お仕事の副読本イラストですが、下書きラフにようやく取りかかることができました。
かわいらしいおかっぱの女の子が描けたので気を良くしています。
このイキオイを借りて次はかっぽう着のお母さんに取りくむつもりです。
これらは昭和初期の生活を描いたイラストの1部分です。
だいたい私が受け持ってきたこの手の「むかしの生活」のイラストでは3世代の家庭を取り上げることで生活様式の移り変わりを表現することが多かったのですが、最近はそれだけでは追いつかなくなってきたのか、4世代にわたる歴史をふまえたものに変わってきたようです。
確かに今現在の小学生中学年といえば下手したら私の世代がおじいちゃんおばあちゃんでもおかしくないですからね。ちょっと早いですけど。
しかし副読本は数年間は使いますので今後のことを考えるとあって当然の配慮と言えるようです。
私はこの副読本のお仕事というのは、思い起こすとまだデザイン会社のグラフィックデザイナーだった頃の業務として担当したのが始まりで、かれこれ30年も手がけていることになります。
これくらいやっていると社会もずいぶん変わってきて、必要とされるイラストも移り変わっていきますね。
しかし一番の衝撃だったのは、「学校に侵入してきた不審者に先生が“さすまた”を持って対応して、生徒は逃げる」っていう原稿が入ってきた時ですね。
おそらく関西で起きた事件を反映するものでしたのでこれももう10数年前のことですか。
その原稿を手にした時はドッキリしました。「ついにココまで来たか」と。
ですが当ブログをご覧の方はたやすく想像がつくかもしれません。私が描くと不審者もちょっとかわいらしくなってしまいます。ですんでイラスト全体のトーンとしては重くはならないんですけど。
と申しますか、私の場合、「悪い人を描けない」っていうのが本当のトコロです。これはこれでコマったことなんですよね。
それどころか気をぬくと全員がかわいらしい人たちになってしまいます。
当ブログで描いているマンガはそのへんを打破する意味あいもありまして、なるべく個々人がバリエーション豊かな群像であるようにとココロがけているんですが、まだまだツケヤキバな状態で苦慮しているといったトコロなんですね。
でもあきらめずにがんばっていれば良いコトもあるかもしれません。
「イイことある気がすんだろ。だからバカなマネだけはすんなよ」とは日本のヒップホップチームである「サ上とロ吉」の詩の一節ですが、そのとおりだと思います。前向きにいきたいものです。