クワガタムシ帝国〔09〕

 ワクチン接種の副反応が出たようです。午後に2時間ほど横になりました。

 症状としてはカゼっぽい感じ。寒気とか関節の痛みと全身的なダルさでした。

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 午後3時からのラジオ番組を聞き終わる頃にはだいぶ体調は良くなりました。

 NHKラジオ第1「ディスカバー・カーペンターズ」。今日はアルバム「ホライズン」のB面について。聞いた曲はどれも初めて聴く曲でしたが、コーラスがとても柔らかく録音されていて、なごみました。

 先週も言われていましたが、このアルバムから以前の16トラック録音から24トラックになったそうです。さらに当時の音楽的な状況もそれぞれの楽器をクリアによりハッキリと作っていく風潮にあったのだとか。言われてみれば思い当たることの多い解説でした。1975年の作品なんだそうです。

 ニーヴの8048の写真なんかを見ると今の録音ミキサーとほとんど見た目には変わらないようです。たぶん当時の録音スタジオのようすはこんな感じであって複雑なワイヤリングが可能になったのかなって思います。これが60年代のビートルズの録音風景を見ると前世紀か?っていうミキサーが使われているんで大変な革新がおそらくあったのかなって思います。70年代までに。

 キーボーディストで編曲家の森俊之さんがアナログシンセをスタジオに持って来て下さり、このアルバムで使われたシンセソロの音色について音を実際に出しながら解説してくれました。矩形波(くけいは)をデチューンさせた上で柔らかいエンベロープを与え、リヴァーブをかけた伸びやかなフレーズでした。曲のエンディングを飾る曲想に合った音色。リチャード・カーペンターさんは冒険的である面も持ちながら基本は非常に手堅いというか普遍的なジャストを見極められる審美眼に優れた音楽家だと思います。

 それとこのアルバムからエレピにローズも用いられるようになったということでした。キラッとした高音域の特徴についてもご紹介がありました。カレンさんはアルトの音域に素晴らしい魅力のあった人ですが、そこはやっぱり女性らしい華やかな倍音もあるワケでして、ウマく組み合わせていたなという印象でした。こうやればかわせるなっていうアイデアがあったのかもしれないなと思いました。しかしカレンさんに対するベストマッチはウーリッツァーのちょっとくすんだ感じなのかもという感想を持ちました。それともちろんアコースティックピアノでもあるんですが、私は生ピアノの方の知識はゼロですので良くわからない世界です。

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 4時からは同じくNHKラジオ第1において、先日に亡くなられた宮沢章夫さんのトボけたお話を、NHKに残された録音で振り返る番組を聞きました。以前に午前中に放送されていた帯番組「すっぴん」より。藤井彩子アナウンサーの語り。まだ全然若い方でしたのでお別れを言うのが辛そうでした。ちょっと川勝さんの死にもダブりますね。

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 ちょっと調べてみたんですが私の好きな録音作品で言いますと。主に鍵盤系において。アル・クーパーさんの「赤心の心」が1972年。「ジョリー」ね。なるほど。やっぱり70年代の最初の方。

 この1972年というのはポップス史においても大変な当たり年っていうことで良く知られているみたいです。カーペンターズにおいては「ア・ソング・フォー・ユー」。ベスト盤しか持っていなかった私はラジオ番組「ディスカバー・カーペンターズ」で時系列等を学習しているんですがこのアルバムにはビックリ仰天しました。コレはスゴいと。いったいいくつシングルカットされているのかという大変な名盤でした。

 それとニッキー・ホプキンスさんの「夢見る人」は発売は翌年の73年ですが録音は72年から録ってたみたいで。「ドリー」ね。

 私の場合はちょっとゴッチャりした音像の方が好きなので、あえていうなら70年代最初の方が好きっていう感じですかね。つい最近に熱弁しちゃった通り粒子の粗い質感が好きなので当然と言えば当然ですが。

 あとは米ロックバンドであるシカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」。大好きなんですが、今日の番組で森さんが言っていたデイヴィッド・フォスターさん。彼が関わる前のシカゴの名曲。私は必要以上にデイヴィッド・フォスターさんを毛嫌いしておりまして、いわくシカゴをダメにした張本人なんですが、しかし今日の森さんのコメントにある通り、リチャード・カーペンターの系譜に入ることはまた間違いないと、言われて初めて気づいて慄然としました。

 しかし「サタデイ・イン・ザ・パーク」なんかも録音は71年なんですね。調べてみると面白いですね。

 ダニー・ハサウェイさんの「ライブ」も演奏それ自体は71年で発売が72年だそうで。さあみんなで歌おうっていう「君の友だち」ね。♪ユジャスコーっていう。客のノドが完全にあったまっているのが驚きます。あの人たち始終歌ってるんですよ。おそらく日曜の教会とかで。

 あとは鍵盤系の名盤っていうと天才の所業スティーヴィー・ワンダー氏の「トーキング・ブック」。私もメチャクチャ聞きました。神がかっていた70年代のスティーヴィー・ワンダーさんですけど、「トーキング・ブック」はちゃんと72年にタムラ・モータウンでの録音で発売も72年ってことみたいです。

 やっぱりスゴい70年台前半っていうか72年を軸にして調査してみました。いやースゴいね。この時期の濃密な歌心ね。異常ですよ。キャロル・キングさんの71年の「つづれおり」にしたってね。マ、長くなっちゃいましたが、もし読んでいただけた人がいるならば感謝をお伝えしたいです。ありがとうございます。なんかまとまりに欠いたいつもの私の文章でした。