ホラアナ物語〔14〕

 体調は回復しました。元気です。

 きのうは急に気温が低くなったのと、ワクチンの副反応がわずかにあったみたいで体調が低めでしたが睡眠をかなりよくとりまして復調いたしました。

 ブログ用のイラスト備蓄を作っています。あいかわらずですが。

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 ラジオ日記ですが、今日は「鉄道の日」らしいですね。鉄道の音をたくさん聞きました。

 まずはNHK・FM。朝の番組「音の風景」。大阪のチンチン電車「阪堺電車」。90年くらい前という古い電車の音でした。古い電車をヨソから買ってきたというのではなくて、ずっとソコを走っているというものらしいです。「阪堺電車」ってラジオで以前にも何かの話題で聞いたのかもしれません。「はんかいでんしゃ」という音だけを耳で聞いた記憶があります。しかし「阪堺」と表記するとは思っていませんでした。なるほど。地名をくっつけたのだなと納得しました。

 それとNHK第1の午前の番組「らじるラボ」です。

 鉄道DJの野月貴弘さんのご案内。青函トンネルに以前は存在したという海底駅の音。これは地上のものとは全く違うサウンド。地下鉄の駅で聞く音とも違う独特のものでした。おそらく開口がどこにもないので「大きな筒状の構造物の中」で聴くサウンドという感じが強いのだと思います。エキサイティングでしたね。

 それと碓氷峠、横川駅の昔の音。峠の釜飯とかなめこ汁を売る人の声などなど。

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 きのう書きましたとおり昨晩は久しぶりに読書。湯浅譲二さんと西村朗さんの対談。けっこう進みましたが、まだおそらく3分の1くらいを読み終えただけです。

 湯浅さんのお話として、「お能のリズム。というか時間感覚」への言及。ここが非常に興味深いところで、いわゆる日本の古典に見られる一定間隔のパルスといった概念を持たない時間軸上の音エネルギーの推移っていうか。湯浅さんの考えが聞けて非常に感激しました。おそらく「能」のリズムについて「あれっていったいどういうことなのか、どう解釈するべきなんだろうか」っていう疑問を持っている人も多いと思うんですが。対談の当該箇所では図形楽譜に記譜することのできる、五線譜では描き出しにくい部分、可能性、なんかと絡めて語られました。

 別に分かりにくくするためではなくて全く逆で、それを見れば音楽上の出来事がわかるっていうことですので、「このひとかたまりは2秒で想定していますよ」というように目安を記入することもあると。なにしろ一定のパルスとか拍の概念のない世界ですので伝える上においてはね。みたいな感じ。

 あとそうだ。昔のNHKの電子スタジオにまだユルいスロープのフィルターしかなかった時の苦労話とかも聞けてこれも面白かったですね。6db/octとかの世界なんですかね。であったとしたらコレはヤキモキしますよ。

 マともかくあのスタジオ内で音と格闘した人たちが居たんだなっていうのがよくわかりました。ユルいフィルターで当該箇所のみを切り出すにはどうするかっていう具体的な手法なんですが、気が遠くなりそうです。「5回までなら何度も(録音したテープの音素材を)フィルターを通して(むりやり意図する音に削っていって)もギリギリ使えるね」。みたいな感じらしいです。SN的に言ってね。思うに音がモロモロになりそうですけどね。逆にそういうのが好きな人もいますけどね。私とかね。しかもメディアは当時の磁気テープですからね。

 そういうプロセスがあったから当時の録音っていうのはスゴいもう手アカとか技術者の汗と涙っていうか。音の味わいがかなり違うんでしょうね。初期の電子音楽ね。今のが悪いかっていうのとはまたちょっと違うんですけど。いずれにしろアタマが下がります。「フィルターが切れなきゃヤダ」とか「どうにでもできる強力なパライコが欲しい」とか言ってる場合じゃありません。あるものをありがたくの精神ですよ。