TROMS〔b09〕グレート・ザ・防潮堤

 きのう掲載したお写真にもチラッと写っていますけど、堤防というか防潮堤というか防波堤のお話です。

草ボウボウの海岸に降り立った地点から見上げた堤防の姿です

 富士市から沼津市までつながっている長い堤防です。20kmあります。

 高さもかなりあって「日本一の堤防」とする向きもあるようです(後述)。

 構造的には上のイラストの通りでありまして、2段になっています。平らな部分はどちらも自動車が通れるくらいの幅があります。特に下の方は車がすれ違えるくらいの幅があると思います。場所により少し狭くなっているかもしれません。

 そんな感じですから基底部の幅はおそらく数十メートルの規模です。

 自動車で進入できるようになっていますけど、あくまで堤防の管理用の道でありまして。少し行くとチェーンで通行止めになっています。長くは走れません。自転車、あるいは徒歩。ランニングであれば通り抜け可能です。

 この道が私は好きです。前にチラッと書きましたけど井上陽水さんの「つめたい部屋の世界地図」っていう曲がよみがえってきます。「ピポー」っていうアナログシンセの音色なんですけど井上さんの若い頃の際立った声質には伸びやかなアナログシンセの音色が合うんだなと。そんな感想を持ちます。

 堤防の高さについてですが、富士市の領域においては海抜17メートル。

 沼津市ではもうちょっと低くなっているようですが、数メートルの違いです。この写真に写っている地点というのは富士市か沼津市か曖昧というか中間ですので、もう沼津市の高さに沿っているかもしれません。

 50センチの幅のコンクリートで覆ってあると市の発行物には記載されていました。時折補修工事をしていて強度を保持しているようです。

 この堤防はかなり古い構造物です。

 昭和30年代のものですね。

 経済的に余裕があった時期に作っておいてよかったのではと私個人は思っています。こんな長大なものはイキオイがないとムリですよね。

 ところが私が生まれた昭和41年の台風で富士市に被害が発生しまして。堤防を乗り越えて家というか集落が押し流されまして。

堤防の崩壊の様子を伝える当時の「広報ふじ」です。瓦解しておりますね。
合併直前の広報誌ですので誌名としては「よしわら」となっております。
非常に深刻な被害であったことがわかります。

 追加の対策として堤防のかさ上げが行われました。

 富士市だけ堤防の高さが沼津よりもちょっと高いというのは、おそらくこの追加工事に由来するのでは、と思います。

堤防の内陸側の姿です。こちらには人が歩けそうな段が設けてあります。
松の林がずっと続いているんですが、いわゆる「千本松」と呼ばれるもの。歌人 若山牧水が愛したっていうアレです。厳密には沼津の領域の呼称だと思うんですが連続しておりますのでマ、いいかなっていう。

 ご当地アイドルである「3776(みななろ)」の動画においても、この堤防のようすを見ることができます。殺風景なだけでなく女子分も欲しいじゃないか、という方は見てみてください。

 「【踊ってみた】Beethoven: Symphony No. 7, 4th movement – ベートーヴェン:交響曲第7番第4楽章 」という動画です。

 ベートーベンの交響曲に合わせて踊るという意欲的な内容。かなりアレンジされておりまして、興味深いと思います。明るい気持ちになれますよ。

 たくさんある3776動画ですが、他の富士市や富士宮市の良い場所が網羅されておりますので当地の紹介にはうってつけです。

 興味のある方は参照してください。

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 この日、去る5月30日ですが、気温は高かったですけど湿気は比較的低くて、お昼すぎであるにもかかわらず富士山が見えました。

 せっかくですのでお写真を数葉ご紹介して本日は終了といたします。ありがとうございました。

 年に数日、5月の末から6月初頭にかけてこんな日があります。富士山がお昼に見えてうれしいっていうのと、それと湿気が少なくて爽やかだっていう二重の喜びですね。

元吉原の区域、高台になっているところからの富士山です
柏原からの帰路。海岸から北上した感じ。住所的には富士市三新田のあたりからの富士山です
上のお写真と同じ場所からの別ショットです。これはかなり色調整しましたよ。アナログ製版的に申しますと赤を洗った感じ。
元吉原の高台よりの製紙工場の姿です。奥の山は愛鷹山(あしたかやま)です。