NHKラジオ第1「すっぴん!」を聞きました。
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの「プラウド・メアリー」がかかりました。
アナログレコードのプレーヤー生産を復活させた音響機器メーカーの女性役員の方がご出演。思いの外、感動的なインタビューでした。
単に昔の機構を再生産したというのではなくてモーターなども見直し、制御はデジタルで、という風に今後の陳腐化を防ぐ意欲的な中身なのだと知りました。
同時に先の生産中止の際は、音響部門自体が(たぶんプロ音響に近い専門的な部所であるのだと思うんですが)会社組織の中から消滅したという思い切った改変だったのだと知りました。
音楽ファンの誰しもが当時「なぜ業界スタンダードな製品の生産をやめてしまうのか」と感じたと思うんですが会社は会社で相当なことがあったんですね…。これはきっと。
しかし一度サラ地になった後の新規立ち上げがうまく作用すると良いと思います。
役員の方は驚いたことに現役のジャズ・ピアニストで欧米の批評家からも評価されるレベルなのだということでした。そういう耳を持った人がメーカーにいるというのは願っても無いことですが、お話の中で現場の他の方達も積極的な音楽ファンであるという様子がうかがえてうれしかったです。しかし相当に高精度なスペアナ等で見てこのディップをなんとかフラットにしたいんだよみたいな精密な作業は仕事じゃないとできないでしょうね…。非常に骨が折れると思います。しかも最終的には芸術的に鳴ってほしいという想いを反映させたいワケで感性をも問われる仕事だと思いました。
印象的だったのは赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいるときに聞いた音や音楽の影響について語られた部分でした。理屈抜きで感動があふれ出てくる音楽って幼い時の体験が作用するのではないかというお話だたと思います。胎盤全体から音に包まれた経験っていうんですかね。
唐突に私自身のお話になりますけど、私が人によっては不快でしかないようなハードコアパンクのギター・リフに執着が深いのも幼少期の生育環境に起源があるのではと考えておりまして、ちょっとベクトルは違うのかもしれませんけど上に書いたお話というのはうなづけるものでした。たぶん私は死ぬまでメカニカルで汚く歪んだギターのリフというものを愛していくでしょう。
ともあれ音や音楽に対してのいろんな記憶や想いまでも大切にされている方がメーカーにいて仕事をされているのだと知れてうれしく、そしてまた感動的であったという次第なのです。