本日は「お手紙イラスト」の掲載です。
3月の中旬くらいに完成したものです。今までとは違う「色の塗り方」に挑戦してみました。
事前に思っていたのとは少しちがっちゃいましたけど、とりあえずこの感じをしばらく追求しようと思います。
反省点としては「新しい技法を身につける時は、もう少し軽い内容の画面にとどめておいたほうが良い」ってコトですかね。
大きな仕事が終わって、「自由だ!」みたいな気持ちがいっぱいで。グイグイと下書きしているうちに、こんなよくわからない世界を構築していました。
このイラストには、お仕事上の取引先へのお礼状という側面もあります。通常の「お手紙イラスト」はだいたい無着色なんですけど、塗り方の練習と兼ねる感じにニコイチにしました、
モチーフとしては私が住んでいる「富士市(ふじし)」全体が題材になっています。
せっかくですので解説してまいりましょう。
まずは画面中央。富士山です。やはりわが富士市といえばこのデカい山。アングル的には伊豆半島の西伊豆あたりから駿河湾ごしに富士市周辺をのぞむような感じで描きました。
むらさき色のどうぶつ達の背後に並ぶポコポコした半球状の青い物体は、西伊豆の海沿いの山々のつもりなのです。あの辺は地形が急峻ですからね。
海に浮かぶお舟ですけど、下の方はシラス漁を営むトリさん。波ガシラの上に乗っかっている大変なお舟は、田子の浦(たごのうら)の両岸をつないでいた渡し船です。江戸な時代の風景ですね。
波に流されているカッパもいます。これは富士市の東側の浮島沼方面から海へとそそぐ沼川(ぬまがわ)の河口で気ままに暮らしていたとされるカッパです。この人たちがわりとお茶目なカッパの一群であったみたいなんですが。
富士山の右側のイタチ3人は昔の旅の人。東海道ですね。富士市の宿場というと吉原(よしわら)なんですけど、この町は水害などで2度ほど場所が変わっていってだんだんと内陸にズレていったそうです。
しかし内陸にメリ込んでいくってコトは歩く距離が増えちゃうんで体力がある人とか急いでいる人は、宿場をパスして海沿いを行き、渡し舟に乗ったんだとか。
画面の真ん中付近をご説明いたしましょう。
まずは右手に赤いバラ。バラは富士市の“市の花”です。
その下。お茶とお菓子でくつろぐどうぶつ達ですが、今回、取引先にお送りしたのは、バラをカタチどったマドレーヌです。市内のお菓子店謹製なワケなんですけど、まさにご進物に最適って感じですよ。そのお菓子をどうぶつたちがおいしく召し上がっているサマを描きました。
一番下の黄色っぽいゾーンは踊り狂うネコたち。富士市に伝わる昔話からとったんですが、このノンキな昔話周辺については明日またくわしく解説したいと思います。
ネコとかどうぶつたちの頭やおなかの色を塗るのは楽しかったです。今回の作業としては。