イヌくん〔27〕

 午前に会議に参加しました。町内会のお仕事。町内に残存する私道を市に移管したいという活動。内容としては今後の活動方針など。

 4カ所あるんですけど新年度が始まる頃には1カ所を市に移す準備ができそうかな……。というところまで来ました。

 他の3カ所はどれも難しい問題が残っています。

 これまでの町内会の歩みを見ると1980年代中盤までは公会堂の建設という目標があって、他のことに取り組む余裕はなかったように見えるんですが、しかしその建設が終わった後にでも、この私道問題に手をつけておけば良かったのになと思います。こういう土地の権利にかかわることは時間が経てば経つほど良くないですね。当時のことを知る人によると私道問題はもう残っていないと思われていたというのですけど。

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 ラジオ日記です。いずれもNHK・FM。

 「吹奏楽のひびき」。この前の「ホルン」の特集に関連するのかわかりませんが、今日は「ティンパニ」。NHK交響楽団の首席ティンパニ奏者でありまた多くの学生さんを指導しているというおよそこうした番組においては適任中の適任であると思われる久保昌一さんがゲスト。えらく実践的な心得であったりを披露。要約するとその曲ごとの方向性を理解し、客席にどう届くまで計算して演奏しなさいということでした。

 選曲としてはまずはじめに「交響的断章」ヴァーツラフ・ネリベル作曲・指揮のもの。なんでも久保さん自身が最初はうまく叩けなかった難しい曲であるそうで、それがなぜうまくできなかったのかの解説など、こちらもまた非常に実践的でした。私はそんなもんなのかとただ感心するばかりでしたが。

 番組ホストの下野竜也さんと久保昌一さんは同郷で、ダブってはいないが同じジュニア楽団に所属していたという来歴おありだということでその辺の楽しいお話も聞けました。しかし喋り方においてはもう鹿児島訛りはないので雰囲気的にはごく普通。訛りを全開にしてしまうと番組を聴いている人には何を言っているのかわからないという問題もあるのかもしれません。

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 「現代の音楽」。東京シンフォニエッタの去年の演奏会の様子。3曲がかかりました。

 作曲の西村朗さんと、東京シンフォニエッタの板倉康明さんが演奏について解説していく第2週でした。金子仁美さんの作曲に関する所感が面白かったです。いわく「曲にしろ人格にしろ、強い」ということでした。この“強さ”については私も感じていたのでやっぱりそうなのかと腑に落ちましたが、人格であったり、自作を演奏してもらうにあたってのディスカッションの場においてもその強さは発揮されるという部分についてはやはりこれは関係者にしかわからないわけで。「なるほどねぇ」なんて思いました。

 それとさきほどの「ティンパニ」についての話ではないですけど作曲者にとっての打楽器の音色についての言及もあった興味深かったです。西村さんいわく「曲を決定づける作用がある」とのことで確かにその通りなんですが、打楽器の人の背負わされている責任の大きさが私にも理解できるような話の運びだったと思います。

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 「名演奏ライブラリー」。オンドマルトノが活躍する曲を聞きました。

 今日はアンドレ・ジョリヴェさんの自作自演集でした。満津岡(まつおか)信育さんが構成と解説を担当する番組。

 まず1曲目から良くて驚きました。「五つの典礼舞曲」から「英雄の踊り」「婚礼の踊り」を聞きました。

 その次に「オンド・マルトノ協奏曲」でした。オンド・マルトノの利点である長大なポルタメントを活用した伸びやかな歌い回し。非常にスペーシーでして大興奮。とても良いものを聞けました。私はなんとなく子供の頃に聞いたジェリー・ゴールドスミスさんの映画音楽などを連想したりしました。その後、会議のために外出しました。

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 最後にきのうのくりかえしになるんですが「ジャズ・トゥナイト」。リー・モーガンさんの特集について。あんなに良いとは思っていなかったのでビックリしましたね。

 特集の趣旨としては「ジャズの巨人を振り返る」というシリーズ企画なんですけど、私としては「知らないジャズの世界をまずよく知ろう」くらいの気持ちでした。ギタリストであればもう少し興味があるんですけど、教養として知っておこうということですね。お名前だけなら存じておりますし。

 そしたらベラボーに良くてね。18歳でのデビューがリーダー作っていう破格の待遇ですけどまったく負けていなくて。音色も非常に最初から良くて。トランペットですから単音なんですけど厚みというか豊かさというか味わいに優れていて聞くのが楽しい。あとこれは作曲者の領分の功績ですけど確か最初に聴いた曲での後半に曲想が変化してラテンっぽくなるところはとても楽しかった。

 残りの人生、音楽さえあれば良いかなーなんて思えてきてしまいますね。ああいう良い音楽を聴けますと。

 番組の中ではリー・モーガンさんの意外な活動として60年代におけるアフリカ系アメリカ人の地位向上及びジャズの運動についても紹介していただきました。なんでもローランド・カークさんなんかと中心的に行っていたようです。放送局に直接乗り込んでいって「オレは大いに不満だね」みたいな抗議をしていたようで。もう非常にローランド・カークだなって思うんですけど要旨としては「もっとジャズを放送しろよ」というものであったみたいです。そんな活動にリー・モーガンさんも意を共にして活動していたということですので音を聞く感じの印象とはまたちょっと違うというか。モテモテの伊達男っていう存在でそれがたたったのか若くして射殺されたという人生だったと知りましたが、作風と人格はちょっと別っていうことなのかもしれませんけど、むしろああいう感じの音楽の人の意識にも当時は大いに共鳴するところ大だったのかなという、つまり意識の広がりの範囲の広さについて参考になるのかなとも思いました。