ホラアナ物語〔15〕

 外出して2件の用事を片付けました。

 次の用事に向かおうとしたら自転車がパンクしてしまいました。

 1ヶ月ほど前にもパンクしたのですけど、今度は前輪です。

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 歩道の脇のちょっと開けた場所でホイールを外してチューブを引き出して空気をバンバン入れてみたのですけど、全く空気がたまりません。ウンともスンともです。

 これはかなり大きな損傷がチューブに発生したみたいです。目で見る分にはドコに穴が開いているのかサッパリわからないんですが。

 修理不能ってコトで、仕方がないので自転車を押して帰ってきました。

 高低差にして100メートルほどを押して歩いた計算。距離はそれほどでもないんですが。すっかり疲れてしまいました。

 しかし本日の用事2件というのはけっこう大きな案件でしたので、そっちが片付いて、まずは良かったです。とにかく前進はできました。

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 きのうの夜のことになりますが、手持ちの音源をパソコンで聞きました。マイルス・デイヴィスさんの「ゲット・アップ・ウイズ・イット」。アルバム1枚ごと全部聞きました。これって全部聴こうと思うと2時間くらいかかるんですね。忘れていました。

 大友良英さんのラジオ番組で「レッド・チャイナ・ブルース」を聞きましたので、それでアルバム全部を聴き直そうと思ったのです。ネット上の辞書サイトで当該アルバムについての記述のページを開きまして。参加ミュージシャンのリストなんかを眺めながら聞くという。スゴい楽しいですよ。こんなことが。

 「レッド・チャイナ・ブルース」なんですけど、私の音楽プレーヤーに記録しておいた個人的評価では「星ふたつ」になっていましたので、大友さんに見つからないうちに「星5つ」にソッと変更しておきました。他の曲はもちろん全部「星5つ」です。特に好きな曲はハートマーク付きで登録してありますが。

 「レッド・チャイナ・ブルース」だけ、これって異常に分かりやすいブルース曲なんですよね。マしかし大友さんが注目した「バンドがブルースの進行で行ってるところにモード的な要素を混ぜてみる」みたいな試みについてはわかりやすいです。

 だいたいこのアルバムについて言われることについては「録音時期がけっこうバラバラ」っていうものなんですけど、統一感はありますよね。ベーシストのマイケル・ヘンダーソンさん。この人は全曲に参加してるのかな。かなりこの時期信頼されてたのかなって思いました。実際、何の文句もございません。

 あとはもうやっぱり「レイテド・エックス」ね。すばらしい。この「ズボボボオボボボ」っていうノリというか威嚇的な音の連なりっていうか。意外とドラムは普通に叩いていて、充分スゴいドラムではありますが、がしかし主にベースとパーカッションで出してるんですね。確かにデイヴィスさんのバンドのパーカッショニストの演奏というのはたいていいつでも素晴らしい。この曲ではジェームズ・エムトゥーメさんという方。知りませんでしたけど、のちにレジー・ルーカス氏とバンドを組んでヒットを飛ばしているという。ルーカスさんとは相性が良かったんでしょうね。

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 ひさしぶりにデイヴィスさんの音楽をまとめて聴いているんですが、もうイイや。私の進める個人的な活動である“ネットに上がっている80年代のシンセポップのこまかい曲”の探求は一時停止ってことにしてデイヴィスさんを聞こうと思います。

 「ジャック・ジョンソン」を聞こうと思います。あっちでもブルース曲をやってますよね。コンプリート・セッションの方に入っているのかな。このコンプリート・セッションものが案外に評判悪かったりするんですけど私は好きなんですよね。「オン・ザ・コーナー」以外は持っています。もちろん「オン・ザ・コーナー」のも欲しいんですが、気がついた時にはもう中古で買うしかなくなっちゃっていてちょっと高いんですよね。

 戻しますけどコンプリート・セッションに。同じ曲を違う試みをもってやってみたりしている。それが嫌われるのかなって思うんですけど、私にはスゴく楽しいんですけどね。「じゃ次はこんな感じで演奏してみよう」という提案によく反応できる優れた音楽家の集まりだったのがわかります。ただ私はデイヴィスさんの音楽を聴き始めると止まらなくなるんですよね。数日ばかり。別に全然良いのですけど。

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 ラジオ日記を書いて終わりにします。いつも聞いているNHKラジオ第1「らじるラボ」。評論家でライターの松永良平さん。早いですね。前月のご登場からもう1ヶ月経ったのか…。いやはや。

 きょうは「おとぎばなし、むかし話」をテーマにした選曲。

 ソニックスがかかりましたよ。アメリカのね。私みたいなガチャガチャしたロックが好きな人は必携のね。とうぜん私もアルバムを3枚ばかり持っています。かかった曲は「シンデレラ」でした。

 それと「シンデレラ」っていうことでいうと「クールス」の楽曲もかかりました。日本の。さすがにクールスにも近い近田春夫さんの「シンデレラじゃあるまいし時計なんて見ないで」はかかりませんでした。

 次の30分では「金太郎、桃太郎」にまつわる選曲。ここでも惜しくもモップスの「大江戸冒険譚」はかからず。この曲は「金太郎、桃太郎」ときて、モップスのベーシストである「三幸太郎」さんの名前も出てくる楽しい曲なんですが。と思ってちょっと調べてみたら三幸さんがこの夏にお亡くなりになっていたことを知りました。ご冥福をお祈りいたします。

 あとそうだ。「京都」についての30分もあり。ローザ・ルクセンブルグの「橋の下」っていう曲でしたか。初めて聞きましたがとても良い曲でした。フォーキーでね。それと京都によく来ていたというデヴィッド・ボウイ氏の「アッシェズ・トゥ・アシェズ」がかかりました。「灰は灰に」っていうような意味ですね。ボウイ氏は京都が好きで、よく来ていたのだそうです。デイヴ・シンクレアさんになると確かお住まいですけどね。調べてみたら、その後、瀬戸内海に移ったということなんですが。骨をうずめるおつもりなんでしょうか。それはともかく京都のライブハウスでお客として来ているボウイ氏の姿が目撃されていたとか。スゴいですよね。しかし山崎マゾ氏がイギリスで「マゾンナ」としての公演をした際にもボウイ氏が普通にお客として列に並んでいたという情報も見かけましたのでそれが事実ならあの人はそういう普通の感覚をずっと失わずにいた人なのかもしれません。

 マいずれにしろボウイ氏も、ローザ・ルクセンブルグのボーカルだった「どんと」氏にしろ故人。

 「アッシェズ・トゥ・アシェズ」のビデオに出演していたスティーヴ・ストレンジさんなんかもすでにこの世にないわけですが、先日チェックしてみたらあの人が亡くなったのって55才だったんですね。今の私と同じ。

 ジョー・ストラマー氏の没した年齢を追い越した時には私も「あぁ………」って思いましたけど遂にスティーヴ・ストレンジさんにも追いついちゃったのかっていう。やれやれです。晩年のステージ上の動きを見るとカラダ的にはもうあんまり良くなかったのかなって思いますけど、その声と「カッコいいオレ像」っていうのは最後まで貫いてくれたので感謝しかないですね。たぶんミッジ・ユーロ氏をしても「オレも大概だけどあそこまではできないわ」っていうレベルまでやってくれた人ですからね。安らかに眠って欲しいっていうだけです。

 でもホントはあの人に、もうあと5年あったらなって思うんですけどね。アルバムもう1枚という。普通あそこまでカッコつけられないよっていう逸材でした。