ラジオで「音楽による札幌オリンピック回顧」という番組を聞きました。NHK・FMです。
いろいろと聞いたんですが、最後はトワ・エ・モア「虹と雪のバラード」。この2週間くらいで4回くらい聞きました。NHKのラジオで。しかし聞くたびにイイ曲だなって思わされます。
歌としては男女2声。ダビングなしですので「豊かなハーモニー」って感じではないのですけど、強くハッキリとした2本の稜線がギュギュギュっと青空に線を引いていくような明確さがありますね。迷いのない時代だったんでしょうか。
番組内での紹介を聞いて、「そうだったのか」と思ったんですけど、第1次石油ショックの前年だったんですね。
実は私、札幌オリンピックの前年の作だという黛敏郎氏の「立山」っていうCDを持っています。まだ東京で暮らしていたコロに買ったんですけど。
私は電子音楽が好きでして、黛氏の正弦波を使った曲なんかは特に好きなんですけど、「それだけってのも失礼だ」ってワケでたまたま目に付いたこの「立山」。なんと非常に値段がお安かったので買ってみたんですけど、これも非常に明確なスッキリとした曲です。
そんなに長い曲でもありませんしネットの動画サイトでも聴けます。
私の勝手な感想ですけど、「雪山!」、「青空!」ってカンンジですね。映画の曲ですので、監督からの希望もありますでしょうから、私が今この時代に「70年代初頭の迷いのなさ」とか言っても大した根拠もないんですけど。
きのうのラジオ番組「現代の音楽」でスペクトル楽派への言及の中で「黛氏の倍音への興味の速さ、そして実践。そしてまたそこから“精神性”へと興味が移っていったユニークさ」というようなコトが述べられていたかと思います。
先に述べましたように私は単純に電子音楽が好きであるばかりに現代音楽と言われる音楽も聞いてきた面があるんですけど、最近はわりとオーケストラ作品も聞けるようになってきました。
作曲者が自分の問題意識を曲に落とし込もうと努力して、指揮者が楽譜をもとに楽団を鳴らそうとして、楽団員は自分の楽器を鳴らそうとする。
個々のがんばりとその結果の「音」に興味が出てきました。
ココまで長かったですね。50年かかりました。普通の人ですと半分とか、その半分くらいで到達する境地なのかなって思うんですけど。しかしパンクロック愛好家としてはがんばった感じです。