ここまでしばらく私個人の実体験からは離れた記述が続きました。
しかしまたですね。戻しますよ。私の幼少時の体験にね。
田子の浦幼稚園に通っていた頃の思い出です。
木造の校舎が“ふたむね”並んでいます。
これは幼稚園の建物ではなくて、小学校の校舎です。
実は私、幼稚園の建物の印象よりも小学校の校舎の印象の方が強く残っているのです。そんな思いからイラスト化しました。
幼稚園と小学校が同じ敷地に建っていたと思うんですよね。確か。さほど離れていなかった記憶です。小学校の校舎を眺めながら、園児である私たちなどは運動場で遊んでいたと思います。
ちょっとした交流がありました。
幼稚園の子たちが小学校のクラスにおジャマして、小学生のお兄さんお姉さんが作ったり描いたりした「図画工作」ね。これを見せてもらうという機会があったのです。
当時の私はもうすでにお絵描きが得意な幼児でありまして。
幼稚園の園長先生に「この子は将来、絵描きさんになるね」なんて言われたこともあったそうです。
私自身の自覚としても「ボクは他のみんなよりちょっと絵を描くのがウマい」みたいな気持ちがあったと思います。
ところがですよ。小学生のお兄さんお姉さんが描く絵はそれを上回っていると知ったワケです。断然スゴいと。
自分はそれなりの絵が描けるかもしれないけど違うんだと。成長したらもっと素晴らしい絵を描けるようになるのだ。そんな期待。あるいは向上心みたいなものですね。初めて芽生えた殊勝な心持ちですよ。
その日以来、小学校の校舎の中ではお兄さんお姉さんが今の自分よりもハイレベルな創作活動を行っているのだという意識ですね。これをビンビン感じていました。
そんなワケで、この木造校舎が並んでいる風景はよく覚えているのです。ある面において私の原点でもあります。
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映画「ゴジラ対へドラ」を見ますと、よく似た場面が出てきます。
この木造校舎が並列に並んでいる感じ。
まぁ他の地域にも類似する様式というのはあったかもしれませんが、あの映画は田子の地域あるいは富士市内でロケをしていますからね。
それと特撮映像作品「スペクトルマン」を取り上げた時にも書きましたが、当時の漁協あるいは地域の人たちの協力ですよね。
「田子の浦幼稚園」「田子の浦小学校」っていうくらいですから至近なんですよ。田子の浦の港とね。
根拠はないんですけど、おそらく田子の小学校、その校庭で生徒や先生がバタバタと倒れるシーンはね。撮ったんじゃないかなぁと考えています。映画ですと一瞬ですが、私にとっては別の意味もあって感慨深いです。
お兄ちゃんお姉ちゃんたちに混ざってお絵描きしたいな、とか、もっと絵をウマく描けるようになりたいな、とか思っていた幼児の頃の自分が思い出されるんですよね。というお話でした。
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映画「ゴジラ対へドラ」について蛇足的なメモをしておこうと思います。
あの映画に出てくる野外ロケの全てが富士市である。というワケではないんですね。これは「スペクトルマン」の1話、2話についても同様で、富士市以外の土地で撮った映像が組み合わさっています。
しかし当時の富士市の風景が多く映っていることには変わりありません。
たとえば子役の坊やが住んでいるおウチ。
設定上は子役の坊やとおじいちゃんなんかが同居するお宅だということになっています。
おじいちゃんの職業が「漁師さん」だと知って、のけぞりました。
富士市民なら誰もが思います。
「あの辺って原田(という地名です)ダラ? 漁師の人が原田なんかに住むワケニャーじゃん。ウソくしゃー(うそくさい)」ですよね。けっこう内陸なんですよ。ていうか東名高速道路の側道あたりです。
標高にして50メートル前後はあります。もう直近から急激な斜面になりまして。
子役の坊やが坂道を登ってくるシーンを見てもらえるとわかると思うんですが傾斜がヤバい。煙突だったり工場だったりの風景が坊やと同じくらいの位置に重なりますが、あれも原田のあたりからの独特な見え方です。
映画の話なんで別に漁師の人がドコに住んでいようと大した問題じゃないかもしれませんが地元的には違和感があるよというお話でした。
ただし映画の最後の方で裾野の演習場のあたりでゴジラとへドラが戦うことを思うとですね。田子の港と演習場をつなぐウマい位置にはあるなっていう気はします。
坊やが住むところの原田のお宅からカメラが右に振れて場面転換する場面がありますけど、あの方向感覚は絶妙です。富士市の人間ですと「お、愛鷹山(あしたかやま)の方なのか」って思いますね。実際その裏の方ですからね。決戦場はね。
あとはもう土地の人間が書かずとも納得がいくかもしれませんけど、ゴーゴー喫茶ですよね。あれは無いです。モデルになったお店は当時の日本でも最先端の「MUGEN」だっていうことですから、あるワケがないです。ここ富士市の言葉で言いますと「ニャーだよ。富士にアンなモン」ですよ。
映画ですと、港のごく近所にお店があったみたいに描かれていますけどね。
富士宮ミキさんもいませんからね。
ただし、原田のとなりに「比奈(ひな)」という地区がありまして、ここは富士市における「かぐや姫伝説」の残る場所だっていうことは書き添えておきたいです。
富士宮ミキさんとかサカナ人間が踊っているヒトならぬ雰囲気。通底するものがあるんじゃないかって思います。思いますけど映画製作としての意図には含まれていないと思いますが。
最後に、麻雀をしてる民家ね。アレはあったと思います。田子とか鮫島。鈴川、元吉原。どこかで絶対にジャラジャラやってたと思います。ヘドロ弾。あるいは硫酸ミストを浴びて絶命ですよね。お気の毒ですよ。