ヘロヘロ・カッパ

made-of-pure-gold

 本日のマンガのコマの着想についてちょっと書いておこうと思います。

 高校を卒業して専門学校に通っていた私なんですが、住居については雑多な専門学校生が暮らす学生寮に住んでいました。
 つまり私はデザインとかイラストを学んでいましたが、他を見渡すと書道の学校に通う生徒さんがいたりしていたんですね。他には宅建だったり、ありとあらゆる学校の生徒さんがいらしたのです。

 その中で異彩を放っていたのは日本語学校に通うタイ出身の若者3人でした。
 “スラッチャイ”とかいう私にしてみたらかなり前衛的な名前の人たちでしたんですが、彼らは本国ではかなり良い身分の家族の出だったようです。
 伝聞ではありますが、日本の学生がごく普通に持っているラジオカセット。あれは便利だから欲しい。と故郷の親にねだったところ送られてきたお金が100万円だった。日本の物価に長けているわけでもないので疑問も持たずに、3人してその100万円を持って秋葉原に行ってみたらそんなに高い製品でもなかったよワッハッハ、なんていうファンタジックな伝説にドギモを抜かれたりしておりました。

 3人のうちのひとりの男性が恐ろしくゴツい金色の分厚い金の板に何やら宝石っぽい石が埋め込まれたネックレスを肌身離さずつけておりました。
 別にストレートに換金のみを目的にしたモノではなくて、「お守り」もかねていたみたいなんですが、まぁ印象的な目撃体験ですよね。
 そんな私がまだ10代のコロの記憶を今回マンガにしたというワケでございます。

 3人の中では一番ふつうの人に近い男性は他の2人に比べるとかなり気さくな人で日本人ともよくしゃべっていました。
 彼が好きだと話したポピュラーミュージックのことを今でもよく覚えています。
 聞くと「デヴィッド・ボウイのディス・イズ・ノット・アメリカン」がかなりお気に入りだったみたいで一節うたってくれたりしたように思います。
 決して悪い曲ではないですけど、一番最初に出てくる曲でもないのでちょっと意外に感じました。

 シリアス・ムーンライト・ツアーの最中にボウイさんが東南アジアの風景の中で写っている写真なんかも見たものですが、現地の特殊な事情であの曲が特別に流行していたのかな、なんて想像したりする私です。

 日本でしか流行らなかった洋楽なんかもたくさんありますし、何かがタイの人たちに響いた、って可能性はあるんじゃないかなってお話なのでした。シャララララ。