トリケラトプス帝国〔26〕

 あまり気負わずとも描けるようになったかなと思います

 これまで25枚のトリケラトプス氏のイラストを描いてきたんですがむずかしかったです。本当にむずかしいです。

 ようやくチカラを抜けるようになってきたのかもしれません。

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 以下はラジオ日記です。今日は静かに過ごしました。

 NHK・FM「現代の音楽」。

 先週と今週は番組から、ふたりの若い作曲家に移植した曲を聴くという企画。

 そうした試み自体も素晴らしいものですが、出来上がってきた曲もとても良かったです。

 作曲家自身をスタジオに招き、お話を伺い、そしてまた西村朗さんと曲を聴いた上での対談もあったのですけど、そこでのお話も率直な気持ちが交わるものであって楽しくそしてまた考察を深めた現時点での気持ちや思いが聞けて良かったと思いました。

 先週は東俊介さんの曲を聞きました。「物体を音で描き出す」というとりくみ。この曲は私にとっては非常に聴きやすく、楽しめました。前半は物体の表面の素材や形状をとても丁寧に描き出していたのかなと思います。波状に刻まれた彫刻とかオブジェとかそんな感じを思い描きました。それとその表面をなでていく風、取り巻く空気みたいなものも感じました。非常に気持ちよく聴けたわけなんですが、むしろ後半が更に良かったです。私の想像の中では構造物の内側に入り込んで、そこには空間があって、すごしやすい室内という感じなんですけど、つりあいのとれたモビールがいくつか置いてあって、時々動く、というような風景を思い描きました。前半を受けた後半の展開というのがとても良かったと思います。2度聞きましたが、もう何回か聴きたい曲でした。

 今週は向井響さんの曲を聞きました。向井さんは静岡市の生まれであって1993年のお生まれなんだそうです。双子の弟さんも作曲家であるというかなり珍しいケース。幼い頃は虫の観察に熱中したとかで特に蝶がお好きだということでありました。作曲面としては音響それ自体に関する興味がかなり深い人であるようで、きょう聞いた曲でもかなり凝った音が次々に飛び出してきていました。「機械の肌」という曲でした。人工物の極致である新素材、柔軟性であるとか膨らみ。一歩踏み込んで不穏な感じ。等々。を聞いていて想像しました。非常に緻密に考え抜かれた音の構成を作り、それが交響曲として再現されて嬉しさを感じる。オリジナルな音響。そんな人であるようです。コンピュータを用いた解析だとかにも詳しいようで、自作の音素材も積極的に自作の中に投入しているということでした。他方、古い民謡の採譜にも取り組んでいるそうで、所属する大学のお仕事で中米であるとかの地方にこれから行ってくるというお話でした。とても良いバランス感覚ですよね。今後のご活躍が楽しみだと思いました。

 先週、今週と濃密な音楽作品が聞けました。どちらもとても美しくて良かったです。ふたつの曲を指揮した板倉康明さんと演奏の東京フィルハーモニー交響楽団。双方大変に良かったです。

 夜のNHKラジオ第2で「ニッポン時空旅」を聞きました。聞き逃していた回の再放送。ありがたい。町田佳聲(かしょう)さんを取り上げた第1回目。まさにこの方は日本の古い民謡の収集・録音に活躍した偉人なんですが、本当に大変な作業。でありまた地場の老人による歌を相手にしたりするという作業上のご苦労。そのあたりが楽しく再現された番組構成でした。人は文化であり、文化は人って申しますか、ヒト対ヒトの関係性、その場の雰囲気。決して上手くいくことばかりでもなかったりそうじゃなかったり。録音を聞くことでいろんなことを思います。

 町田佳聲さんは最初のうちは回転盤に直接音を刻んでいくという録音機をお使いだったと知りました。テープ録音の前ですね。こうした録音メディアの変遷というのも追っていくと興味深いです。

 違う番組の話になりますが、悪の放送「ジャズ・トゥナイト(NHK・FM)」でルディ・ヴァン・ゲルダーというジャズの世界では大変によく知られた録音技師の方の特集を聞きました。最初の方のお仕事の頃から非常に明瞭な音像であって、これは仕事が集まってくるのも納得だと思いました。マイクの位置であるとか使用するマイクに対する感覚が非常に優れた人だったのだと知りました。

 単にハイファイだったというだけでなく音に主張があった。どう聞いてもらいたいかの意図が明確な人だったのであろう。というジャズ評論家である大友良英さんの解説でした。

 大友さんといえば、過去の同番組での中牟礼貞則さんを招いて生演奏の際の録音がとても良かったです。

 中牟礼さんが最近つかっているアンプを持ち込んでの録音だと思うんですが、可搬性のある比較的小さなアンプなんですけど、胴が深くて“鳴り”が期待できる構造をしたアンプなんですけど、まさにバッチリと胴がビビビと共鳴している感を捉えた。と私は感じましたが。非常に良い音でした。私にとって。これが聞きたかった。そうした中牟礼さんの音に対する大友さんのギターの位置もとても良かったと思います。おそらく中牟礼さんの音が決まった後でちょうど良い場所を探したのかなというようなしっくりきているデュオ演奏でした。

 過去の番組で大友さんが「非常に良いマイクを買った! 高級車数台分の価値! うれしい!」と散々ご自慢していらっしゃったので、そうしたマイクを活用しているのかと思いました。いかにもニヤニヤしながら話されているその様子でしたけどあれには閉口いたしました。決して私だけではないと思います。番組の私物化ここに極まるとしかいえない。そう感じたことなどを思い出しました。