本日はエスケリータさんの音楽に耳を傾けました。
アメリカのピアノを弾き鳴らしながら歌うロックンローラーです。ちょっとリズム&ブルース寄りなのかな。曲によってはジャンプ・ブルースっぽくもあるのか、なんて思いましたが。そう思って聞くと、ちょっとしわがれた声質は吾妻光良さんに似ている部分もあるのか、なんて思ったんですが。
NHK・FMの「世界の快適音楽」の先々週になりますでしょうか。番組内で流れました。
かかった曲は「エスケリータ・アンド・ザ・ヴゥーラ」でした。怪曲ですね。番組内でのゴンチチ・コメントにもありましたが、エスケリータ氏の声がまるで器楽的に響く曲。私の印象としてはアフロ・キューバンなバンドにクララ・ロックモアがテルミンで参加して気持ちよく演奏しているような感じです。
なんて具合に、もっともらしいコトをツラツラ書きましたが、実は私はこの音源。相当な昔に手に入れていたのですが、ほとんど聞いていなかった盤です。
「世界の快適音楽」で耳にしたのがきっかけになって聞き返してみました。
そしたらまぁ、かなり良くて。印象がまるで違ってしまいました。
そもそもは雑誌クロスビートかなんかの別冊ディスク・ガイド的な本を読んでいて発見したんですよね。
もう記憶がアヤフヤですけど「相当な奇人だ」みたいな記述だったと思います。まだ私が20代の頃だったと思うんですけど。つまり「奇人」っていう部分に飛びついたワケです。そういう人。私は嫌いになれないんですよね。
ところが聞いてみたら案外地味で。それでほとんど聞かずに今日のこの日まで死蔵していたと。
当時の私は、G.B.Hとかイギー・ストゥージス、モーターヘッドといったハゲしい音楽を本当に文字通り1日中くり返し聴いてるような、しかも私の場合、部屋で仕事してますから、ダレも止める人がいない。異常なリスニング体験が連日続くんですね。間断なく。クチをきくのは銭湯に行って番台のオバちゃんにあいさつする時のみ。1ヶ月合計してもヒトとの会話が1分に満たないなんてコトも珍しくないというエクストリームな人生。つまり世の常識から乖離したちょっとアタマのおかしい人でしたから、エスケレータ氏の充分にパワフルなボーカルが全然お耳に響かなかったのですね。いやはや。こうして振り返るとよく突発的な犯罪等に手を染めなかったものだと背筋が冷たくなるような思いです。ギリギリセーフですよ。
ま、私の若いコロのヒドい生活はともかく、四半世紀ほどの時間を経て、エスケリータ氏の本来の魅力を発見できて良かったです。
ところで番組を聞いていて驚いたんですが、「エスケレータ氏が、リトル・リチャード氏に影響を与えた」っていうくだりですね。はじめて知りました。もうビックリ。てっきり逆だと思ってました。
ネットで調べてみても、みなさん一様に同様なコトをおっしゃってます。うわー。そうなんだ。ずっと間違えてました。
逆に「奇人だ」みたいな記述の方は見かけません。おっかしいですね…。まぁ当時の私の心理状態をオモンパカるに、読み間違えちゃったのかな? …っていう気がしているのです。