犬パトカー「ねこちゃんのうしろがわ」

pull-up-a-bike

 以下の長文はすべてラジオ日記です。NHK第1「すっぴん!」を聞きました。

 水曜日パーソナリティーのダイアモンド✡ユカイ氏所有の盤からローリング・ストーンズ「シーズ・ア・レインボウ」を聞きました。モノラル・ミックスだとおっしゃってたかもしれません。

 近年、様々な名盤がモノラルで再発されることも多いようです。私個人はあまりミキシングだったり音質にこだわりはないのですけど、いろんな視点から名盤を見つめ直せるのは良い点ではないでしょうか。
 もちろんストゥージスの「ロウ・パワー」くらいミキシングで印象が激変すれば別なんですけど、基本的にはポータブル・ラジオで聞いても伝わるかっこいい曲が私にとっての名曲です。

 「ユカイな江戸暮らし」のコーナーで江戸時代の「年越し」について学びました。お正月のおモチに、当時の江戸の人たちが寄せていた熱い情熱について学びました。これが大変に面白くて印象に残るお話でした。

 本日のゲストは、ジャズバイオリニストの寺井尚子さんでした。生演奏があったのですけどこれが大変に素晴らしかったです。「枯葉」のスリリングで美しいコトといったらありませんでした。

 私が長年温めている疑問に「ジャズ・ミュージシャンはなぜ「枯葉」とか「茶色の小瓶」を手放さないのか?」というモノがあります。私にとってはどう聞いても駄曲なんですよね。少なくとも何十年も引っ張る曲じゃないと思います。もしかしたらジャズ・ミュージシャンの曲に対する審美眼はゼロなんじゃないかとすら疑っています。
 ジャズは即興が身上とはいえ、土台になる曲そのものがとっくに腐ってるワケで、技巧を凝らしたワザをいくら乗せようともあえてソレを客前に出す神経はどうかしているんじゃないかと常々思っているんですが、本日の寺井さんの演奏は素晴らしく新鮮でした。伴奏のピアニストの北島直樹さんのバックアップも非常に繊細で緻密。ダイナミックなアレンジ。素晴らしかったです。ちょっと宇宙が見えました。

 生演奏としては他にも、放送中にリクエストされた「ドナ・リー」に即座に応じてみせるという局面もありました。これがまたベラボウに素晴らしかったです。
 「ドナ・リー」という曲はロック畑でいうとジャコ・パストリアスさんにカブれたベーシストがスキさえあれば弾きたがる迷惑な曲としても知られているんですが、達者な方が弾くとココまで素晴らしいのだと感激しました。

 私にとってはマイナス・イメージ大なふたつの曲の印象を完全に払拭してくれた本日の生演奏にとてもとても感謝です。修練を重ねた挑戦心に溢れるプレーヤーって本当に素晴らしいです。ああいう人たちは常に限界を目指しているのだと大きな感銘を受けました。ガーゼのアルバムでいう「限界は何処だ」ですよ。

 番組で最後にかかった曲は遠藤賢司さんの「ラーメン・ライスで乾杯」でした。非常に良い曲でした。遠藤さんのボーカルと、歌において表現されたココロイキが素晴らしかったです。遠藤さんがまだ生きてるみたいで、エンケンさんそのものだと感じました。
 今年の年末には同じくNHKラジオ第1で、大友良英さんによる遠藤さんの音楽の特集が予定されておりますので忘れずに聞こうと思います。