TROMS〔26〕あたらしい町

 「ア・ニュウ・キャリア・インナ・ニュウタウン」ですよ。マそれは違うんですが、引っ越した先のようすをイラストにしました。

 理路整然とした街並み。それまで住んでいたあたりの景色とは違っていて新鮮でした。

 小学生になって小学校の周囲を歩いたりするようになると、さらにようすが理解できました。

 このあたりは最近に作られた町なのです。計画的に定規で引いたような無機質なつくりを発見したのでした。

 であれば新しくキラキラして見えたかというとそれも違います。

 作られてからちょっと時間が経過した感じでした。

 私が感じたほどには古びていなかったハズなんですが、くたびれた感じがありました。

 まだ新しいからこそ、目につく古さっていうんですかね。微妙な言い方ですけど。

 あんまり親近感も持てなくて地元でありながら好きになれなかったです。

 それが高校を卒業して東京に住むようになってからの特に西新宿の奥の方はノラ猫もウロウロしていてネコの集会が開かれたりしているので、私の気持ちとしてはすごく楽しくて、なじみました。

 40歳を迎えようとする頃にまた地元に戻ってきまして、50を過ぎた今は「まちづくり協議会」の人員としてボランティア活動をしています。やっぱり地元を見る目というのは経験、加齢を経て変わりますけど、しかしさほど大きく認識を改めるということもなかったのですが。

 お祭りの運営なんかを手伝っていて驚いたのは「今の若い人たちにとっては、かつての新興住宅地たるこのあたりもそれなりに歴史のある土地って認識なんだ」っていうことですね。当然ですけどね。50年ほどには歴史が堆積しております。町が出来てからね。しかしこれはえらいことになったと思いました。

 どうかすると祖父祖母の世代から住んでいるケースもありえるのです。

 大変ながらも地域の仕事をしているっていう理由は1ヶだけではないのですけど、若い人たちにとって「ウチらの地元」として思われ親しまれてるんだなって気づいたことも要因のひとつですね。私がいつまで続けられるかわかりませんが、できるだけやりたいです。