TROMS〔10〕むかしの文集の記述から

 連載の方針としては「文章の量を少なく」と考えているんですが長くなりがちです。読んでくれている方がはたしてどれくらいいるのか。不安ですが、今日こそ短くまとめたい。

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 きのうは私が「1回だけ見たヘドロのようす」について書きました。

 しかし何しろ4~5歳時の記憶ですから「ガーン!」っていうショックのみに終始していて細部の描写についてはココロモトありません。

 もう少し年長の子が当時に記した文章の内容をご紹介しようかと思います。

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 富士市と富士宮市の二つの地域をまとめて「富士地区」と称するらしいのですけど、この地の小学校に通う子たちが書いた作文から秀作を集めた「文集」があります。

 その名を「ふもと」というんですが、歴史も古くて100年くらいあるのかな。

 「ふもと」っていう名称からして富士山の近隣なんだっていうね。「岳南(がくなん)地区」って言い方もあるんですけどね。どっちにしろ富士山なんですよ。大きい山ですからね。

 でその文集「ふもと」なんですが、1学期に1冊っていう発行だったと思います。子どもたち全員に配布されます。

 本日のイラストに描いたとおりでありますが、簡易なつくりの冊子です。

 私は「ふもと」のバックナンバーを大量に参照する機会が過去に1度ありました。残念ながらデジカメで中身を押さえておくという発想はなかったんですが、やはり1970年前後の「ふもと」には、子供の目から見た「ヘドロ問題」という作文が発見できました。

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 記憶を頼りに要約しますと、「港の付近を歩くと肌がチクチクする」という記述でした。それと当時のデモのようすの記述もあったと思います。漁民を中心とした抗議団体が立ち上がりまして、排水や排煙の改善を求めたという要旨なんですけど。

 作文を書いたのは確か高学年の女の子だったと思います。もうその年頃であれば新聞も読めますし、富士市の公害問題が日本の中においてどんな感じに取り扱われているかも承知した上なのだなと読み取れる書き方だったと思います。

 マ、私の素朴な感想としてはね。「肌がチクチクする」っていうのは相当だなって思いましたけど。

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 以上は、「戦争の歴史展」みたいな展示が市の施設で夏休みの期間にありまして、当地から出征した人たちのこととか、戦時中の暮らしなど含めて包括的に知るという企画。だいたいどの地域でも毎年やっていると思いますが、その片隅に文集「ふもと」もドッサリと置いてありましたので、個人的に気になる点だけ参照してみたというワケでございます。

 しかしその時はまさかこうして自分のブログで紹介することになるとは思ってもおりませんでしたので、記憶を頼りに記述するという、そんな紹介の仕方になってしまったのでした。