ラジオでギヤ・カンチェリというお名前の作曲家の作品を聞きました。
NHK・FM「現代の音楽」。
黒海に面した国であるジョージアのご出身だそうです。
曲名は「リトル・インバー」。
期待していた以上に良い曲でした。
いつもは録音したものをしばらく聴かずにおいて、聞いたときの気持ちを反芻して気持ちを整理したりするんですけど、今日は珍しく早速にmp3化して聞き返しました。
3回ほど繰り返して聴きました。
インバーという村周辺に古くから伝わる歌を取材して散りばめるという手法から来るのか、繰り返し聞いてさらに深く入り込んで行ける曲だと感じました。
児童合唱による素朴にして純真な響きと、不穏な和音が交互に現れる陰影を含んだ音の世界に引き込まれます。
大人の男性の方の歌がとてもやさしくなめらかで美しいという場面もありました。
カンチェリ氏はかなりこのインバーという村のあり方に心を打たれたようで、村の歴史を知り、そしてまた自分が伝えるべきことすべてを内包する曲に作り上げようと腐心されたのではないかと思います。
番組の趣旨としては「21世紀の様相」。
去年あたりからこの番組を務めて聞くようにしてきましたが、今の現代音楽の様子がかなり豊かであると私にも理解できてきました。
ちょっと思い出して、ゴンチチさんの番組「世界の快適音楽セレクション」で流れてとても良いと感じた、ヴァレンティン・シルヴェストロフさん作曲の「弦楽合奏のためのエレジー」を聴き直しました。
これもすごい曲だと思います。
現代音楽についての連続講義のラジオ番組を去年でしたか、NHKで聞いたと思うんですが、若い男性の作曲家の方に色々と教わりました。
非常に多くのことを伝えていただきましたけど、一番おっしゃりたいことは「100人の現代音楽の作曲家がいれば、作曲法も100通りある」というようなことで、すなわち、「個々人の作った曲に注意深く耳を傾けてほしい」というようなことなのかなと私は思いました。
とても基本的なことですけど、初めて聞く曲に対してフラットな気持ちで接するのは大事。そういう気持ちで聞くと発見も多く、自分だけの風景も見つけられるのかなと思います。