テリアくん〔22〕

 このところずっと気温が高く、暑いです。水中で活動するカモノハシくんの生活がうらやましいです。

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 以下はラジオ日記です。

 「世界の快適音楽セレクション」。今日は湯浅学さんによる「音楽ってすばらしい」。特に題を定めないフリーな企画。

 ビル・ストーンさんのフィードバックを多用したエレキギターで構築した世界。過激というよりは幽玄。これは良かったですね。

 話は逸れますが、ネットの動画サイトで日本のロックバンドである裸のラリーズについて、当事者の方たちを交えてのお話、というのを視聴しました。フィードバックとか轟音とかのキーワードで語られる音楽性です。

 ギター・ボーカルの水谷さんの演奏のバックを務めるにあたってブッカーT・&ザMGズのような簡素な演奏が求められただか、非常に相性が良かっただかのくだりに感心しました。しかしうなずけるとしか言いようがありません。

 同じ動画内でパンクロックのバンドとして知られるスターリンのドラマーの人が大卒だと知って大変に裏切られたと感じました。知りませんでした。

 そういえばさらに脱線しますが、ニューロティカというバンドのボーカルの人と、アンジーというバンドのボーカルだった方との対談でもアンジーの水戸花さんが大卒だと知りましたが、こちらは特に衝撃はありませんでした。やっぱりご本人のキャラクターによりますね。G.D.フリッカーズのボーカルの人が大卒だと知って腹が立ちました。音楽性と合ってないですよね。ふざけてるのかなとも思いましたが、どうやら事実であるようでした。

 脱線しました。

 「文芸選評」も聞きました。短歌。兼題は「都会」だったと思います。

 笹さんがこのところ取り組んでいるという「シティ・ポップ短歌」についてのお話。なぜ今シティ・ポップであるのかという諧謔の点については特に触れられなかったように思います。

 それと私の敵であるジャズについての監視作業も欠かしませんでした。「ジャズ・トゥナイト」を聞きました。NHK・FM。ディジー・ガレスピーさんの業績について。

 モダン・ジャズというかビー・バップ。その起点にいた方であるんですが、それ以前のジャズの形も大事にした。そしてさらにラテン・ジャズにも手を伸ばした。南米への視線ですね。ガレスピー氏のそうした音楽は、ボサノバの成立に影響を及ぼしたという。広範囲にして深い功績。その割にはさほど評価されていないのでは。みたいな感じのことをジャズ側の人間である大友良英さんに教えていただきました。良かったです。

 個人的にはドラマーのケニー・クラークさんについて語られた部分がとても参考になりました。ビー・バップ成立にドラムの面から基礎を作ったみたいな。ミントン・ナントカ・ハウスっていうヒントでピントみたいなお店があって、そこでの演奏であったりあるいは出番前の楽屋であったり研鑽を積んだという。具体的にはアクセントの付け方の自由度を飛躍的に広げた。あるいはシンバルの多用。ということでした。

 このクラーク氏の演奏については前から気になっていて、60年代のローランド・カーク氏との仕事ですね。これが素晴らしい。非常に簡素なドラムキットでスネア中心のフレーズなんですが、すごくイイ。しかしアクセントの自在な移動、メリハリという点から聞くとバスドラムトの併用、さらに解説の動画を見たらフロアタム。これがミュートを入れていたりして非常に高度であって勉強になりましたけど、あとやっぱりシンバルは常時鳴っているっていう感じではあるんですがこの4点くらいですか。風通しの良いドラムキットですよ。なんですがこと打楽器っていうと打点とアクセント。この組み合わせというのはすごく可能性があるんだなと感じました。