ジゴクに落ちた野郎ども〔05〕

 ひっくり返るクモ氏の姿に挑戦してみました。もう少し動きをつける余地があるかなと思います。

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 きのうも触れましたが、私の自作曲の件についてです。

 歌とギターのパートがまだできていなくて、完成するのはもっと先。あるいは完成しないまま廃棄か。

 どうなるかわかりませんけど、せっかくですのでカラオケの状態で、未完成の状態で、今日から1曲ずつ公開していこうと思います。

 本来なら出来上がっていないモノを公にするのは、おかしな話なんですけど、あまり見に来る人も多くない私のブログですから、ひっそりと好きな風にやろうと思います。

押し出し強しデメニギス

 曲のタイトルは「押し出し強しデメニギス」です。

 2分10秒ほどの曲。容量としては3.7MBくらいになると思います。

 ダウンロードしたい方はここをクリックしてください。音声プレーヤーのバーからダウンロードすることもできるようです。試してみると良いかもしれません。その他、各自の方法で保存してください。

 「デメニギス」というのは深海魚の名前です。そういう種類の魚がいるんですね。

 頭の上半分が透明になっていて、目玉が透けて見えるという、おどろくべき構造を持ったおトトちゃんですね。

 深さ400メートルから800メートルくらいのところで普段はのんびりしている魚だそうです。

 深海の場合、“明るさ”というのは上方からしか来ません。深さ1000メートルくらいまでの層で泳いで暮らしている魚は、その多くがひたすら上の方を見ているらしいのです。エサも上の方から降ってくるわけですので。

 デメニギス氏たちは「いつも上を見ているんならいっその事、頭を透明にしよう!」と思いついたんだかどうなんだか知りませんけど、そういった進化を遂げちゃったみたいなんですよね。

 細かい話をすると、エサを発見した後には目玉がグルッと動いてエサに照準を合わせてその方向へ向かっていくというコトなんですが。いやー。すごい。

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 今回、「地獄の世界」を私なりにイラストで描こうとしていて、地下の洞窟で暮らす虫たちを調べたんですけど、その次の段階として、同じく“深い”ところにいる住人たちですね。

 深海魚を調べていたら、どれも個性豊かで驚きました。

 その影響で、作った曲が深海を念頭に置いた曲ばかりになってしまいました。

 どれも個性たっぷりの生物で、目まぐるしいほどです。とりあえず曲の素材としては手当たり次第。あまり深く考えずにタイトルにして曲を量産しました。考えもなく起こした行動ですので、まだ(仮)の状態ではあります。変更の可能性はあります。

 しかし自分でそう思って曲を仕上げていくと、だんだんと曲がその魚のイメージに近づいていくような気がしてきてちょっと面白いです。

 最初は漠然と自分でイイなって思える2小節くらいのループを作るところから始まって、その後の展開ができたら、その曲はだいたい成功。タイトルをつけます。

 たいして良い展開ができなかったら20秒くらいの断片にして終わりにします。曲と曲の間に挟む短い音楽という扱いにします。

 実は、今回の連作をもとにしたライブ活動を考えています。カラオケをバックにギターの弾き語りですね。その時にSEとして使おうと。ま、私の場合、先のことはアテになりませんので、ソレはともかく。

 デメニギスのおかしくて、そして大変な存在感ですね。その辺をイメージしました。きみ、変わってるね!っていう。

 特に口笛みたいなのが鳴っていて手拍子が始まる部分が下らなくて面白いと思います。非常に気に入っています。

 コンピュータという文明の利器を使って、初老のイイ大人が作った曲がコレっていうね。そういうのが好きなんですけどね。私。

 制作環境についても触れておこうと思います。

 全部、ソフトウェアのシンセサイザーです。

 具体的にはコルグ社のガジェット2というソフトです。別売りのソフト・シンセも使っています。ゲーム・ミュージック向けのシンセがかなり楽しくて多用しました。この「デメニギス曲」では使っておりませんが。

 私、ゲーム全般ほとんどしないんですけどね。腹が立ってくるので。しかしレトロなゲームのシンセ音については別ですよ。イイよね。ああいう音。

 ソフト・シンセは非常に便利なんですが、音が良すぎるのが困った点です。

 ドラム音についても音圧がありすぎて、私っぽくないなと感じることもしばしば。すごく音が良く立っているんですよ。利点なんですけどね。普通は。

 たびたび触れておりますが、私は普段の生活としてネットの動画サイトでほとんどあえて聞く人がいないようなミクロな存在感の80年代のエレポップであるとかシンセポップの全ての若き野郎どもの音楽を見つけて聞くことがもっぱらなんですが、それらはどれも音が悪い。私にとってはしかし心地良いんですよね。そういう今からしてみれば劣悪な環境のもとに制作されたミもフタも無いポップミュージック。思い込みの激しい曲ですよね。もう私にはそういうのは作れなくなってしまったみたいですが。若さゆえなんですね。ああいうのってね。

 音質的な問題を解決するために、曲ができた後にひと手間加えることにしました。

 簡単な手法なんですが、波形編集ソフトで高域と低域を弱めて、かわりに中域を強めにするだけです。

 これだけでもずいぶんなじみが良くなります。劣化して聞こえるとも言えます。悪影響としては音のバランスが崩れてしまって意図しないほどに目立つパートが生まれてしまって驚いたりします。

 もし仮にこれらの楽曲を使ってライブをするとなったら大きな音を出せるスタジオで音量バランスを吟味する必要がありますね…。それは手間がかかりそうです。どうしましょうか。

 ともあれ以上のようなワケでして、今日から1週間程度、毎日、カラオケ状態の未完成曲を公開いたしますので、そういうのがお好きな方は楽しみにしていてください。今後またパッタリと曲ができない私に戻るかもしれませんので、めったに無いチャンスかもしれませんよ。