ぼんタヌキ

bon_dance_01

(以下の日記は音楽についてのお話です。)

 お昼のラジオでマイルス・ディヴィス氏の「オン・ザ・コーナー」が流れているのを聞きました。

 選曲されたのは音楽家の大友良英さんでした。NHKの帯番組の1コーナーです。他には野坂昭如さんやデレク・ベイリー氏の音楽がかかりました。

 昨日も同じ時間の番組を聞いたのですが、山下洋輔トリオの「ミトコンドリア」という曲がかっこよかったです。
 私は知りませんでしたが、坂田明さんが作曲した曲だという事でした。坂田明さんといえば「ミジンコ」の研究でも有名な方です。坂田さんの弁による「ミジンコにはミジンコの都合がある」というお話は若かった当時の私にとっては衝撃でした。
 「そりゃそうだよな」ってコトでもあるんですが、案外思いが至らないものです。ともあれ私にとって新しいモノの見方というか、考え方を得た気分になり興奮しました。今でも影響されていると思います。

 もうひとつ影響された事は民族音楽です。中東だったりアフリカだったりするんですが。
 私はまさに山下洋輔さんや坂田明さんの紹介でそういうモノがあると知りました。かなり変態的な音楽の存在ですね。

 実はここからディヴィスさんの「オン・ザ・コーナー」につながるのです。

 「グナワ」っていう音楽があります。モロッコの民族音楽らしいんですけど。
 いろんな流儀があるようですが、私が手に入れたCDですと甲高い金属音が延々と鳴り続ける中でメロディーが進行するスタイルが多かったです。
 けっこう独特で戸惑いました。なかなか好きになれませんでした。

 これは当時の私がシンコペーションするベースがブーブー言いながら曲を引っ張るタイプのモノばかり欲していたのが主な原因だと思います。

 「グナワ」を消化できない内に新しく聞いたのが「オン・ザ・コーナー」でした。こちらもけっこうリズムが変態な上にハイハットが変な感じに刻むんですね。これが耳についてなかなか入り込めず、苦労しました。
 繰り返し聞く内に突然良くなって、今では大好きな「オン・ザ・コーナー」なんですけど、「グナワ」と並んで苦労したよという、まぁそんなおハナシなのです。