【マンガ】ぴょんぴょこキツネちゃん

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 本日のお昼前のNHK・AMラジオでもまた興味深い音楽が聴けて感謝しました。選曲者は中原昌也さんでした。

 パブリック・エネミーの「Don’t Believe the Hype」とキャブスの「Seconds too Late」がかかりました。
 とくに「Seconds too Late」はホレボレするほどカッチョ良かったですね。

 しかし最大の注目はSchoolly-Dとおっしゃる方の「P.S.K.(What Does It Mean)」でした。
 まったく初めて聞きました。
 85年の作ということですが当時はよく耳にした感じの休符が多いリズム。なんかやたらとリバーブが深いアレンジでした。中原さんは「銭湯で録ったみたい」なんておっしゃっていましたが。

 私なりに当時を振り返ってみるとリズムはスカスカでも要所要所にハイピッチなスネア連打が駆け上がったり、押しの強いブラスの長音が配されたりしてコラージュ感覚が単調さを救うみたいな構造であったように思うんですけど、ひたすらスカスカ。
 それじゃあんまりだってことなのか分かりませんけどモンヤリしたリバーブでつないだ感じでしたでしょうか。
 これはクセになります。
 なんだかひたすらバカな音楽のようにも聞こえますけど録音していた中に冷静な人が少数混じっててちょっと口を出したりしたんじゃないかって思いました。
 結局は数時間のセッションでしょうからペロッと録ってスコンとああいう曲ができるとも思えないんですよね。

 私は個人的にモンヤリしたリバーブは大好きで。
 単にクリアな音質のリバーブが嫌いなだけって感じもしますけど。
 ソフト・セルっていうイギリスのバンドの「エロティック・キャバレー」が売れた後に出した「エクスタティック・ダンシング」をきいたらリバーブがキレイなものになってしまっていて「ちょっと売れたらすぐにこうなっちゃうんだな」と残念に思いました。
 近年に出た自宅録音のデモを聞いたらさらに音質が悪くてコントンとしておりまして「俺が好きなのはやっぱりこれだ」って思いを強くしたんですが。

 ここから再びヒップホップ的なおハナシに戻るんですが。といっても私はヒップホップって全然詳しくないです。
 じゃ何かって言うと最近ネットの動画サイトで「Smersh」っていうちょっとぶっそうな名前のバンドを知りました。

 どうも総体としてはノイズ音楽を指向した人たちのようなんですが、「She is Nervous」っていう曲がかっこよくて。

 リズムとしてはヒップホップなんですけど、その上に悪意マンマンっていう感じに聞こえるボーカルがかぶさるという曲です。
 日本という国はなぜかパンクロックみたいな悪意混じりの音楽さえも「がんばってれば良いコトあるぜ」みたいなシゴクマットーな思想に置き換わってしまいがちですんで注意が必要なお国柄なんですが話がソれましたね。
 で、「She is Nervous」なんですけど、作られたのはどうやら1983年らしいというのが大変に興味深くて。そんな時期にすでにヒップホップを換骨奪胎と申しますか批評的視座の獲得というと言い過ぎかもしれませんが。いずれにしろ相当に珍しい存在だったんじゃないかなと思いました。

 しかしずいぶん古い話ですから私の記憶もアイマイです。動画サイトで83年頃のヒップホップを改めて色々と聞いてみました。
 まず感じたのが映画「ワイルド・スタイル」の頃からあんまり時間が経ってないってことですよね。
 なんだか今よりもブレイクダンスと密接だったなって感じです。そのせいか服装が総じてスポーティーでダボダボしてたりジャラジャラしてない。
 ジェームス・ブラウン若い。ファット・ボーイズ懐かしい。ビースティー・ボーイズは1発目からかっこよかったんだなっていう。

 そんな感じで懐かしくはありましたが本日のリサーチの主眼である本流から相当離れた試みの存在をうかがわせる気配などは見つけられませんでした。
 まだまだ「新しい音楽!」って感じが濃厚にしていたコロですもんねぇ。
 むしろ「She is Nervous」が本当に83年なのかっていぶかしがる私も正直いないコトもないんですよね。
 まぁこのかいわいに無知な私ですのでいずれ非常に手さぐりなんですが、調査は継続していこうと思います。
 知らない曲を探して聞くというのはとても楽しいことですしね。