TROMS〔39〕法の華三法行・天声村

 法の華三法行(ほうのはな・さんぽうぎょう)という宗教団体が昔に存在したのですね。「足裏診断」とかですよね。

 話題になってワッと報道が過熱して、「サギじゃないのか?」みたいな騒動になりましたが、教祖の人とかその他の中心的な人物の数人が意外性もなく逮捕されて実刑に服することになったのでした。全部合わせても数年とかじゃなかったでしょうか。なんだかスピード感はすごかったですね。めくるめく展開でした。

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 この団体の拠点は東京と静岡にあったのですけど、なんと私が通っていた中学校のソバにあったんですね。静岡県内の拠点が。

 奇怪な様相の建物が立ち並ぶ“村”だったそうです。

 ちょっと前の当ブログで「私が通っていた中学の至近にUFOのカタチをしたラブホテルが建っていた。夜になると発光していた」みたいなことを書きましたが、今度はサギ的な宗教団体ですよ。

 どうなっているんですかウチの中学。みたいなね。もうその頃の私は大人になっていて東京で暮らしていたんですが卒業校ですからね。何をしてくれてるんだと感じました。

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 本日のイラストの説明をしておきましょう。

 実はこの頃の私はお金に苦労しておりまして帰省する資金にも事欠くアリサマでした。

 つまり法の華三法行の拠点であった天声村(てんせいむら)って言いましたけど、その施設の勇姿(?)は目撃していません。すぐに取り壊しになりましたからね。

 そのかわりと言ってはなんですが、新宿という繁華街のそばに住んでおりましたから、別のアレコレを見る機会には恵まれているワケです。

 批判的に報道される局面がほぼ全部だったこの宗教団体でしたけど、そうした風潮に危機感を覚えたのか、小冊子を新宿の駅の近くなんかで配っていたのです。

 世論に抗する活動だったのかと思います。おそらく。

 私に対して冊子を突きつけてきた人は中年と思われる女性でしたが、「救われたんですよ」みたいなことを言っていたと思います。冊子は受け取りませんでしたが。

 私の印象に残っているのはそれとはまた違う場面であります。

 それを図化したのが上のイラストです。

 西新宿のハイアットリージェンシー東京と都庁の間にある歩道ですね。JRの新宿駅から地下道を通って新宿の中央公園に向かうという。わりと広めの歩道ですけどその脇のところに白い上下のダボっとした服を着た人たちがですね。等間隔に立っているんですよ。だいたい20メートルとかの間隔でした。わりと離れている感じ。ちょっと上の空中を見つめる感じで直立していました。

 ただ立っているだけの姿勢の同じテイストの服を着た大人の人たちが点々と立ち並んでるってあんまりないですよ。

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 「なんだろ?」って思いながら私なんかが歩いて行くとその人の正面にさしかかったあたりでそれはもう大きな声で「最高ですかッ!?」って質問してくるんですよね。ぶしつけですよ。その白い服を着た人達。そのそれぞれが前に歩く人たちに正対したあたりで大声で質問してるんですよ。

 そうだ書いておかないと当時を知らない人はわからない。「最高ですかッ!?」っていう“問い”はこの宗教に特有の非常に有名であったフレーズです。

 それでね。これはもう「サンポーギョーの人なんだな」っていうのは時節柄わかるんですが。というのも別に何か宗教的な目印を身につけているワケではなくて、熱気のある語調で「最高ですかッ!?」って言ってくるだけなんですけどそんなこと言ってくる人って、しかも全部合わせたら10人から20人はおりましたので、「サンポーギョーの。宗教の人なんだな」っていう理解ですよね。マそんなことがありましたのでイラストにせずにはいられないという。

 別の日にも合わせて2回は少なくとも見ました。そんな動員をかけられるほどのパワーがあったんですね。今思い出しても変な意味で感心しますけど。

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 イラストとしましては、非常に異様な外見に描きました。信者の人をね。

 最初はサカナの形に描いたんですけど、うしろの人達はサカナのママですが。いまいち面白くないなと思いまして、最近はよくネットの動画でUMA(ゆーま)と分類される未確認生物のアレコレを見ているんですけど、それで気になったUMAさんの姿をパパッとスケッチして保存しておいたんですが、そのすがたカタチが使えそうだと思ってちょっとムリがあるかなと思いつつ登場させてしまいました。なんという名前のUMAだったかは覚えていません。

 タヌキのオジさんがおどろいていますけど、実際にドキッとするほどの大声なんですよね。そんなに大きな声を出さなくても良いのにって思いましたけどね。今はどうされてるんでしょうかね。あのヒトたち。

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 蛇足的なことがらも加えておきます。

 なぜ私の中学のそばに「天声村」があったかについて。

 教祖の人の名前は福永法源(ふくながほうげん)って言いましたけど、どうやらそのお母さんの地元だったみたいなんですよね。私の中学の西側区域が。

 それで土地勘があったとか。この話はウラを取っておりませんので私自身も本当かなって思いますけど。

 ただしこの富士市だったり富士宮市だったりは非ッ常に宗教関係の施設って多いんですが、私の通っていた中学のあたりは単なる住宅地ですので、ここに宗教的な拠点を求めるというのは個人的な地縁アリとかじゃないと不自然なんですよね。もっと霊験とかがありそうな土地はたくさんありますし、むしろそっちの方が土地の値段も安そうです。つまりもっと標高が高い土地ですよね。

 聞くところによれば母子の関係は良くて宗教の運営にしろ母子の二人三脚だったみたいなことも聞きます。母からの意向というのは無視できない程度に大きくあったのかなって考えています。

 逆のことを言えば、ああいった現世利益をうたう宗教の村が東名高速の富士インターを出て10分足らずで着いちゃうと、そして条件が良ければ富士山も大きく見えますよという利便性というかコンビニエンスな感じというか。チャッと行けちゃう感じね。日帰り可能みたいな。そんなありようからすると普通は人家を建てる。あるいは農地。みたいな場所に宗教的な建物を建設したっていうのは充分にありえるのかなというのが私の理解。なんですが、まぁどうなんでしょうか。

 そもそも私に信仰心があまりないので宗教の話って土台からしてブッ飛んでるなっていう感想が私にはあります。だから難しいです。宗教を信じる人の胸の内って。

 なんで他人の言うことを自分が深く信じて従うところにある指針として転用可能なのかっていう点から始まっちゃうんですよね。

 しかしマこれは、ゲームで遊ぶ人に対してナゼ他人が決めたルールとやらにやすやすと乗ってあまつさえお金まで使っちゃうんだって感じる私のことですのでおそらく多大にズレているのでは?っていう危惧がございます。全人類規模で見ればたぶん宗教を信じている人の方が多いし、ゲームが好きな人の方が多いと思うんですよね。私は極端な例かもしれませんが、ひとりの人間にとって理解できないことって多くありますね。