社宅の壁イラスト

kai-on-ji

 「年賀状イラスト」のお仕事なんですが、依頼主の方から了承を得ました。図柄について。
 ただ、見直してみて、おかしいな、と感じたトコロなどに手を入れました。
 コレで良いでしょう。

 厚めの紙に印刷して、ハガキ大に切り分けました。
 そんなコトをしていたら1日が終わり。しかし年賀状イラストが完成して良かったです。

 例年よりも時間に余裕がありましたので、割合に細かいコトまでできました。たくさんの線を引きました。
 集中力としても悪くなく、密度の濃い作業ができたと思います。

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 本日のブログ用イラストは大変にバクゼンとしていますが、私の古い記憶から描きました。

 きのうのイラストは、両親の出身地である伊佐市。その片隅で遊んだ経験から「川をせき止めて作ったプール」を描いたワケですが、本日は「社宅の壁」です。

 これは歴史文学作家として知られる海音寺潮五郎(かおんじちょうごろう)さんが住んでいらしたお宅の壁なんですよ。
 海音寺さんのお名前は、今週のNHKラジオ第1「旅ラジ」でも出てきました。
 「伊佐市で作られた焼酎は世界でも一番うまいね!」みたいにおっしゃった…というご紹介でした。
 細かく言うと「(当時の)大口市の焼酎が一番ウマいわ!」みたいな感じでしたんでしょうけど、自治体の合併とかあったので仕方ないと。

 しかし本日のイラスト。ずいぶんとわかりにくいというか、要領をえない絵ですみません。

 手前味噌な言い方になりますが、商売ガラっていうか、「モノのカタチ」については古い記憶であっても、「全体像」と「細部」の両方を確認するクセ、というか、モノ自体に対する興味っていうのが絵を描くのが好きな人には備わっているものなんですけど、海音寺さんのお宅については、この「壁」の記憶がすべてです。
 もっと正直に言うと「黒っぽかったな」っていうだけのモノです。

 ナゼか。
 実は私、当時、小学校中学年くらいでしたが、この時ヒドい腹痛で死にかけていたんですね。
 母親が「この家、昔に海音寺さんが住んでたんだよ」と教えてくれました。
 しかし私はソレどころじゃありません。

 辞世の句を詠んでおくべきじゃないかってくらいのイキオイ。モウロウとしていたんですね。
 あまりに激症であったため、赤痢を疑われて病院で採血してもらった直後。
 余談になりますが、死にそうになってる時の採血っていうのは、自分のカラダから、さらに活力を抜かれるようで非常にツラいです。
 私は今でも採血が苦手です。献血なんかも、できれば協力したいんですけど、できないですね。

 ちょっと整理しましょう。
 この地は母親の出身地でして。伊佐市は「牛尾(うしお)」。ここには昔、金山がありました。金が産出したんですね。
 今でも少し離れた「菱刈(ひしかり)」っていうトコからはガンガン、金がザックザクらしいんですけどソレはまた別のおハナシですよ。

 で、海音寺さんなんですけど、お父さんが鉱山技師だったらしく、その関係で牛尾に住んでいたコトがあったらしいのです。

 つまり、上で書きました母親の弁をより正確に言い直しますと、「この家、のちに作家として名を成した海音寺潮五郎さんが子供だった時期にご家族と一緒に住んでいたお宅なんだよ」。でしょうね。
 どうも伊佐市のもっと開けた中心部にちゃんとしたホントのお宅もあったような感じです。

 当時の「技師さん」って良い身分だったようです。このお宅が位置した場所は病院の真ん前でした。村に1軒だけあるって感じの病院ですね。
 死にそうになってた私が病院から出たトコロ。ソコがすなわち海音寺さんのお宅の真正面だったと。一応、母親としては言っておきたかったのだと思います。

 他の労働者諸君のお宅なんかは、海音寺さん宅の裏手に固まっている感じでした。

 私が見た時にはもう牛尾の金山は閉山が決まっていて、社宅群は取り壊されて基礎しか残っていなくて風通しが良くなってました。
 その時期には、金山で働いている人は近くに自宅がある人だけって感じなんだったと思います。
 そんなコトもあって、海音寺さんゆかりのおウチもいずれ早晩なくなってしまう。という読みもあったのかと思います。母親的には。

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 海音寺さんと牛尾地区のつながりについてはネットで検索して知りました。
 今はもう違うようですが、以前に「海音寺潮五郎 牛尾」とかのワードで最初の方に出てきていたブログがございまして、ソコでいろいろと知った次第です。

 その人がナントカ・ピストルズのファンの人で。イギリスのパンク・ロック・バンドですよ。

 私なんかも一応、ひと通りは知ってるつもりですけど、その人はもっとマニアの域に達した方で、具体的には7インチ・シングルについてのアレやコレ、とかね。
 かなりの知識量のようすでした。
 しかし意外な場所でピストルズ・ファンに出会いましたよ。私にしてみれば。

 その方、昔にあった「ポゴ」っていうバンドの人らなんかとお知り合いのようすでしたんで、私よりもほんのわずかに年上なのかと思います。

 ネットの動画サイトで「耳鳴り からかわないで」というワードで検索すると、演奏のようすが出てきます。山口富士夫さんのカバーですよ。
 これがかなり良い。ボーカルはちょっと不安定なんですけど、それが詩の世界をむしろより良く表現していてウマくハマった感じです。
 ネット上ではいろんな方の演奏した「からかわないで」が聞けますけど、今のトコロ、「耳鳴りバージョン」が一番好きかなって思います。

 他にはこのバンドさん、ピストルズのサブスティチュートなんかもカバーしてますけど、こっちは「やっぱ、このバンド良いわ。特にギターとドラム。」って感じでしょうかね。