クアッカくん〔14〕

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 うしろをふりむくクアッカくんを描きました。

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 気温が高めの日が続くせいでしょうか。毎日が眠いです。
 きのうは9時に横になりラジオを聞きました。
 NHK・FM「クラシックの迷宮」。
 大変に良い企画でした。「12音技法生誕100周年」。シェーンベルクさんの作品をいろいろと聞けました。

 解説の片山さんによりますと、シェーンベルクさんの当時の心象もまた作曲に影響を及ぼしていたのであろうとのことでした。
 当時はとても奇異に受け取られたという作風ですね。

 心のありようが作品に影響を及ぼす。
 たしかにありえることですが、なんと、奥さんが若い画家と不倫関係に陥り出奔。
 最後には画家の青年の自殺で幕を終えたということでした。
 ビックリ。
 心のありようが、どうとかいうレベルじゃないですね。

 そしてまたその画家の人について調べてビックリ。
 いわゆる世紀末のウィーンの人なんですが、私は原画を目撃しております。
 リヒャルト・ゲルストルさん。
 私が見た絵は、腰にバスタオルみたいなものを巻いて上半身は裸。
 こちらを正面から見据えていて背景は濃紺というものでした。
 胸の上側というか首の下が紅色に灯っているような印象があったのですけど、改めてネットで参照できる絵を見てみると顔から下の部分はそっけなく描かれていました。
 私の記憶はアテになりませんね。
 かなり若い頃に見たんだと思いますけど。
 でも印象は深く私の中に残っていました。
 あれってダレの絵だったんだろうみたいなね。
 私はエゴン・シーレさんの絵が好きなんでウィーン世紀末の関連は割とよく見に行けていた方かと思いますけど、本命以外の印象的な存在。
 それがゲルストルさんであって、12音技法の成り立ちのソバにいたんですねぇ。彼は。いやはや。

 別に上野の美術館に行ったとかそういうんじゃないんですよ。確か。
 住んでいた新宿区内のお話で、要はデパートの上の方ですよね。

 私の当時の美術鑑賞のよくあるパターンとしては徹夜でイラストの仕事を仕上げて納品しに行って新宿に戻る。
 徹夜ハイの状態でデパートの1階入り口をめぐって、貼ってあるポスターを眺めて「これかな」と思った展覧会を見る。
 かなり行き当たりばったりでした。
 仕事から解放されて、ちょっと眠いんだけどまだ頭はポッポと冴えているみたいな時に絵を見て、そこから流れ込んでくる世界に浸ってみる。そんな感じだったと思います。

 東京を離れて静岡に戻ってくる際に、残念ではあるものの「まぁイイか」って思えたのは、ひとつにはデパートの上の方での展覧会みたいなものが衰退しちゃった後だったからっていうのは。あるかな、って思います。