甲府星人帝国〔31〕

 前方にちょっとおかしな格好をしたヒトの子供くらいの背丈の人がいる。

 保険のおばちゃんはおかしいな、と思ったそうなんですが、「あらいやだ! 田中さんとの約束の時間!」みたいなことを思い出してそのまま車で通り過ぎた。

 腕時計を内側にして時刻を確かめるご婦人のポーズも最近は少なくなってきました。

 しかし保険のおばちゃん。心の中で引っかかるものがあり、後日、新聞等の報道でいわゆる「甲府事件」のことを知ると「私が見たのってもしかして宇宙人?」……と思うに至り、自らの目撃談をメディアに語るようになったのだとか。

 私が好きなポイントは「明らかに不審なものが目に映ったとしてもオトナはやっぱり仕事を優先しちゃうんだな」っていうことです。

 正常性バイアスっていうんでしょうかね。

 私はどちらかというと男の子ふたりが肩を叩かれたという本流のエピソードよりもこちらの「社会人が見た甲府星人」のエピソードのほうが好きです。

 この保険のおばちゃんが見た甲府星人には「目があった」そうです。

 私が今回の「甲府事件シリーズ」で図化した甲府星人はこちらの目撃例に沿ったものと言えるかなと思います。

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 保険のおばちゃんの愛車についても書いておきましょう。

 ダイハツっていう会社の「(初代)フェロー」ということにしました。私が勝手にそう仮定してイラストにしちゃったんですけど。

 私もけっこう年配の人間であるんですけど、印象に残っているのは2代目のフェローの方でして、初代フェローの方は覚えていません。

 もう圧倒的に2代目フェロー。こちらはたくさん見かけました。時代的に言っても甲府事件がおきた1975年には2代目フェローのほうが断然多かったと思うんですが、後述するシムカにちょっと似ていて憎めないなと思い初代にしました。

 フェローは軽自動車です。

 そんなワケで私にとっても新鮮な印象がある初代フェローなんですけど、かなり角ばった見た目ですね。

 古いフランス車の「シムカ1000」とかにちょっと似ている気がします。角目タイプの方です。

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 今日もお寺の作業を手伝おうかなと思い、自転車を走らせました。

 天気としては、くもりの1日でしたけど、こうして写真に撮ってみると雲の重なっている状態というのも美しいですね。

 撮影ポイントとしては、きのう掲載したお写真とほぼ同じです。

 今日は少し早めに出発しました。

 きのうは到着した頃には作業終了していて、午後の作業は中止だったのです。

 今日は20分くらい午前の作業を手伝えましたが、午後はきのうと同じく中止でしたのですぐに帰ってきました。少し汗をかけたので私としても良かったです。