えています。
映画「ゴジラ対へドラ」でチラッと写っているコンクリートの何ていうんでしょうか。船をつなぎとめておいて乗り込んだりするところ。そうしたあたりです。
車の後ろに見える食堂っぽいお店は1970年代によくあった「ドライブイン」を模して描きましたが、当時こんなちゃんとしたお店は田子の浦港に接した場所にはなかったです。もちろん「へドラ」に出てくるゴーゴー喫茶もありませんでした。あのお店は不思議なんですよね。ギタリストの土屋昌巳さんがまだ富士市を捨てる前の高校生の時にキャバレーでバンド活動をされていたということなんですが、要するにキャバレーがせいぜいという土地柄です。それも駅近くですよ。昔は富士と吉原に。まぁいいですかねこんなお話。
港の周辺は荒涼とした感じで、いまだとかろうじてリバプール・ジョンっていう誰のファンなのか聞かずともわかる店名のお店がありますけど、絵に描いたような盛り場みたいな若者が集まるっていうねぇ。ないですしなかったです。
私が子供の頃、吉原にあったキャバレーの向かいの川岸に朽ち果てたマツダ・キャロルが置いてあったことが妙に記憶に残っています。
それとは関係ないんですが、S氏の愛車はスズキ・フロンテということにしました。デザインに思想がないというかあっちもこっちもって感じにまとめた非常に当時くらいまでの日本車らしい車なんですけど私は非常に好きです。どちらかというとお尻あたりの「これってどうなんだ?!」っていうデザインが好きですね。けっこう良く見かけました。
排ガス規制の前に作られた車ですので排ガスがモクモク出ている。みたいな細かい描写もしてみました。
あとは余談になりますけど土屋さんが高校の頃に使っていたという元は英会話教育用だというテープレコーダーの詳細が気になっています。それをプリアンプ代わりに使っていたそうなんですよね。ブライアン・メイ氏におけるエコープレックスみたいなね。