2024年10月19日
【エフェクター環境の進捗メモ(ギターシンセ編)】
かなり久しぶりになってしまいました。
エレキギターを弾く自分にもう一度なりたいなと思って続けております活動の記録です。
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今回はギターシンセサイザーを買いました(以下、“ギターシンセ”と略します)。けっこう苦労しました。金銭的な努力におきまして。
本題に入りますけど、私はすでに小さなギターシンセも購入済みです。
大きい方と、小さい方。カテゴリーとしては同じ「ギターセンセ」ですけど、音が鳴る仕組みと持ち味がそれぞれ違います。
(一目瞭然ですが、下の方が「小さいギターシンセ」です)
音の傾向から大ざっぱに申しますと「大きい方は、守備範囲が広く、いろんな音を出せる」。「小さい方は、かなりキャラが立っているが、限られた一部の音しか出せない」という感じです。
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続いて、音を出す方式についてです。
私の「独自解釈」であることをご了承のうえ読んでいただけますと幸いです。
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小さなギターシンセは「ギターの音自体」を「加工」するタイプです。今売られているギターシンセとしては「多いタイプ」です。
ギター本来の「ピーン」っていう音をシンセっぽくする方式。
おそらく内部で倍音を足してノコギリ波だったりの「いかにもシンセな波形」に近い音に整えている。さらにフィルターであるとかLFO信号で変調をかけるだの、これまたいかにもシンセな音作りをしているのだと想像してますけど、私自身、詳しくはないです。
多くはモノフォニック発音であり、単音しか出ません。和音が出ない機種が多いのです。和音が出るやつも別に珍しくはないんですけど。
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大きい方は、こちらも完全に理解しているわけではないですけど、ギターの「どの弦が振動しているか」を「検知」してシンセサイザーを鳴らすタイプです。
「エフェクター」っていうよりも「モロにシンセサイザー」であって、「ギターの演奏情報を受信できるシンセサイザー」っていう表現の方がぴったりくるかもしれません。ギターは単なる入力装置という位置付けになります。
専用のMIDIピックアップをギターに装着させる必要があります。
下のお写真がその「MIDIピックアップ(とコネクター部分)」です。
ギターに張られた6本の弦振動の全てを捉えますので6和音が出せます。
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以上のような感じでありまして、両者の違いについてご理解いただけましたでしょうか。いまいちわかりにくかったらごめんなさい。
お店での“売られ方”としては「(全部まとめて)ギターシンセです!」みたいな感じであって発音形式の違いについては言及されていないのが現状です。それぞれの方式の違いをわかりやすく表現する呼ばれ方というのも確立されていませんので気にする必要もないのかもしれません。
私はこれまでの人生において「細かいシンセサイザーの発音方式の違いについてこだわり、胸をときめかせ、そうこうしてるうちに人生の大部分を棒に振ってきた人間」ですので、そういった私からすると何かモヤモヤします。
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以下の文章はさらに踏み込みまして、今回導入した大きい方。青いギターシンセについて、私なりの理解となります。
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私はこの種の(MIDIピックアップを介して音を出す)ギターシンセに興味はありませんでした。
ひとつには音源部です。
特に90年台以降でしたか、この種のギターシンセはPCM波形をトリガーするプレイバックサンプラーという形態でございまして。私は積極的にシンセサイズしたいので、使いたいとは思えませんでした。
私は“自作音色”にこだわるタイプです。フレーズと音色は不可分だと思っておりまして、自分が細部まで責任持てる音色じゃないと確信も持てませんし居心地が悪いのです。
加えてパンクロック好きの人間としてはDIY精神っていうか、ちゃんとした既製品よりもちょっとイケてなくても自作の方が素晴らしいっていう価値観。これもすごくあります。良いことばかりじゃなくて、時にはっていうか、だいたいいつもやっかいな価値観ですけど。
ブラスやストリングスやエレピ、アコピといったむしろこういう音じゃないと困るみたいな音色は別としまして。
あとはレイテンシーの問題です。
弾いた瞬間に音は出なくて、ちょっと遅れて音が出るという。楽器としては当然キビしい。
最後にギター上における設置場所の問題です。私が使っているギターはボディ面積が小さくて、専用ピックアップのコネクター部分を載せる余裕がありません。
以上の3点からコレはダメだと思っていました。
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数年前に公開されたMIDI 2.0の仕様書を眺めた際に気づいたのですが、6チャンネルのディバイド・ピックアップに供する便宜に大きく開かれていたのです。
「これは次のGKピックアップはスゴいかもしれない」と直感しました。
(上のお写真がつまり現状における最新のGKピックアップでございます。旧来より横に6列になっているスリットがギターの6弦それぞれに対応するといった作りは踏襲されていますが、見た目としてはちょっとずつ違ってきているようです)
思うに昨今のピッチ解析技術の発展であったり、MIDI 2.0の策定という両サイドが組み合わさったことで私も欲しいと思える機械が発売になったのだろうと思います。
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機能の全貌をBoss社のサイトで読んで驚いたんですが、私の想像を超えていました。
まずはピックアップからの信号を伝達するコネクタ部分のパーツが小さくなりましたので私のギターにも取り付けられます。
見た目はなんかモッサリしちゃって従来からの変に未来的なローランドらしいサイバー感っていうか高校生以上の年代は付けるに躊躇があるみたいな独特なセンスから変化してるんですけど。
(右の「古い方」の画像はネット上からお借りしてきました。私は所有してないです。と言いますか実物を肉眼で見たことすらありません。本当に興味がなかったのです)
音の遅延に関しては以前のアナログ・シリアル方式からデジタル・シリアル方式になって短縮。遅延をゼロにするのは難しいんでしょうけど、すでにお使いになっている方の声を見るに、以前よりはかなりマシって感じだそうです。
音源部については最近のよくあるシンセサイザーで出せる音のほとんどが出せそうです。
私が好きなアナログシンセっぽい音も出ます。
ここまでは良いのですが、音色を本体でフルエディットできない。通常の演奏に要する簡易的エディットであれば可能。みたいな感じ。ここは残念でした。
しかし別途お金を出してRoland社からパソコン用のソフトウェア・シンセを購入し、音作りをパソコンで行う。できた音色をUSBメモリを介して転送することでゼロから自作の音色であってもエレキギターで鳴らせることができるというのです。最近の事情に疎かった私にとっては目新しいシステムであって驚きました。
手続きは煩雑ですが、使う人によって全く違う環境を持てる柔軟性は素晴らしいと思います。気になるのは音色ロードに要する時間の多寡ですけど。
小さな箱に(別売りの)シンセサイザー数台(の音色)を収納できて容易に持ち運べるワケですから、どうこう申しましてもスゴいです。
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私の希望としては、別売り音源として同社の過去のデジタル音源、あるいは同社の近年の音源に含まれるFM音源とかウェイヴテーブル音源などを使えると最高なんですが、同じRoland社製であっても別系統の製品だったりして、私の希望を全てかなえるのは難しいのかもしれません。現状では。
別売りの音色環境については資金が足りず未導入です。
とはいえヴァーチャル・アナログであるとかPCM波形を使ったシンセサイズであればフルエディットの上、ギターで鳴らせるのですから夢のような状況。
パラメーター構成としては素直な感想として、わりとシンプル。しかしLFOの波形のバリエーションであったり、任意のステップに異なる波形を持てるというステップLFOについては前向きに捉えています。素晴らしいと思います。
今までは「ああしたい、こうしたい」という希望があっても機能上の制約から諦めざるをえない場面が多かったのではと想像するんですが、今回私が導入したギターシンセであれば相当な無茶も可能。ギター本来のサウンドとは大きくかけ離れますが、楽器なんてあくまで楽曲を表現することが第一義であるわけですから正しいですよ。
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ついに比較的シンプルなシステムで。遅延に関する心配も少なく。思いのままのシンセサウンドをエレキギターで鳴らせる時代がやってきたのだと感じます。
しかしネットで見るギタリスト諸兄の反応を見るに、時代が大きく動いたみたいな反応は薄いような。
コトの重大さがイマイチわかってない風なんですよね。
Roland社の旗艦シンセと共通するシンセエンジンを軽々と持ち運び可能。それがなんとエレキギターの領域まで来た。前代未聞の出来事です。
がしかし私のようなズブの素人以下の門外漢がギタリスト様に真理をサトすなんておそれ多い。黙っておきましょう。