TROMS〔15〕富士市・田子の浦港周辺の地図

 地図のイラストを描きました。市内の南部っていうか、田子の浦の港を中心とした工業地区の一角です。

 この地図をもっと早く出すべきだったかもしれません。

 おそらく静岡県内の人でも中部、西部の人だと富士市の地理なんて知らないと思います。参考にしてください。

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 説明に参りましょう。

 映画「ゴジラ対へドラ」に出てくる地図に見覚えがあれば、なんか見覚えがあるぞってなるかもしれませんが、下部の中央が「田子の浦港」です。

 左にカエルくんが立っていますけど、そのあたりが私が生まれた場所。「柳島(やなぎしま)」です。

 カエルくんのつま先あたりを横切っているのは国道1号線です。

 カエルの背後すぐの建物が新幹線の駅です。「新富士駅」。

 ビックリするんですけど富士市は割と無計画な土地でして、なんと新幹線の駅と在来線の駅が離れておりまして連携していないんですね。これがまた中途半端に近くて遠いという2~3キロあるのかな。非常に不親切な設計です。この地図にはその「富士駅」は描いてないです。もっと左側っていうか方角ですと西側に位置しています。

 カエルくんの反対側というか右側。オレンジに塗ってある工場がゴチャゴチャっとある感じのエリア。これが度々社名を連呼しておりますが「大昭和製紙」の「鈴川工場」です。今はもう吸収されちゃって社名は残っていません。

 大昭和製紙って市内にいくつも工場がありまして、そのそれぞれが今も製紙工場として活動しています。この地図にも描かれておりますが、無関係の製紙工場であるとか自動車のオートマチックなトランスミッションを作っている工場も地図には入っています。目に付く大きな工場は図化したという感じです。ですので雑多。あえて詳述はしません。

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 注目していただきたいのは「大昭和製紙の鈴川工場」と「田子の浦港」の位置関係です。

 近いです。

 映画「ゴジラ対へドラ」の冒頭でチラッと映る廃液の根源たる工場。それがこの鈴川に位置する大昭和なんですね。他の製紙工場にも責任はあるんですが、3割程度は大昭和由来だったみたいで、やっぱりかなり責任があるというか、まぁ富士市民の認識に照らしてもヘドロ公害の象徴みたいな位置にはあると思います。

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 ついでに「大昭和製紙の鈴川工場」と「交通機関」についても注目してもらえればと思います。

 港が近いのは原料になるチップですね。海外から船で運んで参ります。「大昭和102計画」っていうのがございまして、それまで国内原料を使っていたのだが海外からの安定供給をアテにしようという転換。これが大昭和の2代目社長である齊藤了英(りょうえい)氏が元気な40代から50代だった頃の事業の根幹でありまして。チップ専用船という貨物船の建造ね。これを自社でですね。しかしこの調子で語るとまた長くなるので「船の話」と「102計画」の詳細については打ち切ります。

 鉄道輸送の話に移りましょう。東海道線。当時は国鉄。「国鉄」って書くだけで非常に懐かしいですね。それと市内に引き込んでいく感じのこちらは私鉄、岳南電車ですね。

 これらも近い。岳南電車の方はもうほとんど鈴川の工場ギリギリから線路が出ている感じですが決して誇張ではありません。わりとこんな感じです。

 それと自動車道としての幹線。イラスト上ではちょっと離れた感じになってますけどこちらも決して遠くはないです。

 要するに東京にも名古屋にも紙を送れるという地理的な利点を最大限活用できるポイントに工場があった。原料の受け入れについても完璧であったと、そう納得していただけると幸いです。

 紙需要における先見の明が的中したこともあって、紙をすいて、すいて、すきまくっていたら海が汚れて空も汚れたっていうのが簡単なコトの次第なのかなと、改めて調べてみて思いました。