以上で「ゆびなめキャット」のお話は終了です。
お疲れ様でした。
ありがとうございます。
以下に雑感を述べたいと思います。
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まずはアパートの屋根。瓦(かわら)の描写ですね。
ふだんのイラストのお仕事では、時間的な都合もあって描きこめないケースがほとんど。テマがかかりますからね。
それでいつも残念に思うんですが、今回はそれなりに追求できました。
これが楽しかった。
ちょっと慣れましたよ。やっぱりとにかく描いてみないコトにはダメですね。
それと古い木造アパートを描くのが楽しかったです。
マンガで描いたアパートは、あくまで私の記憶にある千駄ヶ谷の私が住んでいた建物を思い出して描きましたが、それとは別に、ネットで同じような年代の木造モルタルなアパートなども調べてみました。実在のアパート。
やっぱりそれが良くってですね。
たまらなくイイですよ。
大家さんの「アレもしたい」「コレも必要」みたいな意向を盛り込んでいったらワケがわからなくなった感じの物件が特にイイです。
ただし、ネットで記事を見るに、文章が添えられているワケですが、「古いアパートの取り壊しを行いました…その工事の記録です…」なんてコトが書かれていて、「あぁ、解体時に撮影した写真なのかぁ。やっぱりもう今の時代からは無くなっていく建築だよね………」なんて思ったり。
ですが私が個人的にマンガの中に建立する分には何の問題もありませんので、ちょっと私のワールドの中では描いていきたいですね。古いアパート。
かなりゴテゴテしたやつを3Dモデルで作って上下左右の任意の角度から見た場合にも容易な作画が可能、みたいにしてみたいです。それぐらい変に複雑な構造。パソコンのパワーを借りた方が良いやつですね。まだこれは思ってるだけですけど。
さらに付随する周辺環境として古いマンションなんかも調べてみたんですがこっちもイイ。
今回のマンガにも少しだけ描き添えてみました。古いビル。
資料としてはもう少し集めた方が良いな、と感じています。これが楽しいんですけどね。
ですが別に今の建築が嫌いってワケではありませんので、いろいろ混じった変な町が良いかなって思っているんですけど。
以前に音楽関係のお友達から私が聞いたエピソードとして、同じアパートにシンセで音楽を作っている若い男性ふたりが入居していて、当時はカセットテープに多重録音なんですが、都合良くなのか2階と1階に住んでいたらしくて、ちょっと作ったテープを2階からヒモで吊るして受け渡して、下の人がそれにかぶせて音楽として仕上げていくという、そんな工程を経て出来たテープを買ったんだったか、聞いたんだったか忘れましたけど、そんな人たちがいたそうです。
今の世ですとネットを介して世界規模でしかも瞬時にやり取りできますけど、こっちは極小サイズの世界ですよね。「お〜い。いる〜?」みたいな感じだったのか知りませんけど。まぁホノボノしています。
確か聞いた話ですと片方の人がプロフェット600を使っていたとか。ノイズジェネレータを後付けする改造を済ませた感じの。これが当時は珍しくなかったって話なんですが、私はシーケンシャル・サーキット社の製品って触ったコトすらありませんのでわかりません。
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マンガ作成についての雑感に戻します。
キャットさんの描写について。
もしかしたら読んでくれた人の中にはネコ好きの立場から、「実際どんなガラであったり、年齢、オスっぽかったのかメスっぽかったのか」などを気にされていたりするかもしれません。
不明です。
私はすごく視力が弱くてメガネがないと全てがボンヤリとしか見えないので、キャット氏の詳細は全部が想像です。
そのぶん好き放題に描きました。これも楽しかったです。
ネコに足の指をなめられた感覚は、今でもまだ残っています。
おどろきました。
ザラっとしていて、スースーしました。
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次に、私自身の描写ですね。
主役がネコなので、私の方はネズミっぽくしました。
髪の毛の感じは、昭和のネズミ・キャラクター「トッポ・ジージョ」くんを参考にしました。
就寝中ということで“寝グセ”の感じをがんばって描いてみました。
楽しくできたんですが、後半については「シッポ」の存在を私が忘れてしまったので、シッポが無くなっちゃっています。ネズミなのに。
見返してみて、ようやく気づきました。もうしわけないです。
あと、私がキャット氏と対面した時のようすですけど、動物ならではの無表情で物怖じしてない感じね。
別段、ビクッともしてませんでした。
キモの座ったネコ。
淡々としてプイっと帰って行きました。
ふしぎで、面白い体験。
どこからあのネコは来たのか。
それと最大のナゾは、なぜ私の部屋にピンポイントに訪れたかですよね。
全然わからない。
すごくふしぎ。
いくら考えてもわからないですね。
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あと最後にスケボーのタイヤ(ウィール)が回っている感じですが。
むしろ“風”を感じたんですよね。
ゴーゴーとウィールが回って、風を起こしているような。
「なんか涼しいぞ」っていう。
常識的にはありえないんですけど。
しかしアレについては単に私が寝ボケていただけだと考えています。